歴史と数字で会社を読む/【冬学期】大山敬義ゼミ第3回レポート

日本M&Aセンター常務取締役の大山敬義氏が率いる「歴史と数字で会社を読む」ゼミの第3回目について、ゼミ運営ボランティアスタッフの田辺さんがレポートします。

※ゼミ第1回のレポートはこちら
※ゼミ第2回のレポートはこちら

「地の利」に着目した会社の分析

皆さんは会社の所在地や事業エリアに注目したことはありますか?

最近では、Amazonがシアトルに続く「第ニ本社」をニューヨーク市とワシントンDCに近いバージニア州北部に設置すると発表し、それぞれ2万5000人の雇用を創出することが話題になっています。

※2019年2月14日には、「Amazonがニューヨーク市での第2本社の設置を断念すると発表し、こちらも注目を集めています。

このように、会社がビジネスをする「所在地・事業エリア」は非常に重要なポイントです。

今回は、成功している企業がどのように「地の利」を生かしているかに注目した企業分析についてゼミで学びました。

タイムマシン経営

まずは、「洋上風力発電」の事例を混じえて、「地の利」の重要性についてご紹介します。

洋上風力発電は、海上で風力発電をすることから、海に囲まれている地域に優位性があります。よって、海外では「島国」であるイギリスで洋上風力発電が盛んに行われてきました。

そこで、日本もイギリスに習い、島国である「地の利」を活かすべく、政府は、2018年11月30日、参議院本会議で「海洋再生可能エネルギー発電利用促進法」を成立させました。

※海洋再生可能エネルギー発電利用促進法:国が5カ所の海域を「促進区域」に指定し、最長30年間にわたり、海域を発電用に占有できるようになる法律。来春を目途に施行予定。

ちなみに、海外(イギリス)で成功したビジネス(洋上風力発電)を日本に持ち込むことを「タイムマシン経営」と呼びます。

タイムマシン経営のポイントは、新しいモノ・サービスをゼロから生み出すのではなく、他の場所・エリアで成功したものを転用するため、ビジネスが成功する可能性が高いことです。

日本における洋上風力発電は、「地の利を活かす(島国)」×「タイムマシン経営(イギリスからの転用)」を実現したものだと思います。

足元では、オリックスが千葉県銚子沖での洋上風力発電事業の事業性調査を開始を発表しましたが、このようなニュースを見たときに、「地の利」・「タイムマシン経営」というキーワードが頭に浮かぶ方は、企業分析の上級者と言えるかもしれませんね。

「地の利」を活かしたビジネスの身近な事例

さて、第3回の講義ではゼミ生に宿題がありました。

宿題の内容は、「あなたの地元の企業がなぜ成功したのか教えてください」というものです。

今回は、調布市が地元のMさんの回答をご紹介します。

Mさんの地元である東京都調布市では、「元祖 嶋田屋」という蕎麦屋が成功しているそうです。

「元祖 嶋田屋」は深大寺という733年に創建された歴史あるお寺の近くにある、有名な蕎麦屋です。

ちなみに、「元祖 嶋田屋」のように、お寺の近くの蕎麦屋を「門前蕎麦」と言い、島根の出雲大社、長野の善光寺や戸隠神社なども、門前に蕎麦屋が軒を連ねることで有名です。

日本人の多くは、お寺に対して敬意の念を持っています。
そんなお寺の近くに蕎麦屋を構える。
まさに「地の利」を活かしたビジネスだと感じました。

ゼミでは、「元祖 嶋田屋」のほか、スズキ(自動車メーカー:静岡県)、宇部興産(化学メーカー:山口県)、ニトリ(家具・インテリア:北海道)などの大企業が、どのように「地の利」を活かしているかについても学びました。(※いずれもゼミ生の地元の企業です)

成功している企業は「地の利」を活かしている、という学びを得たところで、第3回目のレポートは以上とさせていただきます。

最終第6回目ゼミまで、レポートを投稿する予定ですので、ぜひご覧ください。

<プロフェッサープロフィール>
大山敬義/日本M&Aセンター 常務取締役
株式会社日本M&Aセンター常務取締役。1967年神奈川県生まれ。立教大学社会学部卒。1991年日本M&Aセンターの創業に参画。2012年4月より同社常務取締役。M&Aアドバイザーとしての成約実績は150件以上で国内最古参のM&Aプレイヤーの一人。また、40社余りの企業再生の実績がある他、自らハンズオンの企業再生に取り組み松ノ井ホテルグループの取締役を務めた。2018年4月、日本M&Aセンターからスピンオフした小規模企業専門のオンライン事業承継・M&Aのマッチングサイト「バトンズ」を運営する、アンドビズ株式会社代表社長兼CEOに就任。

文:田辺 靖貴 ・ 編集:山口 晶子

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