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千三百四十一勝のマーチ―選手生活32年思い出すまま 松本勝明

2021年3月6日に亡くなった松本勝明氏の自伝。昭和58年の作品。

1949年という、本当に初期に競輪選手になった松本氏が1982年に引退するまでの作品なだけに、松本氏の歩みはまさに日本における競輪の歩みそのもの。競輪の歴史を選手視点で見ることができる、貴重な本である。

競輪学校が無い時代にデビューに至る流れ、鳴尾事件の衝撃、宝ヶ池競輪場の廃止、選手宿舎が無い時代の雰囲気、高原永伍への思い、海外遠征の様子など、どれをとっても興味深い(JKAは競輪学校創設と鳴尾事件の関係をスルーしてるのだが、それはどうなのよ)。まさに競輪の歴史そのもの。

である調とですます調が入り交じっていてちょっと読みづらいが(人のことは言えないんだが)、それでもこんな本を出版して残したことの意義は大きい。


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