さけのうおでんもうにむらがるが好きという話

いとうさん(サークル名:GOLEM,Inc.)のさけのうおでんもうにむらがるが好きという話します。3つのSF短編集なのですが、今回は表題作の方の感想です(他の2作もすごく面白かったです、ぜひ買える機会ありましたら読んでいただきたい、今見たらメロン売り切れだけどZINは売ってました

いつも感想とか作者に見られると恥ずかしいとか言って出来るだけバレない様にタイトル略してあげたり(程とか)タイトルに斜線入れたりするんですがキタユキさんに感想もらえて怒る人がいるかと怒られたので数週間悩んだんですが勇気もって斜線入れません。

本題

いやほんとめっちゃ好きなんですよ、なんかティアで買ってからもう何回も読みなおしてます。もうなんで好きかって言われると難しいんですが…

あとがきにてもっと長かったとおっしゃってましたが、長い方も読みたかったです!でも短くなったという今作好きです。短くても描かれていないシーンたちが伝わってきます。空間・時間の連なりが既に頭の中に構成された上で効果的なシーンの切り取りを行っているからなのかと思います。だから冒頭にあのシーンをきちんと持ってこれる。この冒頭のシーン本当に魅せられました、ここでバーンとやられ、そのあと質量を増やされて殴られ、最後に冒頭の時系列に戻って殴られ、とすごいコテンパンにやられました。でも本当は長かったという方もやはり読みたいです。

あといとうさんの漫画のつくり方、コマの置き方が本当にすごいです。コマに時間量がある!8p1コマ目のモモが何も言わないシーンがすっごく好きなんです、そこはモモがただ何も言わずに雨の中居るシーンなんですけど、次のコマに向けた吹き出しの突出部もあってここで映像で行ったら10秒ほどたっているんですよ。雨の擬音が描かれていないのに雨の音がしばらくするんです、本当にここ好きです。

テーマに関しては、すみません自分の解釈なんですが、自己の欲求、行動を起こした理由が本当に自分のものかという疑念とそれへのアンサーが描かれているんだと思っています。モモにとっての欲求はリエンであり、それに対するアンサーは創造主達たる人間(ここでは倫理モジュールへの否定という意味で個とは別の人間全般を否定する)の否定かなと。これに関してはなんか自分の自意識の考え方になぞって乗っかっているだけな気もするので違っていたらすみません…

終わりに

なんかもう感想がまとまってるのか怪しくなってきましたが書ききりました。気になる方はぜひ購入してください。

本作や、先日SFマガジンの百合特集を読んだ影響か、自分も人と人の感情をSFに絡めて描きたいという思いがわいたので挑戦してみようと思います。


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