うるまを吸ったことがあるかい

うるまというタバコを吸ったことがあるかい
ほらコザの浮浪者が
シネマ・ドーナツの前ですってるやつさ
バス停のベンチでおいてかれ寝転んで
短くなる迄 奴はすうのさ
そうさ短くなる迄すわなけりゃダメだ
短くなるまですえばすうほど
君はゲート通りの十字路を
歩いているだろう

うるまというタバコを吸ったことがあるかい
ひと口すえば君は沖縄にひとっとび
国際通りで古本を買い込んで
そうだよ ガジュマルの樹と背くらべ
ちょっとヤンバルの方を向いてごらん
ニライカナイでどんとが手を振ってる
朝本浩文や上田現も
railやブックカフェに立ち寄って
ヒージャー汁はいかがとまねいてる

君はたとえそれがすごく小さな事でも
何かにこったり狂ったりした事があるかい
たとえばそれがヒップホップでも
夏の海のような静かな景色でも
どこかの路地裏の闇の煮凝りでも
そうさなにかにこらなくてはダメだ
狂ったようにこればこるほど
君は一人の人間として
しあわせな道を歩いているだろう

君はある時何を見ても何をやっても
何事にもかんげきしなくなった自分に
気が付くだろう
そうさ君はムダに年をとりすぎたのさ
できる事なら一生 赤ん坊でいたかったと思うだろう
そうさすべてのものがめずらしく
何を見ても何をやってもうれしいのさ
そんなふうな赤ん坊を
君はうらやましく思うだろう

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