フレームイン基金ご協力のお願い

以下はNPO法人パノラマのFacebookページに投稿したノートからの転載になります。

 困難な状況に暮らす高校生の支援を開始して、私個人として8年、パノラマとして4年が経とうとしています。この間、様々な境遇の生徒及び中退生・卒業生の相談を受ける中で、明日へ命をつなぐために、どうしてもお金が必要なケースがあります。

 お金だけでは解決しないことの方が多いわけですが、その一時のお金があれば、安定に向けた暮らしを始められる可能性があります。また、その一時のお金が、どのようなプロセスで自分の手にあるかを知ることが、生きる希望になると私たちは信じています。

 行政機関でもこのようなお金を用意していますが、様々な条件設定により、そのお金にリーチできないのがティーンエイジャーたちです。児童相談所の一時保護やシェルターへの避難という選択肢もありますが、私たちが出会う彼ら彼女らは、それらの機関にトラウマを持っている方だったりします。

 社会的養護に引っかかりにくい、大人たちに一度も優しくしてもらえなかったティーンエイジャーたちに、私たちは辛うじてつながることができます。その私たちがこれまで裏切られてきた大人たちと同じであっては、「絶望」でしかないでしょう。

 そこで、優しさをお金に換えて届け、「世の中捨てたんもんじゃないんだよ」と伝えたい。でも、私たちには恥ずかしながら、経済的支援をするお金がありません。そこで、「フレームイン基金」を立ち上げ、皆さまのご協力を仰がせていただくことに致しました。

 いつも図々しいお願いばかりで大変恐縮ではありますが、以下のようなルールに基づき運用したいと思っています。

「フレームイン基金」運用のルール
・パノラマが支援する高校生及び若者を対象とした「急場しのぎ」の衣食住に関する支援に活用する。
・住宅確保のための初期費用等、ピンポイントの経済的支援が次の安定につながると判断された場合に活用する。
・基金は、主にカンパ及びパノラマの自主事業により賄う。
・返還可能な方には返還してもらうが、返還できない人も活用可能とし、返還方法等については本人と相談のうえ、決定をする。
・返還計画や誓約書等をパノラマが作成し、本人との合意を必要とする。
・1万円以内であれば理事長決済、それ以上は理事会決済とする。
・毎年の総会で会計報告をする。

 尚、現在緊急的な事案が発生しており、私の講演等でカンパを募って参りましたが、まだ集めた額が37,428円と、目標金額の10万円に到達していません。この年末年始に「フレームイン基金」にカンパしていただければ幸いです。

★カンパの仕方★

NPO法人パノラマ 寄付サイト
一般の寄付「クレジット決済で寄付をする」からお願い致します。決済フォームのメッセージ欄に「フレームイン基金」とご記入下さい。
https://npo-panorama.com/donation/

NPO法人パノラマの口座に振り込む
特定非営利活動法人パノラマ ゆうちょ銀行 008支店 普通4215699
※今後、フレームイン基金用の口座を開設致しますが現状はこちらの通常口座へお振込みいただき、お手数ですが他の寄付と分けるため、以下のメールアドレスへ「フレームイン基金」への入金をお知らせ下さい。npo.panorama@gmail.com
                  NPO法人パノラマ 理事長 石井正宏

フレームイン基金ご協力のお願い

いつもお世話になっております。パノラマの小川です。

この基金を立ち上げよう!という話は石井・小川の個人Fecebookでも時々投稿している、家探しをしてきた元生徒との出会いがきっかけとなっています。

本人への配慮のため詳細は書けませんが、彼女とのストーリーを少しここで紹介させていただくとともに、フレームイン基金のお願いをさせていただきたいと思っております。

最初に彼女の友人から相談があって、会うことになったとき。
どんな生徒が来るのだろう?何を話せばいいのかなとドキドキして緊張もしていました。

あの日リンゴジュースを飲みながらおしゃべりしている中で、親との関係によって家を出なくてはいけなくなったこと、これまでのこと、今自分がどうしたいのかを話してくれました。

児童相談所では年齢のことがありサポートを受けられず、その他の仕組みでも不信感等からサポートを受けていなかった彼女。唯一繋がっているのが学校でした。

彼女が様々な制度の仕組みのはざまにいることを感じつつも、まずは動き出してみようとシェアオフィスをしているアオバ住宅社さんの力も借りながら始まった家探し。

何度も家を見て、申し込みをしては断られ、みんなでもがき、打てる手が全てで尽くしてきた中で、未成年で保証人も保護者もいない状況で家はほとんど借りられない。

彼女にそんな厳しい現実を突きつけなければいけないのかなとも何度も考えました。

いろんな現実を飲み込んで妥協に妥協を重ねて「我慢」をすれば短期間滞在できる場所がないわけではないことを考えると、万が一の時のお金を多くの方から集めるのも、こちらの勝手な自己満足なのかもしれない、本当に彼女のためになるのだろうかということもさんざん考えました。

でも、彼女の経験は彼女の家族や彼女個人の「問題」ではまったくなく、児童相談所の年齢制限や未成年であることの壁といった制度のすき間の問題であり、もっと前に大人が彼女の手をしっかりつかんで向き合ってできたことはあったはず。

そして、それが十分にされないまま今に至り、彼女の人生を彼女と一緒に悩み、考え、そのために今時間を割く大人がいなかったからこそ今のような状況に置かれていることを考えると、彼女一人に負担や我慢を強いるのも変なのではないか。

最低限の衣食住を整えて、安心できる場所をつくってあげることが彼女にとっては今一番必要なことなのではないかと考えるようになりました。

「一個もいいことない」という憤りが入り混じり発せられた言葉。

その人のものの見方がゆがんでいるからでも、その人の努力が足りないからでもなくて。

自分の力ではどうしようもないことがたくさん起こって発せられている言葉だとしたら。

そんな社会になってしまっている一端は自分たちにあるのかもしれない、この言葉は自分たちに向けられているのかもしれない、そんな風に感じました。

そして、大人である私たちが、彼女の向き合っている現実という「社会課題」に目を向ける必要があるのではないかと思いました。

彼女の人生は家探しをして終わりではなく、ここから始まります。

制度のすき間に入っていてしまった彼ら・彼女らの手をつなぎ続けるには、そして次へとバトンを託すためにはたくさんの共に過ごす時間が必要です。

その揺れ動く心と一緒に揺れ動くことが必要なこともあります。

このような伴走は、高校生活を区切りにしない、パノラマだからこそできることだとも思っています。

「基本誰も信用していないから」そう初対面で言われた時に、意外と大人にもいいやつはいるんだ、世の中捨てたもんじゃない、そんなことを一度でいいから感じてみて欲しい、と思っています。

パノラマのフレームイン基金を応援いただけますと幸いです。
彼女に伝えたいこと。

「誰かに施されるのが嫌いと言っていたけれど、この基金は、あなたを可哀そうだと思ってるというのではなく、あなたが自分が安心できる当たり前の生活を送れない状況、そこに社会が何もできていないのが変だよねと思っている人たちがこれだけいるということの証だと思ってます。

今までは周りに敵ばかりがいるように見えて一人で戦ってきたのかもしれないけれど、ここから先の人生、大人って案外(?)頼りないところもあるけど、頼っていいんだ、そう思ってくれると嬉しいです。私たち大人だって頼られると、そしてあなたの笑顔が見れると嬉しいんです。
                      
                      NPO法人パノラマ 小川杏子

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