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ZOZOSUIT以降、小売業界はどう変わる?軍地彩弓氏×山手剛人氏のイベントをレポート

この2月から4月までの任期でNewsPicksアカデミア 第2期アンバサダーに就任しました宮崎恵美子です。アカデミアの公式noteを担当いたします。よろしくお願いいたします。

さて、2月2日は、軍地 彩弓さん(ファッション・クリエイティブ・ディレクター)と山手 剛人さん(フロンティア・マネジメント株式会社 産業調査部 シニアアナリスト)の「新・小売概論〜“ZOZOSUIT以降“の実店舗の未来」のトークイベントが、NewsPicksアカデミアのイベントとして、六本木アカデミーヒルズのスカイスタジオで行われました。
https://newspicks.com/academia/events/86

この「新・小売概論」イベントは、モデレーターは最所あさみさんがつとめられ、これからの新しい小売のについて、研究や考えるきっかけづくりとなるように企画されたもので、第1回は1月24日にストライプインターナショナル代表の石川康晴氏がゲストで開催されて、
https://newspicks.com/academia/events/68
今回は第2回目。今後も継続してシリーズ化していく予定の企画になっています。


今回登壇のお二人は、「百貨店・アパレルの未来」
https://newspicks.com/news/2282202/body/?ref=search_126786
での対談記事が好評で、今回のイベントにもつながりました。
この記事も面白いですし、今回のイベントで出てくるお話にも関連した部分がありますので、ぜひお読みください。

ではイベント本題へ。

2017年に起きたアパレル業界の変化

まずは2017年に起きたアパレル業界の変化についてから。

軍地さんが注目したのは、伊勢丹の代表が変わったこと。
大西さんの時に進んでいたいろんなプロジェクトがストップし、変革の流れが消えた。それよりも実業をやろう。ということで、早期退職の募集や地方店のクローズなど業態変革が行われている。

アダストリアが丸の内から渋谷・ヒカリエに移転した。
アダストリアはショッピングセンターから始まった10代20代向けのブランド。
株式会社アダストリア
Adastria Co., Ltd.
https://www.adastria.co.jp/aboutus/outline/

1位がファーストリテイリング、間にしまむらなどがはいって、6,7位あたりになるのがアダストリア。今とても勢いのあるブランド

昨年2017年4月20日にオープンしたGINZA SIX
https://ginza6.tokyo/shops
https://ginza6.tokyo/facilities

こちらでは売り上げが思ったよりもよく、当初の予定よりも1桁もいいくらい。
日本の富裕層をうまく取り込むことに成功した例といえる。

渋谷のパルコはパルコパート1のところが今は更地で、来年新しく建てられる予定。
パルコパート2の跡地には新たにストライプインターナショナルが展開する「コエ(Koe)」が、東京・渋谷にホテル併設型のグローバル旗艦店「ホテル コエ トーキョー(hotel koe tokyo)」を2月9日にオープン。
http://fashionmarketingjournal.com/2018/02/hotelkoetokyo-open.html

パルコは現在上野で、松坂屋をリノベーションして、松坂屋上野店隣りに
パルコヤ上野
http://parcoya-ueno.parco.jp/pc/
として営業している。

海外の動き(アメリカ・中国)

海外の動き(アメリカ・中国)という点では、昨年9月にアメリカに行った時の印象では、小売りがだめで、デパート形態のところが厳しい。
大手ブランドがなくなり、ファストファッションが残っている。
大手ブランドのかわりに、ナイキやアディダスなど、アスリートブランドが入っている。
ニューヨークでのブランドの入れ替わりが激しい印象。
中国では、アリババが大手百貨店やスーパーを買収している。

日本のショッピングセンター新規開業数は過去最低の予想。

購買場所が、地方のショッピングモールや大手の百貨店から、EC(インターネットなどを通じての取引)へと移りつつある。
戦後最長の好景気続きといわれながらも、2018年の新規のSC(ショッピングセンター)開業数は、過去最低の42件となる見通し。
これに対し、クローズするショッピングセンターの数がどんどん増えている。
ショッピングセンターを閉めた後に有効活用できていない。
名古屋のユニー
http://www.fu-hd.com/
のあとは、ドン・キホーテになった。
地方では、ドン・キホーテやダイソーがあると嬉しい人が多い。

ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)

ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)について。
ファッション通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を展開するスタートトゥデイの前澤友作社長は、自社で生産し世界展開を狙うプライベートブランド(PB)「ZOZO」を立ち上げる。


ブランド名は「ZOZO」。発表と同時に身体の寸法を瞬時に採寸できる伸縮センサー内蔵の採寸ボディスーツ「ZOZOSUIT」の無料配布を開始し、順次発送される。プライベートブランドでは、ボディデータを元に一人一人にフィットする服を提供。
スマートフォーンにダウンロードしたZOZOTOWNアプリに体型計測データを保存して注文すれば、一人ひとりの体型に合わせたアイテムをオーダーメイド方式で製造・販売する。
https://newspicks.com/news/2789772?ref
https://newspicks.com/news/2789711?ref
https://newspicks.com/news/2832257?ref=pickstream_294558

ZOZOSUITではサイジングがキーとなっている。
ZOZOは日本だけでなく、アメリカやドイツでも売ることを視野に入れている。
通常は一つのブランドに10サイズは設定しておきなさい、と言われている。

前澤さんは、サイズが合わないというファッションでのロスを減らしたいと考えている。
無料で「ZOZOSUIT」を配るというのは、前澤さんには相当な自信があるということ。まだこれが最終版ではなく、今後もアップデートされる可能性がまだまだある。

「ZOZOSUIT」では誤差なく測るレベルに到達している。ジーンズのサイズを測るときのミリ単位の誤差をつぶしている段階。

軍地さんがVOGUE(ファッション誌)にいた時、前澤さんにVOGUEに広告を出してくれないか、依頼した時のこと。前澤さんの答えは、「VOGUEに広告を出すよりも、ユーザーに安く提供したい。」だったそうです。
お金があっても自分にあった服がない。前澤さんは消費者の立場に立って考えられる人。そうではければ、「ZOZOSUIT」を無料で提供したりしない。

軍地さん注目の店舗

ここでは軍地さん注目の店舗のうち、ゲージ gaugeとHOTEL KOEについてふれます。

gauge(ゲージ)- 女性木型師がつくるオーダーハイヒールのお店。
今のところは百貨店のイベントなどにPOP UPで出店して、お客さんのサイズの採寸をしたうえで、オーダーを受けて作っているんだそうです。3万円台する者の売れ行き好調で、同じようなコーナーを作っている百貨店も出てきています。
http://gauge.shoes/

自分だけのものを手に入れるのが大切と考えられ始めているといえる。

HOTEL KOE

日本初の無人店舗
最上階となる3Fがホテルとなっていて、コンセプトは「茶室」だそうです。
https://www.vogue.co.jp/fashion/editors_picks/2018-02/14/yukiko-kaigo/page/7

これからの百貨店・ブランドの生き残り方

百貨店についていえば、委託システムにより百貨店に商品をおくだけで、40%以上の手数料をとっているが、その手数料を10%ほどに軽減するなどしていかないと、百貨店に商品を置きたいと考えるブランドが減って来た時に、百貨店は自分のクビを絞めることになる。

外商をもっと機能させる。お客様のクローゼットに何が入っているかから、お孫さんがいつ生まれたのかまで知っておき、パーソナルショッピングにご一緒したり、お客様に寄り添う。人間性に立ち返って接客し、サービスを提供することがもっと求められるようになる
ディオールはもともとのオートクチュールの顧客層のほか、1980~2000年初期に生まれたミレニアルズもターゲットに入れた戦略を立てている。
セリーヌは、メンズそしてオートクチュールを始める。

ブランドが生き残るためには、ブランドのコアを創る。そして他が真似できないエッジの効いたものを創ることが大切

人じゃなくても出来るところが増えてくる分、人ではければできないもの(プロによる採寸など)をアピールしていくことが必要になってくる。
接客がいらない若者も多い。
人が対応すべきところそうでないところ見極めて、対策していくことが必要。

渋谷の東急プラザのあとには、ファッションビルができることになっている。
ターゲットの年齢層を高めに設定し、そういった人たちが利用しそうな施設やサービスを提供する。たとえばカルチャースクールやコンサートホールなども併設して、人の集まる新たなスポットがつくられることが望ましい。

まとめ

私自身はインターネットで物を買うのが苦手で、「実際に見ないと買えない」派です。
服も靴も百貨店である程度自分に合うとわかっているブランドの中から買うようにしてきました。が、この1年の間に、百貨店以外のところで、服はオーダーのものも数着買いました。自分に合うブランドはある程度限られているけど、既に与えられている中で服を無理やり選ぶという感じになっていました。そんな時に、手軽な金額でのオーダーが可能なお店を紹介してもらったので、そこに足を運んだのです。
靴はまだオーダーしたことがないので、ぜひ今回の軍地さんご紹介のgauge(ゲージ)ものぞいてみたいと思います。

ファッションがテーマということで、ファッションに興味のある人には面白いお話がたくさんありました。
このシリーズ、今後も続く予定とのことなので、ご自分の興味のあるテーマの時にぜひ足を運んでください。


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レポート:NewsPicksアカデミア アンバサダー(第2期)
宮崎 恵美子
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