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Linuxコマンドかるた制作過程

ITものの新作として、「Linuxコマンドかるた」はいいのでは、と思うので試作を作ろうと思います。
Linuxコマンドのゲームが作りたかったんですが、ルールでいいのが思いつかず思いつくとしてもめっちゃ複雑で、結局かるたが一番あっているのではと結論になりました

2022年7月某日 ニチ

まずはサークルメンバーにアイデアを伝え、試作品を作りだした。
コマンドは44個リストアップし、そこから40個を選んだ。
コマンドだけ決めてあとは試作品を作りながら調べてテキストを作っていく。試作品は作る速度を重視し文章の品質はあまり考えない。

コマンドが決まったらあとは取り札にかく説明文を書きます。説明文は・コマンドの効果・コマンドを使うケース(効果と重複する場合は省略する。効果とは別とわかるように斜体にしたりフォントを変えたり枠で囲ったりする)・コマンド名の由来(ないものは不明とします。あやしいものは諸説あります、と注釈いれます)の3つを考えています。コマンドの由来はcdはchange directryとかそんな感じ

2022年7月某日 ニチ

最初は説明文、コマンド名の由来、コマンド名で構成するアイデアだった。
しかし、試作品を作っていくとコマンド名の由来は全部のコマンドで書くのは難しいことがわかってきた。なので

その下に枠囲みで「コマンドにまつわるよもやま話」「よく使うオプション」「こんな時使うと便利、TIPS的なこと」みたいなのが入れられたらいいなと思っています。

2022年7月某日 ニチ

と、カードごとにフレーバーテキストの種類を3つくらいから選べるようにした。
また取り札が試作品を作っていると、コマンドの文字数の違いが気になってきた。2文字のコマンドだとカードが寂しいのだ。で、文字の大きさを文字数によって変えてみることにした。

試作品1号

左上に丸囲みで頭文字を入れたのは「かるた」っぽくするため。
今でもこの感じは個人的には好きなのだけど、メンバーからは不評だったため同じ大きさにし丸囲みの頭文字もカットした。

さらに「よもやま話」や「TIPS」はこれまた難易度が高いことがわかり、「よく使うオプション(主なオプション)」で統一することにした。よく使うオプションが無いものはどうしよう?と悩んだが、思い切って「なし」と記載するのも面白いだろうと気持ちを切り替えた。

試作品2号(読み札) この後の修正で主なオプションは一番上に持っていった。
試作品2号(取り札) この後の修正で文字は左寄せになった。

ソロでテストしてみても「かるた」はなかなか難しい。
基本的にはゲームバランスとかそういうのはあまり考えなくていいので、やってみて自分たちが面白かったか、がテストプレイで分かればよい。
サークルメンバーも最初は同じ会社の同僚だったが、転籍や転職などで今はみんなバラバラだ。テストはオンラインでやることにした。

オンラインテストプレイにはBGEngineを利用させていただいた

テストプレイにはサークルメンバーとメンバーの友達に参加していただいた。最初のルールでは取った札でしりとりをしてつながった分だけボーナス点がもらえるというルールをいれていた(ボードゲームっぽい)

こんな感じで重ねられるようにするために左寄せにした。

これはコマンドを眺めているうちに「始まりと終わりのアルファベットが結構似通ってるのが多いのでアルファベットのしりとりできるんじゃね?」と気が付いたからだけど、やってみたら「余計な気がする」と不評だった。
Linuxのコマンドだけに集中できなくなる、と言われた。確かにそうだ。ゲーム中考えるのはLinuxコマンドのことだけでよくて「この単語を取るとつながって点数が伸びる」とか考えないといけないのは邪魔なのだ。

変にボードゲームをかじってると陥る罠かもしれない。こういうゲームは最低限のもの以外、何もいらないのだ。

テストプレイが終わり、十分手ごたえがあったのでここからサークルメンバー全員で分担作業が始まる
まず、デザイン担当がパッケージやカードのデザインを始める。他のメンバーはテキスト部分の校正をする。言い回しや用語の統一、オプションの精査など。私は並行してマニュアルの原稿作成とゲムマの準備などを行った。

また、テストプレイ後にもう一度採用するコマンドの見直しをした。最初の案ではrmdirがあったのだが、rmがあるしあまり使わないよね、ということで別のコマンドに置き換えることにした。これも苦戦したがなんとか乗り切った。

全てのデータが出来上がったあと、デザインが上がってきた。何種類かの案に関してどちらがよいかなど、各々感想や案を言うが、最終的にはデザイン担当者が決めたものにするようにしている。

最終デザイン

これができたのがゲームマーケットの3週間くらい前。
ここから印刷所に出すがカードの印刷のほうで思わぬトラブルが。
なんと印刷所のほうで今年の夏あたりに版下のフォーマットが変わっていて今までのフォーマットでは受け付けられないという。
なんとか全て版下を作り直してもらい、再入稿した。

一週間後くらいにすべての部材が印刷所から送られてきた。
1部組み上げて写真を撮る。この時が作る工程の中で一番楽しい瞬間だ。
この時のために作っている感じ。

パッケージ写真撮るの好き
宣伝素材もパシャリ

もうゲームマーケットもかなり近づいてきていたので、やっとこさ宣伝ができると思って写真をツイートしてみたところ、とても反響があった。

この反響は予想していなかったので、とてもうれしかった。

1500こえたあ
スマホの通知がすごいことに。HTTP以上の反響だな

2022年10月某日 ニチ

ゲームマーケットでも好評で多くの人に購入してもらえた。売り切れて買えなかった人、ごめんなさい!

ゲームマーケット2022秋、設営完了!の図

終わりに

今回の新作を作るにあたっての制作過程をまとめてみました。
Linuxコマンドかるた、を作ろう、と言ったときはあまり自信はなかったけど、自分が楽しく遊んでいる風景は想像できたし、まずはそこを信じて作りきろう、と前に進んだ数週間でした。
仕事も忙しかったので、作業は週末に行うことが多くボードゲーム会にもあまりいけなくなったけど、大きな反響があって報われた気持ちでいます。
長文でしたが、ご覧いただきましてありがとうございました。

BOOTHのLinuxコマンドかるたのページです。
https://agepeanuts.booth.pm/items/4255680

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