【対談レポ】PEACE DAY特別対談「教育が作る未来とは? 〜エコでピースな国際協力団体のコラボ登壇〜」
こんにちは!
earth tree広報チームのぺくです。
設立記念祭、最終月!
earth treeでは、さらなるチャレンジとして、クラウドファンディングに挑戦しています。
笑顔と夢が詰まったクラファンサイト、まだご覧になっていない方は、ぜひ一度覗いてくださいね。
さて、今回は9月19日(月)に開催された、PEACE DAY特別対談の様子をお届けします!
たった一日でいいから「人と人が争わない日」をつくろうという想いから生まれた、9月21日の「国際平和の日」。
その想いを広めるために、一般財団法人PEACE DAYが2018年から開催しているイベントが「PEACE DAY」です。
2022年は、オンライン・オフラインのハイブリッド型で開催され、前年同様、9月15日〜21日までの1週間は「PEACE DAY WEEK」としてたくさんのイベントが行われました。
そのうちのひとつとして、earth tree 代表の加藤大地とNPO法人Piece of Syria 代表理事の中野貴行さんが、「教育が作る未来」をテーマに、熱く語り合ったのが、今回の対談。
素敵なファシリテーターのお二人が、温かく、和やかながらも、しっかりと想いを引き出してくださりました!
この記事でその様子をお届けすることで、少しでもその想いに触れていただき、何かに気づいたり、何かが変わったりするきっかけを掴んでもらえると嬉しいです。
*本文中のお写真は、Piece of Syria 中野さんから頂戴したものです。
それぞれの活動について
earth tree 代表 加藤大地(かで)
もともと旅が好きで、世界一周を前に、練習でたまたま訪れたカンボジアが大好きに。
2009年の学校建設を皮切りに、カンボジアで活動を始めます。
「カンボジアに学校をつくりたい!」
想いを伝え続けていると、「一緒にやりたい!」と言ってくれる友人・知人が集まってきました。
そこで、1口20,000円の資金を出せる熱い方たちと、上下関係は一切なく、みんなで取り組むことに。
現地の旅人にも声をかけ、3ヶ月の間、日曜日以外は毎日村に通って、村の人たちと関係を作りながら学校を建設しました。
3ヶ月も村に通い続けると、さらに好きになってしまうものです。
そこから半年に1度は村を訪れるようになり、村の人たちと交流を深めていきました。
一方で、よく知っている子が病気になり、病院にも行けずに苦しむ姿をはじめ、悲しい現実もたくさん目にしました。
子どもたちが学校に通えるようになるためには、大人たちが働ける環境が必要。
「この状況をなんとかするために、働く環境をつくる!」
想いを胸に、2018年に一般社団法人Kissoを設立し、働ける環境づくりに取り組んできました。
そこから紆余曲折はありましたが、コロナ禍をきっかけに、竹を使った建築に取り組み始めます。
「(普段活動している)トロペアントム村からカンボジア全体に、竹のムーブメントを起こしていこう!」
そう村の人たちに声をかけ、現在は、学校と働ける環境、農場、遊び場、宿泊施設が一体となった複合施設を建設中。
そうすることで、働く大人たちの姿を子どもたちが間近に感じながら成長し、子どもたちの未来にさらなる可能性が広がることを目指しています。
子どもたちは日々成長し、学びも進んでいきます。
大都市を中心に対応を進める、政府や国際機関の動きや支援を待っているわけにはいきません。
トロペアントム村の子どもたちが学び、成長していくのは”今”しかない。
そこに、earth treeが活動し続ける意義があるのです。
Piece of Syria 代表理事 中野貴行(へむり)
2008年〜2010年の間、青年海外協力隊としてシリアで活動していた、へむりさん。
みなさんは「シリア」と聞いて、どんなイメージが浮かぶでしょうか?
「難民」、「戦争」、「対立」、「危険」・・・そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
2年間をシリアで過ごした、へむりさんのお話は、これらと真逆でした。
実際、2010年当時の治安は日本より20倍良く、観光客も日本より多かったというデータもあるようです。
また、へむりさん自身のお話からも、シリアの方々の優しさやおもてなしの素晴らしさをたくさん感じられました。
たとえば、喉が乾いたときに近くの家をノックすると、水やお茶だけでなく、ご飯やパジャマが出てきたり、バスに乗ると、隣の方がいつの間にか自分のバス代を支払ってくれていたり・・・など。
そんなシリアの良さを伝え、「行ってみたい!」と思える国にしたい。
その想いを胸に、日々オンライン・オフラインを問わず、さまざまなイベントを通して、シリアの魅力を伝え続けています。
一方で、現在のシリアは2011年3月から始まった戦争の影響で、厳しい生活を強いられています。
就学率は大幅に下がり(99.6%→6%)、ある村の小学校では、一時期校庭が処刑場に変わったり、人口の半分が難民、または国内避難民となったりもしました。
その状況を自分の目で確かめようと、へむりさんは2015年に半年間、シリア近隣国を回りました。
そのときに出会ったのが、現在ともに活動しているウサマさんです。
かつて、青年海外協力隊としてシリアで活動していた頃、ある少女と出会ったという、へむりさん。
その少女は、どんなことでも「めっちゃいいやん!」と背中を押してくれる、へむりさんのおかげで、夢を持つことができたと言ってくれたそうです。
その少女の夢が、
「子供たちの夢を叶える学校を作りたい!」
でした。
なんと・・・ウサマさんも、この少女とまったく同じ想いを胸に、活動していたんです。
そこから活動をともにし始め、現在はシリア国内の幼稚園や、トルコに難民として逃れている子どもたちへの教育サポートを行っています。
活動を通して感じる変化
それぞれの国の過去と現在の話、活動を始めた頃や継続するにあたって難しかったことなどについて、10年前から現地を知るお二人に伺いました。
カンボジアの場合
1970年〜1990年代まで続いた内戦の影響で、earth treeが活動する村の近くにも地雷がたくさん埋められていて、村の人たちが地雷の被害に遭うこともありました。
また、内戦の時代に、知識を持つ人たちが大量に虐殺され、勉強することも許されない状況。
実際、earth treeが初めて学校建設に取り組んだ2009年、学校に通えていたのは、就学児童のうち、たった56人(約10%)ほどでした。
その後、カンボジアの各村では、NPO・NGOが中心となって、学校を建設してきました。
それにより、今では8〜9割の子どもたちが就学登録はできるように。
もちろん、就学率の低さや、さまざまな事情でドロップアウトする子たちがいることなど、課題は残っていますが、読み書きや計算ができる子が、以前と比べて少しずつ増えてきています。
インフラの部分でも、電気・水道・ガスが通るようになり、この10年で未来に繋がる一歩目が作れるようになってきたという実感があるそう。
現在、earth treeビレッジの建設では、子どもの頃から関わり続けてきた村の人たちも、職人として活躍しています。
学校で読み書きや計算を学んだ職人さんたちは、「そこ、●mでお願いします!」と、高さや長さを伝えると、難なく理解して作業を進めてくれるそう。
実際に村で活動しながら、「学校を建設して本当に良かった!」と感じる瞬間ですね…!
シリアの場合
10年前のシリアは、戦争が始まって間もない頃だったため、「へむりさんのご活動がどのように変わったのか」について、お話をしてくださりました。
2016年にへむりさんが活動を始めた頃、1年ほど経てば戦争が終わるのではないかと思っていたそうです。
しかしながら、実際は戦争は終わりを見せることがなく、仮に終結しても、その後に取り組むべきことはたくさんあります。
そのため、当初は1年だけ活動する予定でしたが、2〜3年前から団体設立を目指すこととなり、昨年にはNPO法人となりました。
その間、活動の規模も少しずつ大きくなり、関わる人たちも増えてきています。
活動を続けるなかで感じている難しさは、おもに2つあるようです。
(1)政治的に不安定な状況
支援を継続していた場所があったとしても、その地域に外国からの支援を入れることに多くの問題が伴うという理由で、スタッフの安全面も考慮し、支援の対象地域を急遽変更せざるをえなかったことが、これまでにもあったそうです。
政治的に不安定だからこそ、他の国際団体等の支援が行き届かない地域で活動をしているものの、「政治的に不安定である」ということは、「何かが起こる可能性がある」ということでもあります。
急な情勢・状況の変化があるなかで、活動を続けていく難しさがあります。
(2)予算の縮小
シリアで戦争が始まって間もない頃は、多くの個人や団体がシリアに対して支援を行っていました。
しかしながら、戦争が長引き、徐々にシリアへの関心が薄れていくにつれて、支援や寄付に割り当てられる予算が少なくなっています。
一方、シリア国内では、10年前と比べて物価が30倍になるなど、厳しい生活を強いられている状況。
まだまだ支援の手が必要であるにもかかわらず、資金が集まりづらいことが難しさになっています。
二人が描く未来
活動を続けるなかで、困難やさまざまな課題に直面もしている、お二人。
それでも、常に前向きな力で、たくさんの人たちを自然と巻き込みながら、現在に至るまで活動を続けてこられています。
そんなお二人は、この先どんな未来を描いているのでしょうか。
「シリアをまた行きたい国に」 (へむりさん)
シリアに入国するのが難しくなって10年ほど経ちました。
2010年には、日本より観光客が多かったというデータがあるほど、たくさんの魅力を持つシリア。
そんなシリアに戻り、その魅力を今よりたくさんの人たちが知っている状態にするのが、へむりさんの作りたい未来。
10年後の日本で、海外旅行先のひとつとして、シリアが自然と候補に上がるようになったらいいな、と思っているそうです。
そして、そうなったときに改めて振り返ると、
「そのパズルのピース(Piece)を埋めたのが、Piece of Syriaだったな」
と思っていただけるような活動をしていきたいと、力強く語っておられました。
「日本の”当たり前”が、カンボジアでも”当たり前”に」 (かでさん)
2009年からトロペアントム村で活動するなかで、日本や日本人のことが大好きになり、「日本に行きたい!」と心から願いながら、一生懸命お金を貯めていた、おばあちゃんがいたそうです。
ただ、村で得られる収入では到底難しく、おばあちゃんは夢を叶えられないまま、亡くなってしまいました。
その想いがあるからこそ、この先の10年間でもっともっと力をつけ、カンボジアの方たちが、日本にどんどん行けるような世界を作っていきたいと思っているそうです。
また、「農村部に生まれたからこそ、できることがある!」と強く信じている、かでさん。
トロペアントム村での取り組みをどんどん広げ、農村部に生まれたからこその強みを活かして、羽ばたく人たちを増やしていきたいともお話しされていました。
最後に
ファシリテーターのお二人も含め、全員共通のメッセージが
「まずは知ることからすべてが始まる」
でした。
カンボジアやシリアの現状について知ることで、今自分の身の回りにある小さな幸せに気づくことができます。
現地が抱える課題を解決するために活動し続ける人やその人生について知ることで、「自分にはどんな関わりができるのか」を考えるきっかけになり、何か新しい一歩に繋がるかもしれません。
まずは、お二人の活動について、知ることから始めませんか?
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