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なんとかしましょう、お義母さん〜リフォーム完了報告編〜

なんとかしましょう、お義母さん〜業者相談編〜

なんとかしましょう、お義母さん〜鬼と葛藤編〜

なんとかしましょう、お義母さん〜ロング グッドバイ編〜

これらの完結編…というか、ご報告編である。

表題の通り、介護に向けたリフォームが完了した。
業者に相談を始めた今年の晩夏あたりでは、義父の足腰は「だんだん歩みが遅くなってきたな」くらいであったのだが、急激に歩幅が狭く、よろけるようになり、庭や何もない室内で転んだ。いったん転んだら立ち上がれず、発見した家族が慌てるということもあった。

変化の速度を考えると、これはうかうかしておられぬ。
リフォーム業者のTくんに大至急連絡し、真っ先に浴室と脱衣所の手すり取付工事から始めて、こちらはすぐに完了した。寝室リフォーム前の断捨離で出たゴミを処理場に運ぶついでに自治体の窓口に走って介護認定申請、その足で地域包括支援センターに行き相談。その2日後に保健師さんとケアマネージャーさんの訪問があり、義理両親と面談してもらった。

「お義父さまの現在のご様子ですと、最低でも要支援1、必ずなにがしか認定されると思います。申請が通る前に【見込み】で週一のリハビリと入浴サービスの予約とお試し体験、併せてベッドと室内で使う杖など歩行介助器具のレンタルを始めましょう。認定が下りたらすぐにデイケアと契約して通える態勢を整えます。また、これから担当ケアマネージャーも手配します」

義理両親の要望を聞き取った保健師さんとケアマネージャーさんは、力強く頷いた。頼もしいったらない。こうして、寝室と廊下で大工さんが金槌の音を響かせる中、担当ケアマネージャーさんとの初顔合わせ、介護用品専門店のスタッフさんとの打ち合わせ、デイケアサービスのスタッフさんとの面談などを進めることとなったのだった。

窓口で申請して20日後、市の介護認定調査員の訪問があり義父と面談。調査員の方も、最低でも要介護1は下りる筈だと言い帰っていった。

そうこうしている内にリフォームが完了。
使わない納戸が取り壊され広くなった寝室に介護用ベッドと、義理の祖父母が昔使っていたポータブルトイレを置いた。廊下までの間に、置き型の手すりも設置。全て介護用品専門店の方が訪問時に何度も高さや重さをチェックしてくれたもの。

昼でも暗かった廊下はセンサー式のライトが灯り、トイレと浴室、食堂までを明るく照らす。古いドアを最小限の動きと力で開くような引き戸に変更した。その引き戸の取っ手は、緑内障で視界が狭くなった義父でも視認しやすいような色に塗ってもらってある。その他、ケアマネージャーさん、保健師さん達に相談しながら、義父の使う家具を細かく調整、安全なものに買い替えるなどした。

こうして反バリアフリーの古い家は、義父の安全を確保し介護する私たちの負担を軽くする家に生まれ変わったのである。
いまは室内でも杖をつかないと歩けないほどに足腰が弱った義父を見ると「間に合った…」という思いが強い。

ここに至るまで、我々家族のために多くの方々に動いていただいた。感謝している。そして、改装費…これからの介護・医療に必要な老後資金を準備しておいてくれた義父にも、感謝してもしきれないくらいだ。

私と夫の老いじたくをしながら、介護生活のスタートを切る。先の不安がないわけではない、「どんとこい」とは言い難い。が、とにかくやれることはやるしかなかろう。
家族で力を合わせ、弱音は吐ける内に吐いて暮らしてゆくことをここに誓い、ご報告の結びとする。


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