マルチタスク

【てのりメモ】マルチタスクはコスパが悪すぎてしんどい

いくつものプロジェクトを横断し、複数のタスクを抱え持ち、物事の正否を短時間で見定めて各所に的確な指示を出しつつ案件を同時遂行する……。

そういう社会人像に憧れていたけれど、つい最近「マルチタスクは評価されるまでのハードルがバカ高い」ということに改めて気がついた。

ぼくは現在、都内のWebメディアでサイトの企画/設計とプロモーション、時には記事の執筆、場合によっては動画編集なども任されている。必要なスキルや所要工数、時間を割くタイミングなどが全く異なるし、私生活との兼ね合いもある。休日は読書したり、小説を書いたり、動画を作ったりして過ごしたいので不要な残業や休日出勤は避けたい。調整に悩む日々だ。

さて本題。複数業務を並行して進めようとしたところで、結局1日は24時間しかない。1タスクあたりに充てられる時間は限られる。タスクを詰め込めば詰め込むだけ、ロケット鉛筆の芯のように別の業務が押し出され、そのぶん仕事の進捗はどうしても遅れていくわけだ。

加えて、業務を複数抱えると、とにかくめちゃくちゃ疲れる。Aを50%進めて、キリの良いところでBを30%、進捗10%でペンディングしていたCを50%まで引き上げて……といちいち脳を切り替えるのは、一部の天才を除いて非常に難しい。常に頭の中を様々なタスクが蠢いているわけで、体感では周りの数倍働いている気すら湧いてくるだろう。

しかし、である。

恐ろしいことに、本人は必死で複数プロジェクトを同時に進めているつもりでも、進行途上のある一点だけを切り取り、傍目から見ると「仕事の遅いやつ」にしか見えないのだ。

たとえば12時間丸々使ってA案件を50%、B案件を40%、C案件を10%進めたとする。しかし第三者からの「Bの進捗どうなってる?」という問いに「40%」と答えると「12時間で4割しか進んでないの?」と認知される。ボールペンが何本あっても足りない(ストレスで叩き折るから)。

解消する最善の施策は「まず1つめの業務を終わらせる」ことだ。

抱えているものを終わらせることで、文字通り肩の荷が下りるし、達成感から次の作業にもつながりやすい。なにより事情を知らない第三者のツッコミに対して「この仕事してました!」と成果物ベースで言い訳ができる

これは日々の業務に限らず『マルチクリエイター』と呼ばれる人物にも共通していると思う。たとえばがキングコングの西野亮廣さん。養成所時代から舞台に上がり漫才の賞レースに優勝するなど、芸人としての地位を確立してから、絵本作家・文筆家など別のジャンルに進出している。なにごとも、物事の順序ってそういう風に進めていくのが良いのかもしれない。

結局のところ、マルチタスクな人間になるためには、まずシングルタスクを極めなければならないのだと思い至った。

もっとも「ひとつの業務に集中する」という方法が破綻する場合もある。たとえばぼくの場合「WebサイトのUIを設計しながらサービスのプロモ案を考えつつ、ニュース記事を執筆する裏で動画を編集する」なんてこと千手観音でもなければ絶対に無理だ。プロモを打つ時間はかならず企業の公式SNSに張り付かなければいけないし、急に〆切間近の記事執筆依頼が来れば、なりふり構わずテキストファイルと向き合わなければならない。

こんな状況で何も知らない第三者から一方的に「仕事が遅いやつ」と認知されるとメンタルがやられるか、殺人罪で逮捕されるかの二択なので、わざわざ「自分が今どんな案件を持っているか」をつまびらかに話し、抱えているタスクの優先度を明確にした上で、進捗状況を聞かれてもいないのにちょくちょく報告することにしている。根回し大事。

たまに「業務の優先度」の重要性を理解せず適当なことを言ってくる人間もいるけれど、バカに話が通じないのは仕事もプライベートも同じなのでそこはサクッとスルーしている。

「マルチな人間」は一本の軸を通してから。

ということで、僕はオナニーを極めることにした。生活に根付いたものから手をつければ徐々に身体が慣れていくだろう。始皇帝ならぬ”シコ帝”を目指し、将来的には精巣の神”玉神様(たまがみさま)”と呼ばれるようになりたい。

まずは乳首だけでイけるようになるのが喫緊の課題である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?