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noteを地味に更新していたら、ある日突然、セカイカメラを作った井口尊仁氏と対談してて驚愕したよ、という話

想定外のプッシュ通知

相変わらずバタバタした生活を送っている。毎日のZoom会議。経営判断の連続だ。Zoomのバーチャル背景が朝なので、いつまでも朝な気分だが、窓を見ると、すっかり夜になっていたりする。

そんな時、Twitteからプッシュ通知が来た。誰かがいいねでもしてくれたのだろうか。そんな風に思ってチェックしにいくと、そこにはこんなつぶやきが書かれていた。

そう、この「選択的雑談社会」という言葉は私が以前投稿した内容だ。コロナの影響で、在宅ワークをする人が増えた中で、雑談が空間的だった時代から、選択的なものに変わっていることに気付き、言語化した記事である。

「セカイカメラ」を作った井口尊仁氏のブログシェア

そして、この記事をシェアしてくれた人物に私は驚いた。ARアプリの先駆者として2009年に作られた「セカイカメラ」を作った井口尊仁氏だったのだ。もちろん、その名前は以前より存じ上げていたし、勝手ながら尊敬をしていた。未来を感じさせてくれる人物は昔から大好きだ。

だからこそ、つぶやきがうれしかった。早速、記事のシェアをしてくれたお礼をすると、リプライが返ってきた。

語り合うの楽しそう・・・。そう思って、YouTubeで対談でもしませんか、と誘うと、こんなリプライが返ってきた。

ダベル・・・。正直、そのアプリのことは知らなかった。調べると、井口さんの会社Doki Dokiで作っているアプリらしい。面白そうだから使ってみようと思い、ダウンロードだけしておき、そのことを連絡する。

あのイノベーティブな井口さんが見つけてくれて何かの発想のお役に立てたのならそんな幸せなことはない。そして、一緒に話せるなんて凄いなーと勝手にドキドキしていた。

お会いする前に先方の開発されているサービスは一通り試す習慣があるので、アプリをダウンロード。ひとまず使ってみることにした。最初に入ったのは雑談コミュニティ。音声でも、テキストでも話すことが出来るし、配信者・聴衆の垣根がとにかくゆるい。なめらかにそのあたりがつながっていて、境目があまりない。しかも、音声がZoomなどよりも圧倒的にクリアだった。

他の部屋も覗いてみた。B.Y.O.Bと書かれた英語コミュニティーだ。このアプリ、アメリカで火がついたらしく、アメリカ人も多く利用しているらしい。そこに入ると、ずっとお皿の音がしている。何かもぐもぐ食べているらしい咀嚼音が聞こえている。そして、ずっとそのままだ。特に何かが起きるわけではない。驚くことに咀嚼音のリスナーは、同時中継で200人くらいいた。

あまりにもゆるかったので、試しに自分でもラウンジを作ってみることにした。その名も「Dabelやってみた」。誰か来ることは全く期待していなかった。井口さんとどこかで話す前に自分なりにテストするのが目的だった。1分30秒くらい自分語りして遊んでいたら、ピコンという音がした。その音は誰かが私の作ったラウンジにログインしたことを示している。ログインした人の名前はtakaだった。井口尊仁氏ご本人である。

もちろん、私は井口さんが登場するとは思っていなかったし、井口さん自身もいきなり私がDabelを始めるとは思っていなかったようだ。奇跡のタイミングで出会い、話すことになったその内容をこのnoteでは書き起こすことにした。一部始終をご体験あれ。

井口尊仁氏との会話を一挙公開

窪田
あ、タカさんだ!

井口さん
これ、初めてなんですか?

窪田
初めてです!

井口さん
さすが、行動が早いですね・・・。でもこういうのがまさにDabelっぽいんですよね。予定を決めないで出会い頭で話せるみたいな。ラジオと電話が合体したみたいなイメージなんですけどね。

窪田
いいですね・・・。しかも、これなんか音質がすごく良いですよね。

井口さん
音質も良いですし、音の遅延が極めて少ないんですよ。

窪田
遅延が少ないからこんなに気持ちよく喋れるんですね。

井口さん
ほぼないんですよ。電話より音質いいと思います。ほとんどノーディレイです。だから、一緒の空間にいる感じがするんじゃないかなと思うんですよ。

窪田
確かに・・・。すごいですね。

井口さん
ブログ読んで窪田さんは、言語化能力が高いなあと思ったんですよ。選択的雑談っていう言葉は目から鱗で、そういう言い方したことなかったなって思ったんですよ。雑談ってレベルが低いものと思われがちで日常的なものだから、選択的になったということが、引っ掛かりがあっていいなと思いました。

窪田
ありがとうございます。本来、雑談って選択的ではなく日常的だったのに、急に選択的な存在になってしまった。そのことによって戸惑っている人が多いんじゃないかなと思うんですよね。

井口さん
しかも、雑談を持ちかけられる存在かどうか、という着目点がいいなと思いました。これも普段、あまり意識しないですよね。雑談しやすいと思われているかどうか、をバリューとして捉えることって正直あまりないので、なるほどと思ったんですよね。

窪田
そうですね。しかも、それが経済活動と連動している世の中になっちゃったような直感があるんですよね。

井口さん
めっちゃつながってるような気がしますね。

窪田
評価経済社会のもう少しゆるい版みたいなのがはじまっているような気がするんですよね。

井口さん
あー、確かに。レーティングとかランキングとかのコンペティションする感覚ではなく、もっとフラットでなめらかな感じかもですね。

窪田
あー、そうです!最近、なめらかとザラザラが大事な世の中になるって最近思っていたんですよ。例えば、AI社会ってなめらかじゃないですか。Spotifyで音楽を聞いている状態ってなめらかだと思うんですが、そういう社会にザラザラしたものを求める人の気持ちがあると思うんですよね。例えば不便益みたいなことが生まれている。不便だからこそ面白いみたいな。なめらかとザラザラが最近気になってましたね。

井口さん
お話し伺っていて思ったんですけど、コミュニケーションの入り口やテイスト・角度みたいなものが実感値として感じられるというのが面白い。入り口でどういうツールで入ったかが何か、によってそのあと、尾をひく感じがするんですよね。Dabelで出会った人って信頼度が高い感じがするんですよね。すごい距離の近さや親しみをものすごく感じるんです。作った本人もあんまりわかっていないんですけどね。

窪田
あー、でもこれ不思議な感覚なんですけど、初期のネットの一番面白い部分ってあるじゃないですか。例えば、古い話ですけど、ニフティフォーラームの感じとか・・・

井口さん
あーーー、わかる・・・!!!

窪田
AOLのチャットとか、ICQとか、mixiの初期の初期とか。そういうコミュニティーの空気にDabelが近いような感じがしますね。

井口さん
あーーー、わかる・・・!!!AOLの初期のやつありましたよね。そういうのを経たあとのFacebookやTwitterだったじゃないですか。流行り始めの時が一番楽しいですもんね。初期のmixiやTwitterには理想が広がっていたな、と思ってて。

窪田
ありましたね・・・。足跡機能とか超楽しかったですよね。

井口さん
ずっと見てましたね。ニフティーのフォーラムに迎え入れてもらってリプライされた時の嬉しさ・Twitterのリプもらったとき、RTしてもらったとき、足跡が増えていく嬉しさとかが原初的にあったんですよね。

窪田
ありましたね。元カノとかが足跡をつけて「わー」ってなる感じとか。

井口さん
爆笑
あのドキドキ感たるや・・・

窪田
これもう一回踏もうか踏まないか考えたり・・・

井口さん
逆に足跡つけに行っていいのかどうかの、あの・・・

窪田
そうなんですよねえ・・笑

井口さん
まだ我々はそこまでは行っていないものの、試行錯誤してます。「選択的雑談」はDabelでチャレンジしていることの一部をすごく言い当てている感じがして。セレンディピティな感じの突然の出会い頭の事故的な雑談なんだけど、ユーザーも含めて学習している感じがする。

窪田
話していて思ったんですが、mixiの足跡もSNSのリプライもDabelも、入り口がデジタルだったのに、いきなりアナログが表出する感じが気持ちいいんですよね。

井口さん
それは物凄い言語化にめっちゃ成功している気がします。笑 確かにBBSで誰かに触れ合って実際に仲良くなっている時のwktk感ってめっちゃありましたよね。

窪田
本質的にはそれって山手線に乗って、横の人に話しかければ、本質的には出来るんですけど、それとは全く異質な喜びがあるんですよね。自分の世界が広がった・・・?拡張する感じがあるっていうか。

井口さん:
究極的には誰もが出会い頭に喋れるといいなと思って、これ作ってるんですよ。でも、そういうケースとは別にもう少し狭い感じで知り合いの知り合いから紹介してもらって盛り上がるパターンもあるんですよね。そっちからだんだんテイクオフしていって、いずれやがてはどんな奴でも仲良くなるみたいなことができればというのが今の僕のテーマです。

窪田:
めっちゃ世界平和指向型ですね。それは。

井口さん:
世界平和を大上段にやったわけじゃないですけど、自分の場合は20歳の時にプログラミングを覚えて、誰とでもマッシュアップできるじゃんと気づいたときに、霊感が走ったというのが最初の入り口なんです。哲学科の学生がプログラムを覚えると余計なこと考えちゃうんですよね。

窪田:
哲学わかってて、プログラミングされて、セカイカメラ作られて、今Dabel作られて・・・って凄いですね。

井口さん:
三つ子の魂百までじゃないですけど、あの時の霊感は忘れられない気がするんですよね。セカイカメラの頃って正直にいうと、「情報」と「共感」ってところが製品としてもチームとしても分断していたんですよね。Google Mapを作ろうということと、Facebookを作ろうという2つの流れがあって、どっちもやろうってなってたんですよ。

窪田:
機能なのかコミュニティーなのか、ってことですよね。

井口さん:
この2つって似てるんですけど、実は両立しづらいんですよね。検索性が高いのか、共感性が高いのか、どっちかを選ばなくてはいけない。テレパシーでは共感に振り切ってやろうと思ったんですがなかなかでDabelをやっています。

窪田:
でも、なんで声に着目しようと思ったんですか?実は五感変換が行われているじゃないですか?セカイカメラの時は視覚だったのに、Dabelって聴覚になっている。

井口さん:
あはは、これ完全に番組として成立していますね・・・。笑

正直にいうと、テレパシーはセカイカメラのリベンジだったんですよ。でも、そうこうしているうちに、Googleが先に出しちゃったんですよ。めちゃくちゃ悔しくて。

その時、いろんなプロトタイプを作っていたんですけど、最後の最後のプロダクトは視覚がなかったんですよ。純度を上げて磨き続けた結果、お互いにバイブレーターをお互いにつけているようなものになったんですよ。デバイスいらね、音声はあってもいいけど、ってなって。結論、バイブレーションを伝えるのが一番いいんじゃないか、と思って。ZigBee(*1)というプロトコルで接続して、タッチしたらバイブが伝わるものを作ったんですよ。

(*1)短距離無線通信規格の1つとして2004年に標準化団体「ZigBee Alliance」により策定。 ZigBeeという名前は、ミツバチ(bee)がジグザグに動いて(zig)、蜜のありかについて情報交換をするように、ネットワークに接続された端末同士が連携することに由来。

音声がゴールだったわけではなく、ダイレクトかつピュア、エモーションにつながれるには何をしたらいいか、ってことをずっと考えていたんですよ。そのあともずっとAIやIoTのデバイスのことを考え続けた結果、試行錯誤した結果、声が一番人間がブレインインターフェイスに行く手前の直接的なコミュニケーションのデバイスだなってことに気づいて。

窪田:
脳波によるコミュニケーションに行く前の現時点の私たちの最適解が実は声ってことですよね。

井口さん:
今、こうして窪田さんと話していること自体が物語っている気がしていて。もし、これがZoomやMeetだと色んな不要なものが混じる感じがするんですよ。表情とかルックスとか背景とか家の様子とか色んなものが入ってきて。それって本当にお互いに感情を交わして仲良くなる上では邪魔な場合もある。

窪田:
邪魔・・・。確かに邪魔って言えば、邪魔かも・・・。

井口さん:
ニフティフォーラムやAOL、mixiの初期の生々しくも人間と触れ合う時の直裁な感覚って、視覚的・映像的な感覚っていらないんじゃないか、って思ったんですよ。

窪田:
それはありますよね・・・。

井口さん:
実は今も話していて、声のトーンやテンポ・調子だけでもすごく伝わっているものがあると思うんですよ。焦っている感じだったり、自信がない感じだったり、伝えきれなくて汗かいている感じとか。それってテキストチャットでは出てこないし、映像とかだと見落としがちな感じだと思うんですよ。

窪田:
そうですよね。それに自然体で話せる感じがありますね。伝わっているのが声だけであるという安心感からか、変に笑顔を作らなくてもいいし、話していることだけに集中出来る感じがあります。

井口さん:
アイコンタクトしなくていいし、何か食べながらでも飲みながらでもいいし。ブレーンインターフェイスに極めて近い気がするんですよね。

窪田:
あー、そういうことですか。面白いですね。

井口さん:
時空を共有している上に、すごくニュアンスが豊かで、言葉って情報と感情の両方を表出出来るものなので、人間が脳同士でつながる一歩手前のパイプラインなんじゃないか、って。

窪田:
なんかのイベントで真っ暗闇の中で全盲の方が案内してくれるイベントがあって・・・

井口さん:
ダイアログインザダークですか。

窪田:
そうです。あれで、「ここにはブランコがあるよ」とか全盲の方が教えてくれるんですが、視覚をなくすことによってアンテナが立つ感じがあったんですよね。いつもより感覚が鋭くなって。

井口さん:
実際、アメリカのユーザーの30%位の方はブラインドの方なんですよね。弱視か全盲の方が全ユーザーの2割以上3割以下くらい。しかも偶然で。そこをターゲットしたわけではなくて、たまたま見つけてくださったんです。

窪田:
それめっちゃすごくないですか・・・。たまたまだったっていうのも凄い。お互いに全盲かそうじゃないか、っていう情報って、生活していると、どんなに注意深くなくてもわかっちゃうと思うんです。このアプリだとそこは全くわからないですもんね。

井口さん:
そうなんですよ。友達のウクレレ奏者がいて、彼はアメリカ出身で英語が分かるんで、聞いてみたんですけど、ブラインドの人の英語って丁寧で優しいんですって。これってすごくインサイトあるじゃないですか。

窪田:
めっちゃ面白いですね。

井口さん:
目が不自由だからこそ、丁寧な言葉を使うんだとすると、それは僕らにとって学びがあるっていうか。

窪田:
分かる気がしますね。過去にいじめられたことがあるほうが人に優しく出来るのと近いというか。

井口さん:
まさにそうです・・・・!あ、よかったら今これ聞いてくれてる田久保くんとかも招待してもらえれば、一緒に話せますんで。

窪田:
あ、さっき田久保さんは別のチャットでお会いしました。こんちゃっすっておっしゃっていた気がします。

井口さん:
10代・20代のソーシャルに対する嫌悪感があるっていうデータもあって、批判とかされるのが嫌なんだと思うんです。それを彼は最近跳ね除けた感があって。

田久保さん:
今はこんちゃっすとか言ってますけど、このアプリと出会うまでは、静かな感じでしたよ。人と話す機会自体が少なくて・・・。まあ、オタクなんで。Zoomもしかりなんですけど、コミュニケーションするのはわからなかったんですよね。でもなんやかんや、5月末にDabelのイベントをして、気づいたら、運営にもまわりつつ、やるようになったりしていましたね。アメリカに行っちゃったら英語がうまくなるみたいな感じで。

井口さん:
大喜利企画をやった時って、見てて、辛かったんですよ。

(一同爆笑)

あの時はほんと痛々しくも頑張ってて、今を考えると、乗り越えたよね。

窪田:
大喜利企画ってなんです?

田久保さん:
私は面白いことが好きで、大阪に「文の里商店街商店街」というところがあって、そこの広告が面白くて大喜利っぽいんですよ。

窪田:
あー、なんか見たことありますね。切り口に大量の塩を塗り込んでやった、って書いてある野菜のポスターみたいな。

田久保さん:
そうですそうです!あれみたいなことをやりたくて、田舎の町おこしをやっていたりしたので、Dabelでやってみようと思ったんですね。5月にやり始めたときにやったんです。まだどんな人がいるのか、わかっていないみたいな感じでしたね。不安も抱えながらやってましたね。

井口さん:
全ての人が田久保くんみたいに切り抜けられるかはわからないですけど、自分が何かをしたいというモチベーションがある限り、なんとかなるものだなと思いましたね。

窪田:
あー、確かに人ってものすごく変わりますよね。ちょっとしたきっかけで大きく変わったなと思うこと多いですもんね。

井口さん:
窪田さん、ブログを通じて今日初めて会いましたけど、実は共通の友達多いし、考えていることも近いなあと思って共感します。田久保くんもこういう何気ない出会いが、全然違うプロジェクトとかビジネスにつながっているかもしれないですよね。

窪田:
そういうことってありますよね。仕事じゃなくても、人生を変える瞬間につながっていたりとか。そういうのはありますよね。いやー、Dabelっていいですね。最近、ずっと思ってたのが、コロナになって新しい孤独が始まっていると思っていて、それを解消出来る可能性ありますね。

井口さん:
いやあー、二重にまだバリアがあると思っていて。ツールとして不十分ということと、今までなかった習慣なので。オンラインの雑談に乱入するみたいなのって。

窪田:
まあ、確かになかったですけど、例えばサークルの溜まり場に何人かで飲んでたら、知り合いが来て飲むことになったみたいな楽しい体験を代替していると考えると、そういう心地よい体験を求めている人は多そうだなと思いますね。

井口さん:
それは窪田さんがDabelに向いているってことなんですよ。人によっては「隣で喋っているカップルに難癖をつける親父」とかって例えますからね。

窪田:
それ嫌過ぎません・・・?笑

井口さん:
国際電話でいきなり話しかける、とか笑

窪田:
それただの回線トラブルじゃないですか・・・。

(一同爆笑)

井口さん:
喩え方によってどのくらいDabel向きか分かるっていう診断になるんですよ。「隣で喋っているカップルに難癖をつける親父」とか国際電話でHey Yo!とかって普通はやらないんで・・・。

窪田:
それはDabelっていう名前が防御してそうな気もしますけどね。これがなんか「Tsukkome」っていうアプリだったら大分やばい感じになりそうですけど、Dabelなんでゆるく話していいんだろうな、みたいな。

井口さん:
突撃電話みたいな名前だったら、やばそうですね。

窪田:
だいぶ心臓バクバクしそうです。

井口さん:
殺伐としたアプリになりそうですよね。でも、アメリカユーザーは、ただそこにいるだけというストリーミングも多いんですよね。

窪田:
そう・・・!なんか食べてる音をずっと流している奴があって、新しいコミュニティだな、って思いました。

井口さん:
ただいるだけとか、下手したら、寝てるやつまでありますからね。

窪田:

井口さん:
今、3人で話してますけど、音声がミックスされているから、同じ空間にいる感じがするんですよ。同じ場所で食事してたり、飲み交わしているかんじがするんですね。聞き専だとよりその傾向は顕著ですね。

窪田:
確かに・・・。ところで、Dabelってなんでこんなに音がクリアなんですか?

井口さん:
Agora.ioというものを使っていて、リアルタイム音声ストリーミングツールをベースに開発してます。AI使って、一番最短ルートを常に探しているみたいな。

窪田:
あー、じゃあ、分類問題を解き続けているみたいな。

井口さん:
まさにそうです!

巡回セールスマン問題みたいな感じで最適解を見つけています。回線のルートによってどこに負荷が出来るかって常に変わるじゃないですか。それを見つけるのがすごく優秀なんです。どっちが偉いかでいうとAgoraの方が偉いんですけど、僕らが頑張っているのは会話をいかに安心に出来るようにするか、ってところなんですよね。

田久保っちは嫌なこと言われたみたいなことってあった?

田久保さん:
バグとか外国人とかが入ってくることもあるんですけど、それがむしろ共通のネタになったりするんですよね。外国人って何話していたんだろうね、みたいになったりもしますしね。こういうのって他の配信ツールってないですもんね。

井口さん:
カオスが前提なものってまずないですもんね。

窪田:
そもそも今話していること自体、全く予定してなかったですもんね。試しにやってみたら、話し始めたかんじでしたからね。

井口さん:
いやー、そうです。本当、最近、悩んでいるのは雑談が社会にどう役に立っているのかということでした。そういう論文を探していたら、窪田さんのブログに行きついて、午前中にTwitterでやりとりすることになったっていう。奇跡的ですよね。

窪田:
驚きですよね。

井口さん:
せっかくなんで、こういうネタで、面白いこという人をいっぱい巻き込んで、うまい感じにシリーズ化したいですね。

窪田:
やりましょう!

まとめ

今後の世界は「選択的雑談社会」になる。このブログを投稿した時、まさかこんな展開になるなんて全く予測していなかった。しかし、私たちの人生には、全く予期していないようなことが確かに起きるのだ。密かに憧れていた人と雑談することが出来た未来を、過去の私はなんていうだろうか。

井口尊仁さんはかつてセカイカメラで現実世界を仮想的に拡張しようとしていた。しかし、私には、今の井口さんは現実世界を現実的に拡張しようとしているように思える。デジタルの先に突如として表出した現実世界は、とても優しく、どこかノスタルジーすら感じさせてくれた。

当日のDabel録音データ
https://dabel.app/?c=fff3b57a27432a743a726383041f46edba1cfa6f

Dabel
https://apps.apple.com/jp/app/ear-ly-social-audio-streaming/id1450231719

井口尊仁さんTwitter
https://twitter.com/iguchiJP

今後の世界は「選択的雑談社会」になる。
https://note.com/nozomukubota/n/nc30ad47f8222

サポートされた費用は、また別のカンファレンス参加費などに当てようと思います。