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感じるとは?「イノベーションを起こすクリエイティブ思考術」ゼミ第3回/マーケティング、ブランディング戦略

エリック松永氏が率いるNewsPicksアカデミア「クリエイティブ思考術」ゼミ。8月9日に開催された第3回ゼミの様子をゼミ生のみっしーがレポートします。

第3回のアジェンダ
1. 感じるとはどういうことか
2. イノベーションを阻害する5つの壁
3. ブランド戦略・マーケティングの考え方
4. 概念化に便利なツール/視点
5. 最終提案クライアントである山野オーナーと共感しよう!
6.ミッション&グループワーク
7. 最後に

1. 感じるとは

前回の「「本物のデザイン思考」とは?」の回では、「概念化」と「感じること」について詳しく見てきましたが、「感じるってどういうこと!?」「共感がわからない・・・」とモヤモヤしているゼミ生が多かった模様。「共感」がわからないと先に全く進めない!ということで、優しい優しいプロフェッサーのエリックが、前回の振り返りから第3回のゼミをスタートしました。

エリック氏のデザイン思考(第2回レポートより抜粋)
概念化(イメージ、リズム)

構造化(コード進行、メロディ)

具現化(音出し、アレンジ)

精査(確認、修正)

エリックが仕事をするときは、この「概念化」に8〜9割の時間をさくとのこと。いくら徹夜しても「概念化」ができていないとなんともならない。そのくらい非常に大切な「概念化」。 「概念化」を固めていくには「感じる」、そして「共感する」ことが大切になってきます。

しかし、「感じる」というのは結構難しくて、モヤモヤする人が多いし、それが正常だというのがエリック論。
例えば、前回の「感じるメソッド」でもあったように、最先端の音楽やアーティストとの組み合わせて新しい世界観を作ったのがマイケル・ジャクソン。
一方、デビッド・ボウイは「共感」がない。なぜなら、自分で作っているから。前回の話にもありましたが、経営者も同じで、自分が変革を起こす人(デビッド・ボウイ)と、変革を起こせる人に任せる人(マイケル・ジャクソン)の2種類に分かれます。自分は変革を起こせない!のならば、他の人に任せても全く問題がないのです。
ちなみに、デビッド・ボウイはQUEENの「Under the pressure」の制作に関わっており、デビッド・ボウイは「共感させる側」としてポジションを取っていることもあるようです。天才!

2. イノベーションを阻害する5つの壁

リチャード・ブキャナンによる1992年の論文「デザイン思考における厄介な問題(Wicked Problems in Design Thinking)」では、「デザイン思考は人間が困難な課題を扱うものである」という提言がされています。この「人間の困難な課題」というのは、「思い込み」のこと。この「思い込み」が新しい発想にとっては厄介な問題になってくるのです。

企業にイノベーションが起きないのは、若者に思考がないからと言われることがありますが、実は結構ちゃんと起きているといいます。では何故イノベーションが起きないのかというと、イノベーションを潰す人が社内にいるから。企業の中で、新しいアイディアに賛同しない人が一人でも上層部にいるだけでイノベーションが起きないのです。

大企業の多くは、イノベーションを生み出せない厄介な組織構造になっています。企業のトップ直下でイノベーションを生み出す部隊を持つだけでも、イノベーションは起きやすくなります。トップのコミットメントは、イノベーションにおいては非常に大きな要素なんですね。

一方、組織の問題でなく、個人の内在的な問題というケースもあります。思い込みによって、「できない」思考が少しでも生み出されるとイノベーションは起きにくい。先入観を排除する、というのはとても難しいことです。

エリック曰く、イノベーションを阻害する要素としてはこの5つが壁としてあります。

イノベーションを阻害する5つの壁
1. 認識の壁:なぜイノベーションが必要なのか
2. 判断の壁:何を変えればいいのか
3. 納得の壁:なぜ納得できないのか
4. 行動の壁:どう行動すればいいのか
5. 継続の壁:行動がなぜ継続できないのか

特に、3番目の「なぜ納得できないのか」というのが大きな壁になっているとのこと。「なんか納得できない」とか「よくわからない」などの気持ちががイノベーションを阻害する壁となるそう。

だからこそ、先ほどの「感じる」ということがとても重要な要素になってきます。

感じるとは
共生で共感した感覚を自分のものとして敬意を持って取り組み、納得し、先入観を取り除きワクワクできる概念を組み立てること。
ただし、これは「プロセス」を理解することではない。概念が重要であり、ワクワクしていける方向づけをすること。プロセスの腹落ちは自己満足に過ぎない。

感じるメソッドで大切なのは、概念化とイメージ。そこに徹底的にこだわって欲しい、とのエリックの強いメッセージがゼミ生に送られました。よーし、徹底的にこだわるぞ!

3. ブランド戦略・マーケティングの考え方

まずブランド戦略とは何か?について考えます。

ブランド戦略とは?
概念を共感して欲しいターゲットに対して価値があると認識させ、サービスが存在する市場で絶対的なポジショニングを築くこと。

エリック曰く、

最初は「I(一人称)」でいい。ただ、市場に出した時に1個しか売れないので、「I」であったものが誰にとって共感して欲しいのか、を考える。
価値を感じさせて、市場で絶対的なポジションを作るように進めていくのがブランド戦略。なので、概念・大きなコンセプトがないとだめ。

とのこと。概念を共有する、共感するというのはすごく大事なこと。そして、ブランド戦略でも概念をどう持つかは出発点であり、ブランド戦略も概念がないと立てることができません。
① 概念化/コンセプトがあった上で、②サービスを考えて、③儲かる仕組みを考える。④そのあとに、どうやって売るか、認知してもらうか、プロモーションで考える。このステップが大事で、いきなり「サブスクモデルから入ろう!」とかはだめ。市場は新しく作るものであり、新たな市場を考えるというのはブルーオーシャンを考えるということだと学びました。ワクワクが大事なんですね!

具体的にいうと、企業のトップは自分の理念を考える時にブランドを考えるべきであり、ブランド戦略を概念化のところからやっていくべし、というのがエリックの提言。概念化から構造化にステップが移る段階で、考えているコンセプトを元にブランド戦略を研ぎ澄まし、マーケティング戦略となっていくような捉え方で行こう!ということを学びました。

概念化を固めてからブランド戦略を考えると、必ず概念化に戻って考え直すというサイクルが発生します。デザイン思考プロセスでいうと、概念化からステップで一つずつ進んでいくというよりは、行ったり来たりしつつ、最初から納得する解というものはないので、なんかいけるよね〜くらいの気持ちで進むのが重要とのこと。あまりガチッと固めすぎないほうがいいのですね。

結論、ブランド戦略は攻めの姿勢が大事!ゴールから考えたり、数字合わせでブランド戦略を考えると失敗するということです。きちんと概念化を固めながらブランド戦略を考えていくのが良さそうです。

4. 概念化に便利なツール/視点

ここで、概念化に便利なツール/視点をエリックが共有してくれたので、noteをご覧の皆様にもシェアさせていただきます。ただし、すごくいい概念が出ているのに、ロジックで考えるとダメにしちゃうことがあるので、気をつけながら使ってみましょう♪

1. PEST
・事業環境を広く捉えるには良い。
・ただし、現在をターゲットにしてはいけない!!政治はこれからどうなるのか、社会はこれからどうなるのか、という視点で数年後をターゲットに考えるべし!
2. 3C
・今の競合とかではなく、競合もこれからどうなるのか、顧客はこれからどう変わるか。
・今の顧客を分析しても全然ダメ。例えば、ミレニアムのアントレプレナーみたいな独自な考えや、お金を持っている人っていうのはその視点だと出てこない。
3. フィリップ・コトラー先生のマーケティングフレームワーク
・STP
セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの3つの英単語の頭文字をとって名付けられた分析手法。
・6P
マッカーシーのマーケティングミックス4P(Product/Price/Promotion/Place)に加え、Public Opinion(世評)とPolitical Power(政治力)を加えた考え方。
・7P
マッカーシーのマーケティングミックス4P(Product/Price/Promotion/Place)に加え、Personnel(要員)、Process(業務プロセス)、Physical Evidence(物的証拠)を加えた考え方。

5. 提案クライアントである山野オーナーと共感しよう!

ここからは、第6回の最終プレゼンで提言するクライアントである、東京アースフレンズZのオーナー、山野勝行さんをお迎えし、クライアントの今の気持ちを伺い共感する実践に入ります。

【ミッション1】オーナーと共感せよ!
1. なぜこのビジネスにチャレンジしているのか
2.エンターテイメント視点でのBリーグの位置付け
3.アースフレンズ東京Zはどこを目指すのか

山野オーナーの目指したい姿、コミットメントを伺い、より具体的な提案イメージが浮かんできた各チーム。詳細はここではご紹介しませんが、今の山野オーナーの一番のお悩みである「売上」をどう上げていくか。ここに対して、我々エリックゼミ生が最終回で提言を山野オーナーに持っていくことになります。お楽しみに!

6.ミッション&グループワーク

山野オーナーからお話を聞いた後は、各チームでグループワークを行いました。今回のミッションはこちら!

1. オーナーの思いをインプットに概念を固めよ
2. 概念を中心にターゲティングとポジショニングを議論せよ
3. 概念とブランド戦略をベースにサービス=試合の演出を考えよ(付加サービス、違いの違う見せ方)
4. 今日のミッションをグループでまとめよ

各チームそれぞれが山野オーナーの「想い」に共感しながら、どういうサービスであれば山野オーナーが、そしてエンドユーザーであるお客さんが、そして、選手がハッピーになるのかをグループワークでは徹底的に議論していきました。

7. 最後に

ものすごく長文になってしまいましたが、その分きっとエリックゼミの熱量も伝わったのではないかなーと思います!

第3回目のエリックゼミは、大きく2つのギフトがあったと個人的には思っています。
1つ目は、みんながモヤモヤしていた「感じる」ということが少し明瞭になったこと。2つ目は、山野オーナーに直接お話を伺うことができたことがとても大きかったです。
ここから怒涛の第4回、第5回、そして2回にわたるアースフレンズ東京Zの観戦とゼミ生で集まる機会がグッと多かった8月。暦は9月になり、最終回まで残り3週間を切りました。
改めて山野オーナーとの対話を振り返り、アースフレンズ東京Zのファンの皆さんがもっとバスケとアスフレを好きになってくれるような提案ができればとても嬉しいと個人的には強く思っております。

第4回は「イノベーションを起こすコラボレーション戦略」です。こちらもぜひお楽しみに〜。

執筆:みっしー

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