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今の部屋に越してきて一年が経つ。
そのタイミングもあり、越してくる前のことを思い出してしまって寝られなかった。
苦しくて泣きじゃくった。

ひとり暮らしを再スタートしてしばらく、
なにもなくて不便でストレスで、自粛期間も重なってどうにかなりそうだった。
でも一年前を思い出すと寝る場所があるだけで有り難いと思える。
安心して眠れる場所があること。
いつでも帰っていい場所があること。

あったらいい物は少しずつ増えた。
ハンガーラック。除湿機。小さな鏡。洗濯かご。
毎日欲しいものだらけ。
テーブルがあったら。イスがあったら。間接照明があったら。チェストがあったら。ごみ箱があったら。大きな鏡があったら。
どんなに生活しやすくなるだろう。
きっと少しだけ生活が楽しくなるだろう。
もう少しだけでいいから広いキッチンがあったら。
たくさん入る収納があったら。
独立洗面台があったら。
キリがない願望の数々。

寝る場所さえあれば、安ければ、何処でもいい。
そうやって見つけた此処で
わたしは暮らしている。
去年の夏を思えば、全然生きていける。