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前田裕二×明石ガクト「動画2.0」時代の問題意識とは

その気になれば誰でもクリエイター側として発信できる今。

あなたのお気に入り番組はテレビから、YouTube、Instagramなどのデジタル上に溶け出している。

これから動画プラットホームはどう変わり、どんなコンテンツが求められるのか。ONE MEDIA代表 明石ガクトさんとSHOWROOM代表 前田裕二さんが徹底的に議論した。

インプレッションではなく、その動画を見て行動に移したくなるか?

ONE MEDIAは、 「あなたの1日、人生、そして世界観を揺さぶるような体験を」をモットーに、テキストと映像を組み合わせたクールな動画を生み出している。

そんなONE MEDIA代表の明石さんにとって、良いコンテンツとはどんなものか。 

これまでのコンテンツは、視聴率やPV、UUなどの数字で機械的に評価されてきた。一方ONE MEDIAでは、視聴回数をただ増やすのではなく、 見た人の「心」を動かし、「行動」に移すようなコンテンツを作ることを目指しているという。

ただ視聴回数を増やすのが目的なら色気のある人をカメラで追っていればよい。でもそのメディアに価値はあるだろうか。

そう考えONE MEDIAではインプレッション数ではなく、エンゲージメントを意識した動画コンテンツに力を注いでいるという。  

テキストメディアでは、いわゆる意識高い系とそれ以外で情報が分断されてしまう。本を読む人は読むし、読まない人は読まない。

でも、テキストを動画に埋め込むことで、受け手のリテラシーを無理に上げることなく、メッセージを伝え、行動を促すことができる。行動とは、いいね、シェア、コメントなどのエンゲージメントを指す。

では、「行動」を引き起こす「感情」とは何か。それは以下の4つに分解される

Entertaining/おもしろい.... (新しいカルチャーやトレンドを求めている人へ)
Enlightening/啓発される....  (未知な世界、脳が刺激される体験を求めている人へ)
Emotional/感情を揺さぶられる.... (新情報を得て、喜怒哀楽を感じたい人へ)
Empowering/勇気づけられる..... (日々の頑張りをより加速したい、自分の可能性を信じたい人へ)

この4つの感情のどれかを刺激するように、ONE MEDIAの動画は作られているという。

そのONE MEDIA が山の手線の電車広告として提供したコンテンツはこちら。「電車で眠くなるのはなぜ?」という身近な問いと軽快な説明。Entertainingなつくりになっている。

この動画は、テキストと画像を組み合わせた「ビジュアルストーリー」の手法で描かれている。ビジュアルストーリーの良さは何か。

明石さんはフェスが好きで毎年のようにロックフェスに行くが、以前は誰かがブログに上げない限り、現地の最新情報を知ることができなかった。

でも、誰もがスマホカメラとSNSで好きな時、好きなように発信することができる今、情報に時差がなくなっている。その時、テキストx画像の組み合わせによって、感情に訴えるストーリーが心地よい。インスタのストーリーズも同じ発想だ。

コンテンツは「幅」から「深さ」の時代へ

続いてSHOWROOM前田さんが動画2.0時代の問題意識についてプレゼンを行った。

これまでのコンテンツは、視聴回数やどれだけたくさんの人に見られるかといった「幅」が重視されてきた。いわばコンテンツの大量生産・拡散志向の時代。

それが、今後はどれだけ共感されるか、感動するかといった「深さ」の軸に価値がシフトしていくだろうと前田さんは話す。

「幅」の代表格が、ユーチューバー。彼らは毎日のように動画をアップし、ファンが拡散することで視聴回数が伸び、それが広告収入へと繋がっていくモデルだ。

しかし、最近ではSHOWROOMのような、双方向コミュニケーションにより演出されるコンテンツの「深さ」に対して課金するサービスが増えてきている。

ちなみにSHOWROOMとは、ライブ配信のプラットホーム。演者と視聴者双方向のコミュニケーションが可能で、投げ銭もできる。

SHOWROOMでは、この人が「好き」というモチベーションでお金のやり取りがなされる。 

そこでは、熱量が高く信用があり、自己を客観視できる人が活躍していく。

前田さんは幼い頃、生活費を稼ぐために路上ライブをしていたという。そこで得られたヒントがSHOWROOMのデザインにちりばめられている。

そのヒントとは、いかに物語を演出できるか。そして、人の感情を動かすのは、だということ。

物語の演出と熱意によって、信用とファンが得られ、ファンのリクエストに答えることで、ファンのためのストーリーが作られる。

SHOWROOMでは、演者だけではなく、そのルームに参加しているファンにもスポットライトが当たっているのが特徴的。それにより、更に能動的な参加が促される仕組みになっているのだ。

* * *

よい動画コンテンツとはどんなものか。人々は何を欲していて、何を求めているのか。戦略を立てつつ日々情報を浴びることが大切だと感じた。

そしてテキストと画像、その元情報の組み合わせを幾通りも試すことで、自分オリジナルなビジュアルストーリを伝えていきたい。
このイベントに参加し、そう考えた。

※本記事は、2018年5月29日に開催されたNewsPicksアカデミアイベント前田裕二×明石ガクト「動画2.0」まとめなおしたものです。(ゲスト:前田裕二、明石ガクト モデレーター:佐々木紀彦)

もっと深く「動画2.0」の内容を味わいたい方はアーカイブ動画をご覧下さい。👇

文:小沼 隼人

写真:池田 実加

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