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県庁の熱い男、小室さん

<協力隊1年目> 手探りでのひとり親支援(後章)


「一度お会いしてお話しさせてください!」

電話越しでそう話す県庁の人は、熱意の塊のような人で、長井市でひとり親コミュニティあんじゅ会を立ち上げた私に興味を持ってくれたようだった。

電話でのやり取りがあった数日後、わざわざ長井市までお越しいただき、子育て推進課同席のもと話し合いが始まった。

小室さんは「これから県でもひとり親家庭の支援に力を入れていく事になりまして・・」と県の政策の話をされ、私はあんじゅ会の活動内容、会員から上がった声などを話した。

小室さんはザ行政・ザ県庁という感じではなく、まるで営業マンの様な口調で、まちづくりに関する斬新なアイデアを多く持っていて、長井市の子育て推進課との温度差など気にもとめず、二人でまちづくりの企画話などで大変盛り上がった。

私はこの人大好きな予感がするけど、県庁では浮いている存在なのでは?と少し心配してしまうくらい柔軟で斬新な発想の持ち主だった。

その後、しばらくしてまた課に小室さんから電話があり「佐藤さんを、山形県子どもの貧困対策・ひとり親家庭自立促進推進委員会の委員に委嘱したいのですが」という内容だった。

私はしばらく固まった。

漠然としたことしか分からないが、そういう難しそうな委員は世間一般で言われる偉い人がなるものなのでは?なぜ私に?私に何が出来るのだろう?と、?マークが頭にたくさん浮かび「私でいいのでしょうか?」と聞いたが小室さんは「現場の声が必要なのです!」とまた営業マンらしく語られた(いや、営業マンではないんですけどね)

気づくと「私でよければ、よろしくお願いします。」と勢いよく答えて受話器を置いていた。

置いた受話器を見つめ“何だか大変な事になりそうだな”と思った。

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子育てしたい理想の場所」を探して3年前に川崎から山形へ移住し、ソーシャルビジネスを展開する社会起業家のシングルマザー。 noteの収益は、NPO法人aLkuが行う非収益事業「ひとり親支援事業」に100%充てられます。 http://npo-alku.jp/