はじめに

HTTPステータスコードで百人一首を作るアイデアは３年前くらいからあったのですが、「そんなマニアックなゲームは作っても誰も買わないかも」とアイデアどまりでした。

状況が変わったのはゲムマ2020秋にリリースした「ときならべプログラム言語編」（以下、PG編）でした。PG編はもともとゲムマ2020春に出す予定でしたが、同イベントが中止になったため秋にリリースしました。もともと秋に出す予定だった「ときならべゲーム機編」（以下、ゲーム機編）と同時リリースとなったのですが、幅広く受け入れられそうなゲーム機編に比べPG編はものすごいマニアックなので、ゲーム機編は100部、PG編は50部だけ作りました。しかしPG編は午後すぐに完売しそのあとも買いに来る人がいました。イベント後のZOOM反省会で「こんなマニアックなのもいけるのなら、HTTPステータスコード百人一首もいけるのでは？」となり、ゲムマ2021春の新作はそれで行くことになりました。

百人一首の決まり字

カルタとせずに百人一首にしたのは「上の句」と「下の句」を設け、上の句にはコードの説明、下の句にはコード自体という構成が理由なのですが、もう少し百人一首要素を入れたいと思いました。

いわゆる「決まり字」です。これで始まるのはこれ、というものをいくつか作り、これで始まるのはいくつかあるので、ここまできたら判別できる、というものも意図的に作りました。

百人一首の決まり字は１文字単位ですが、HTTPステータスコード百人一首の場合はもう少し長い言葉です。

例として、
「リクエスト」で始まる札は、29枚あります。
そのうち、
「リクエストは成功し」で始まる札は5枚、
「リクエストされた」で始まる札は、9枚、
さらに、「リクエストは」の中でも、
「リクエストは成功し、」が2枚
「リクエストは成功しました」が3枚、
さらに、「リクエストは成功しました」の中でも、
「リクエストは成功しましたが、」が2枚あったりします。
これらはステータスコードの説明文もだいたいそういう感じではあるのですが、意図的に文章をそろえています。

逆に「この始まりならこれ」というものもあります。
「ティーポット」で始まるのは「418 I'm a teapot」しかありません。
このような出だしの１ワードがユニークなものは6枚あります。
慣れてくれば、こういう札はあらかじめ場所を把握しておいて、みたいなプレイングが自然と出てきます。

読み札の記載要素

読み札、取り札にどのような情報をどの順番に載せるか？は試行錯誤がありました。

まず読み札ですが、本来の百人一首であれば人物の絵が描かれています。３年前の初期アイデアでは人物画を記載しようと思っていました。文字だけでは寂しい感じがしたのです。ただ時が過ぎいろいろ経験が増えた結果、絵は不要となりました。

文字だけにしたときに、「ステータスコード」「英語名」「説明文」の３つを載せることになりますが、それをどの順番に載せるかも悩みました。見た目的にはステータスコード、英語名、説明文のほうがかっこいいのですが、ゲーム中に読む順番は「説明文」「英語名」「ステータスコード」にしてほしいのです。

テストプレイ時にいくつかのパターンを用意したのですが、やはり読む順番に記載したほうが自然で良いとなりました。

もう一つ、英語名の読み方をカタカナで記載する案がありました。これもテストプレイ時に載せたものを用意してみました。結論としてはかえって読みづらい、となったので不採用としました。

取り札の記載要素

取り札にはステータスコードだけではなく、英語名を入れることにしました。これは説明文を聞いたときに内容から英語名を推測して取ることもできるようにしたためです。

「大量のリクエストを」という文章から「Too Many Requestsかも」とコードは覚えてなくても推測できます。

アートワーク

百人一首を連想させるように次のようなポイントを設けました。
・色は深緑、草緑、みたいな色
（ただ、印刷してみたら思っていたより濃い緑になってしまった）
・文字は明朝体にする

また、デザイナーの遊び心で裏面にはHTTPの文字をパターン化したものをうっすらと羅列しています、

最後に

HTTPステータスコード百人一首は、ゲムマ2021春でリリースしましたが、コロナの影響もあったり曜日が日曜日だったこともあり来場者数もだいぶ今までと比べて少なかったので、正直なところもう少し出ると思った、という頒布数でした。

ところが、そのあとtwitterで紹介していただいたツイートがいわゆるバズって多くの方に注目していただけることになりました。ありがとうございました。ボドゲ―マでは売れ筋ランキングで7位（2021/04/25時点）になったのもうれしかったです。

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