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13 備えあれば憂なし

5月4日にブルゴスに泊まり、翌日5月5日にオンタナスへと歩く。左足が猛烈に痛かったこともあり、巡礼宿にチェックインしたのちは街のあちこちへと出歩くこともなく、ブルゴスの街の記憶もほぼない。それはこのカミーノフランシスすべてに通じる。2回も歩いたはずなのにほとんど記憶がないのもなんだかおかしい。

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今日の距離はGoogleマップでは34キロある。ゆっくり歩いて8時間強の距離だろう。朝6時に宿を出れば次の町や宿にたどり着くのは2時、3時ごろだ。

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グーグル検索でオンタナスの村をみて思い出した。

・その日は何もない農道をテクテクとよく歩いた

・行けども行けども店も村もなかなか出てこない

・このまま何もなかったらどうしようと不安がかすめた

・かなり歩くと(34km)草原の窪地の中にちょこんと村があった

・これでやっと休めると安堵した

・17年前は巡礼者の数は今の三分の一程度で少なかったこともあり、小さな村には公営の巡礼宿しかなかったように思う

・この巡礼に出るまでは人生10キロ以上歩いたことのないぼくだ。旅程など立てないで無理せず気持ちよく歩けるだけ歩いて、巡礼宿のある適当な町や村を見つけてその日の巡礼を止めた

・フランス国境の村から巡礼を始めてサンチャゴのあるガリシア地方に入るまで比較的天気は良かったように記憶

草原の窪地にあるオンタナス村の全景

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こじんまりしたオンタナス村の公営巡礼宿

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オンタナスの巡礼宿を検索していたらYouTubeにリンクが張ってあって、ちょうどぼくと同じようにブルゴスからホンタナスまで歩いたスペイン人巡礼者のビデオがあった。やはり巡礼者たちが農道をえんえんと歩いているようすが撮されていて貴重だ。

たまには巡礼者と仲良くなって一緒に食事をしたり、歩いたり、同じ宿に泊まったりということもあったが、総じてひとり旅を楽しんだと記憶している。

この巡礼記を書きながら、ほとんど細かい記憶がなくなっていることに気づいた。そこで今は2005年の巡礼とたぶん2007年に行った巡礼のエピソードを混在させて書いている。

2回目のカミーノ・フランシスでは1回目に靴で失敗したので、サロモンの例のトレッキングシューズを履いて旅をした。それだけでぼくの左足の骨の変形から来るハンディキャップをかなり克服できてとても楽な徒歩旅行ができた。

おまけにバックパックもアウトドア洋品店のスタッフにアドバイスをもらいながら選んだ英国カリマー製の30リットルバックパックにした。これがさらに旅の機動性をあげてくれた。やはり備えあれば憂なしである。

つづく