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登場人物全員がENTPの桃太郎

こんにちは!のりだよ〜◼️ヽ(´▽`)/

↓このポストに触発されて書いた!!

本文

おじいさんとおばあさんは、仲良く芝刈りと洗濯を後回しにしていました。このサボり癖は、2人の人生の象徴であり、彼らの歴史は怠惰の連続によって作られた物でした。しかし、それでも、2人はこの歳まで割と楽しく暮らしていました。

ある日、洗濯物が溜まりに溜まり、何なら1、2回は洗わずそのまま着ていたところ、行きつけのバーのマスターから「汚い」と苦情が来ました。普段であれば、2人でよってたかって「縄文時代は1、2週間洗わないこともザラだった」など屁理屈を捏ねるところでしたが、今回はそうはしません。何故ならツケがあったからです。

渋々、おばあさんが川に洗濯に行くと、大きな桃がどんぶらこと流れてきました。

「この桃、絶対、着水部分腐ってそう」

おばあさんの中の冷静な魂は、目の前の異常事態にヒヤリと水を刺しました。しかし、それより何より目新しい出来事が大好きなおばあさん。目を輝かせて、ルンルンとそのデカブツを持ち帰ることにしました。

持ち帰った桃を切ると、中から可愛い男の子が飛び出しました。この奇妙な事象を前にして、2人は目をまん丸くしましたが、そのうちきゃっきゃと手をあげて面白がりました。

「何か分からないけどすごい事が起きたぞ!よし、育てるか!!」

2人はノリと勢いで、この小さな赤ん坊を育てることにしました。彼らはご近所に「桃からこの子が生まれたんだよ!!」と喜んで言って回りました。村人は「また訳分からん事言ってるな〜笑」と半分聞き流していましたが、何だかんだで、その男の子はおじいさんとおばあさんをはじめとする村のみんなから可愛がられて、すくすく元気に育っていきました。ただ、倫理観はちょっとゆるキャラでした。

ある日、桃太郎は、鬼ヶ島には金銀財宝、宝の山があると言う噂を耳にしました。

「これは良いことを聞いた。財宝を手に入れるのはとても愉快な事だろうな!しかし、俺はただ無策に鬼ヶ島に突っ込むより、もっと何かクレバーな事をしたいな!!」

そこで、彼は遊び仲間のサルとキジとイヌを家に誘い、この新鮮な話題について酒を片手に語り合い始めました。酔っ払い達の脳にはアイディア達が次々と浮かび上がり、ワイワイガヤガヤと盛り上がります。

「中古の小船を売るんだよ」

桃太郎が言いました。

「鬼ヶ島に一攫千金を狙って行く人は、絶対に船を買わないと行けない」
「今まで鬼ヶ島に行った人間は、みんな鬼には敵わず死んじまっただろ?だから、船は向こうに置きっぱだ」
「俺たちは、1つの船に4人で乗り込んで島に行く。それで、1人は俺たちの船を、あと3人で3つの船に乗って帰れば、船が3つ丸儲けってわけ!」
「鬼達も、わざわざ岸に置いてある船を叩き壊したりはしてないだろ!知らんけど!」

桃太郎はこの長文を喋り倒しました。ちょっと早口でした。

おおーー!!なんか面白そうだ!!
3匹は同意して、酒をグイッと煽りました。

後日、桃太郎と3匹の仲間達はこの計画を実行し、見事に3隻の船を持ち帰り、それを売りさばくことに成功しました。しかし、彼らは2度とそれをやる事はありませんでした。飽きたからです。一度達成した工程はブルシット・ジョブへと成り下がるのが世の常だと、彼らは強く信じていました。

一方、鬼は桃太郎達が船を攫っていく現場を遠巻きに見る事はしましたが、特に手を出す事はありませんでした。「掃除してくれんのかな。ラッキー」と思っていました。

めでたしめでたし。


↓解説編

↓登場人物全員ENTPシリーズ


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