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「お金じゃ買えない幸せ」とは

タロットの世界では合わせて20になるカードは対になると言う説があって、「3 女帝」(写真左)と「17 星」(写真右)は「無償の愛」というテーマが共通している。

しかし対なので対照的なところもあって、それは「3 女帝」の「無償の愛」が「豊かさ・余裕」からくるのに対して、「17 星」の「無償の愛」は「何も持っていない・ありのままである」という点。

(タロットにはどのカードにもいいところと悪いところがあるので、一概に「どちらの方が良い」ということはありません。そこにあるのはある一定の世界観だけです。最初にそれだけはお伝えしておきます。)

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「お金じゃ買えない幸せ」というのはこの場合どちらかと言えば「17 星」が近い気がします。

カードに描かれている人物は夜に全裸でひたすら水を流しています(水は「感情」とか「愛情」のようなものと言われています)。周りから見ればかなりヤベー奴ですが、本人からはあまり邪気のようなものを感じません。とても自然体で、思いやりのようなものすら感じます。

しかしこの人物は文字通り「何も持っていない」ので、世知辛い現実社会を生き抜いていくパワーには少々欠けるでしょう。頭の上に光ってる「星」だけが頼りなんですね。

こんなイメージでしょうか↓

(今はまだ夜だけど)「星」が見えるから、なんとなくホッとする
(今はまだ夜だけど)「星」が光ってるから、なんとかやれる気がする

「お金じゃ買えない幸せ」とは、おそらく、この頭上に光ってる「星」のことです。カードに描かれている人物のように「全てを失ってもなお、水をそそいでしまう」ーーーそういう気持ちの源泉にある「何か」でしょう。とてもロマンティックですね。

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現実の中で途方もない喪失を経験した人にとって、その救済を現実の中から見出すのはおそらく容易ではないはずです。前も後ろもわからないような暗闇の中では「リアル」はあまり役に立ちません。暗くて見えないので。

じゃあどうすればいいんでしょうか。

おそらく光が欲しくなるはずです。光明です。どこかに瞬いているはずの「星」。「星」を見たいと心から切望するでしょう。そしてそこではおそらく「お金」はあまり重宝されないはずです。

「いやいや、そんなこと言ったってお金があれば色々なことを回避できたり、選択肢も増えるっしょ」という意見はもちろんすぎる事実です。しかしもちろんすぎて忘れがちなんですが、それはあくまで「お金が価値を持つと信じられる世界」に生きてることが前提なのです。

つまり、

お金とは所詮「人間がとりあえず定めてみてるルール」であり、「人間を凌駕する出来事」や「旧来の価値観が破綻している場面」などが一度現出してしまえば「お金に価値があるとは信じることができない」事態が発生しておのずと機能しなくなるのです。

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人智を超えた天災や理不尽な事件や事故や戦争などに巻き込まれた時。

人生がどうにもこうにもならなくなってしまった時。

もちろんお金は「具体的なことには作用するでしょう。

しかし「具体的じゃないこと」が傷ついてしまった時や「具体的じゃないこと」を失ってしまった時はどうでしょうか。

おそらく、人は「星」を探し始めるはずです。

なぜなら、そこにはお金じゃ買えない何かがありそうだからです。

‥‥

でも、ま、もち、お金も欲しいんだけどね

💰💰💰


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なんかこの感じで終わると「3 女帝」が裕福な悪者っぽく見えるかもですが、決してそんなことはありません。「3 女帝」も素晴らしいカードですよ!

それはまた別の機会に🙏

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