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クリエイティブの正体とは?アートとデザインの似て非なる本質に迫る(櫻田潤・チャーリー)

7月30日、真夏の夜の月曜日。100名にも及ぶビジネスパーソンが「クリエイティブの正体」と題するイベントに集まりました。

今ほどビジネスにクリエイティブが求められたことはあったでしょうか。

それは右肩上がりの成長神話にベットしきれなくなった時代感覚に、どこか沿うものかもしれません。

登壇したのは「ビジネスモデル図解シリーズ」が人気のチャーリーさん(株式会社そろそろ 代表取締役)と、NewsPicksインフォグラフィック・エディターの櫻田潤さん

それぞれが考える「クリエイティブの正体」についてのプレゼンから、イベントはスタートしました。

櫻田さんにとってのクリエイティブ

まずは櫻田さんが「クリエイティブだと思うヒト・モノ・コト」を10個あげます。

櫻田さんが選んだのは、「世界中の情報を整理し、世の中の人々がアクセスできて使えるようにする」というGoogleの理念や、手塚治虫、アンディ・ウォーホルなどの人物。そして、「emoji」でした。

それらの特徴をまとめると、カルピスの原液のような濃くて優れたものと、それが世界に広がっていくためのシステム(仕組み)を備えたものであると。

そのような、「原液」力と「仕組み」力が高いクリエイティブが、世界を変えていく力を持つとお話しされました。

チャーリーさんにとってのクリエイティブ

一方のチャーリーさんは、クリエイティブを「逆説」と捉えているといいます。

ものごとには「定説」があり、その定説を覆す「逆説」こそがクリエイティブであると。

事例としては、こちら。

・俺のフレンチ(フレンチといえば、「座って食べる高価な料理」という定説を覆し、「立って食べる手頃な料理」と位置づけた)
・Nintendo Labo(ゲーム機といえば、「親が子供に買い与えづらいもの」という定説があったが、「親が子に買い与えたくなるもの」と位置づけた)
・ドミノピザの道路舗装(配達時にピザが揺れで崩れやすい状況に対し、「ピザが崩れないように丁寧に運ぶ」というのが定説だったが、「ピザが壊れないように道路を直す」と発想し、道路舗装を行った)

チャーリーさんがあげたものはすべてビジネスモデル。興味の方向が「人」ではなく、「コト」にあることがわかります。

というのも、もともとクリエイターとしてキャリアをスタートしたチャーリーさんは、クリエイティブだけでは社会の仕組みに働きかけられない無力感のようなものを感じていたそう。そして経済合理性を追求し、持続可能な組織を作ることが社会課題を解決することにつながると考え、ビジネスを勉強されたそうです。

一方の櫻田さんは、「経済合理性」は何が合理的なのかすらよくわからない、と話します。このあたりで二人のスタンスの違いは明らかになってきました。

↓ 左が櫻田さん・右がチャーリーさんにとってのクリエイティブ

アートとデザインの決定的な違い

そして議論は、クリエイティブの要素、アートとデザインの違いに進んでいきます。 

まず「デザイン」は、問題解決に使われるもので、考えなくても何もなくても目的が達成されるような「仕組み」であると捉えます。そして、合理的に考えれば誰でも100点満点の正解を取れるけど、それ以上にはならないのがデザインだと櫻田さんは話します。

一方の「アート」は、0→1を作り上げるような主観的な美意識のあらわれのようなもの。300点を狙うこともできるけど、50点しか取れない可能性もある、出たとこ勝負の要素が強いものです。

驚いたことに、この2つに対するチャーリーさんと櫻田さんの考えが真逆でした。

チャーリーさんは「問題解決」に軸足を置くため「デザイン」寄りの考え方をされるのに対し、櫻田さんの興味はよりアート寄り。「人間性の探求」のようなところに重心があるようです。

興味深かったのは、「徳川家康はクリエイティブといえるか?」という大問題。

300年に及ぶ平和な仕組みを作り出したデザイン性で評価するのか、あるいは現状維持を良しとする空気や人間性の停滞を生み出したとみるか、で評価は分かれます。櫻田さんは、家康はクリエイティブではなかった!と言い切っていたのが印象的でした。

この、「アートとデザインへのスタンスの違い」という深いテーマについては、イベントの後にたくさんのツイッター投稿が寄せられました。

みなさんはアートとデザイン、どちらに軸足があるでしょうか?

アートとデザイン、どちらが向いてる?

イベントの終盤に向け、アートとデザインの対比に話は進んでいきます。

デザインは、実現性や再現性を追求し、「使う人視点」で成立するのに対し、アートは「人間性の発見」のようなもの。「作る人視点」にしかなりえません。

クリエイティブの腕をどう磨くか?という観点では、デザインは、英語やプログラミング同様、理論と練習で身に着けることは可能であるのに対し、アートは好き嫌いをひたすら持つことがカギになると。

更に話題は、「クリエイティブの可能性を感じる分野とは?」や、「チームでクリエイティブを作るには?」などのトピックで盛り上がり、2時間にわたる哲学的なイベントは終了になりました。

イベント後に...

イベント終了後、ツイッターにはたくさんのつぶやきが溢れ、イベントの余韻がしばらく続きました。

自分にとってのクリエイティブとは何か?

自分が大事にしているのはデザイン性か、アート性か?

参加者それぞれの価値観に向き合う時間になりました。

主催者の最所さん、そして櫻田さん、チャーリーさんも、イベントを振り返るツイートをされています。

スタンスの違うチャーリーさんと櫻田さんだからこその深い議論。今後お二人が制作されるクリエイティブにも改めて注目したいですね。

ちなみに、チャーリーさんが図解を監修されたNewsPicksタブロイド紙「HOPE」も配布が始まりました。ぜひHOPEでチャーリーさんの図解もチェックしてみてくださいね!

※本記事は2018年7月30日に行われたNewsPicksアカデミアイベント『クリエイティブの正体』をまとめなおしたものです。(登壇:チャーリー・櫻田潤、モデレーター:最所あさみ)

文:山口晶子

編集:柴山由香

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