見出し画像

経営目標と社員の自由度が高いからこそ、内部監査が徹底されています

ソニー子会社における仕事は、社員個人の裁量でかなりの仕事が自由にできますが、経営目標も併せて高いものでした。
当然、社員(管理職)が担当する部門の事業計画も高い目標が必要となってきます。
ですから、社員個人は、とくに管理職は本当によく働きます。
仕事の裁量があり、個人の自由度が高ければ、目標達成のための個人の仕事の量や質のレベルが高くなります。さらに仕事のスピードが求められます。
そのため経営職は、自由な発言を許容し、仕事の本質や問題点をつかむ努力をしていました。

とくに悪い情報をすばやく収集し、適宜、事業計画の修正をしていく努力は日々続いていました。
現場責任者が経営職に会いたいといえば、すぐに会える体制になっています。
だからこそ、各業務における問題点をすばやく修正すると同時に、毎月の進捗状況を管理会計と責任者の報告から把握しながら、経営判断していきます。悪い情報があれば、その場で実施計画の変更と修正をおこなます。
現場の責任者は、その繰り返しを徹底され、現場仕事の進捗管理がおこなわれていました。

ソニーでは、現場責任者の仕事における裁量の範囲が非常に広いですから、内部監査部門は、抜き打ちで現場業務をチェックします。
これにも現場責任者は立ち合い、適宜指摘を受け、指摘された問題点は、指定期日までに修正し、内部監査部門へ書面で報告することが義務付けられていました。
さらに、内部監査部門から社長へ監査内容が報告され、責任者個人の問題点や業務全般の問題点、会計上の問題点について改善事項と経営職へ指摘事項が報告されたうえで、また現場に徹底するという厳しさでした。

これをきちんとやらなければ、現場の責任者も経営職も配置転換や取締役降格などの処分がされます。
ほんとに首が飛ぶ仕組みになっていました。
実際、内部監査室の指摘を受けて、配置転換された管理職がいました。ソニーでは、それほど実効性が高いシステムを構築しているのです。

私がみた他の上場企業や株式公開を目指す企業では、内部監査部門の機能は「ざる」でした。
これが日本における多くの上場企業の実態ではないでしょうか。
内部監査部門の機能などないに等しいのです。

私は、これでもまだ日本企業のガバナンスには問題があると思っています。
さらなる仕組みが必要です。
誰もやったことがなく、公的な制度や法律に基づくものでない、企業自らが考案した企業の独自性がある私的な枠組みをもつことになります。
やり方は、いくらでもあります。
やろうとする意欲がある経営者がいるかどうかでしょうか。
ソニー以上の企業を創るという決意がある経営者がいればよいのです。
もう一度書きますが、そのような私的な枠組みで、これまでにないほどガバナンスが効く機能は必ずできます。

不正を防ぐ仕組み

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?