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化学のテスト中に全く関係のないことをしていたら誤解された話

昨日、社内研修で部下の育成についての話を聞いていた時、あるエピソードを聞いてふと昔のことを思い出した。

部下の育成というのすごく難しいことで、こいつは骨があると思っていてもすぐにくじけてしまったり、ある仕事がうまく出来るからといって他の仕事も上手くこなせる訳ではない。上司の一挙手一投足で、簡単にアウトプットの質が変わるという話だった。

例として紹介されたのは、講師自身の失敗談。部下と一緒にとある企業の研修を担当していた際の出来事。

その部下はとても優秀で研修も大盛り上がりだったので、上司は全く関係のないことを考え始めたそう。名案を思いついたので、湧いてくるアイデアを片っ端からポストイットに書いていった。ふと気がつくと、部下は汗だくになって、顔を真っ赤にして、焦りまくっていた。

講師の方はびっくりして、落ち着かせようと間をとったり、水を飲ませたりしたけど、一向に落ち着かない。結局講師の方が尻拭いをすることになってしまった。

その後、何があったの?と聞いたら、部下は「先輩がめっちゃメモ取ってたので何がミスったのかと思って。それで焦り出したら止まらなくなってしまいました」と。原因は講師の方が全く関係のないことを、関係のないタイミングで、猛烈な勢いでメモを取り始めたからだったそうな。

僕も同じような経験がある。

高校三年生の頃、期末テストの時期の話。その日は化学のテストを受けていた。

50分のテストだったのだが30分ほどで解き終えしまい、退屈だったので体育祭の応援団で使ったセリフを思い返していた。毎日夜遅くまでみんなで集まって練習したセリフ。暗唱できるようになっていたので、すらすらと出てきた。その頃僕は、ノートにたくさん字が書けた時に凄い満足感が得られる習性があったので、テストの問題用紙の裏に、小さい字でそのセリフをビッシリ書いていった。

ちょうどテストが終わる頃、ちょうど全てのセリフを書き終えて満足感に浸っていた僕。

ふと横を見ると、成績優秀なクラスメイトがあたふたとしていた。

テストが終わり、その彼と話すと「さっきのテストでそんなに計算することあった!?」と聞かれた。

そう。彼は僕が一生懸命何かを書いていることに気がつき、自分が見落としてしまっているとんでもない量の計算を必要とする問題がないか、不安に駆られていたのだ。

僕はただ、体育祭の思い出に浸りながら、プリントの裏側にビッシリと文字を書いていただけなのに。今回の研修では、若手の育成を題材に、人からどう見られるかは、自分では想像できないことを学んだ。自分は安心して任せていると思っていても、放任されていると感じるかもしれない。

あるいはその逆もあるだろう。自分ではそう思ってなくてもマイクロマネジメントうぜーと思われるように。

高校のときの経験から、僕はそのことが身にしみて理解できた。

皆さんも、部下ができた時、および計算問題のないテストの時は、誤解されないよう気をつけてほしい。わざとやるのならいいと思うけど。

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