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競馬の終わり 杉山俊彦

ロシアが日本を占領し、日本の首府は新潟に、中山競馬場は荒廃し、菊花賞は大ロシア賞になった、という世界でのSF作品。

ロシアが日本を占領、というのは現在(読んだのは2022年4月)のロシアによるウクライナ侵略を思うと変なリアリティがあります。この時期に読んだのは完全に偶然(そもそもロシアものだとも知らなかった)。

おそらく競馬が分からないとかなり辛い作品で、解説にもあるとおりそのような作品が新人賞をとったというのは凄いことだと思います。

作家さんはおそらく競馬ファンで、途中、ご自身がつくった箱庭の説明に酔っているな空気があります。自分の箱庭をつくる、というのはWinning Postの世界に限らず競馬ファンが憧れる世界の1つで、作家さんが楽しんでる空気が伝わってきます。自分も高校時代に独自のグレードやら何やら考えてたことがあります。
ただ、小説としては若干説明過多で冗長にも見えたけど。

終わらせかたはちょっと尻切れな部分もあり、終わった後の世界にも興味はあるけれど、それは読者の頭と腹の中にあるということなのでしょうね。


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