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虎に翼 第10話

「主文。被告は原告に対し別紙目録の物品を引き渡すべし」
裁判官(栗原英雄)の読み上げた判決に、原告弁護人(シソンヌじろう)、法科女子部の皆と共に「あああ!」と安堵の声を上げた。

そして、栗原秀雄の良い声で解説される判決の主旨に泣く……妻を苦しめる目的の、夫の権利の濫用。よくぞ言ってくださった。

笹山(田中要次)の、トラコ(伊藤沙莉)と女子部の皆への「ありがとね。皆も、ありがとうね」。これは傍聴マニアとして良いモノ見させてもらった!の礼か、原告の女性に代わって、か。
彼の前回までの「つまらない裁判」の意味は、見飽きるほどに世間ではよくあることで、しかも結果がわかりきっていて。それは常に胸糞悪いものでしかない、つまらない裁判……ということだったのかもしれぬ。
胸のすくような判決を見届けることができた「ありがとうね」なのかな、と考えていた。

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そして更に、傍聴席をズラリと埋めた法科女子部のみんなが、裁判官の判決に影響したのか否かを考えている。影響したのならいいなと同時に、そうでなければいいな、とも。だって、本来ならあの席に峰子さん(安川まり)の味方は座っていなかった。彼女と同じように苦しんでいる、他の原告達も同じだ。応援団は基本的にいない。

応援団がいなくとも、同じ判決であってほしい。味方になってくれる傍聴者がいなくとも、法律そのものが「盾とか傘とか、あたたかい毛布とか」のように、国民と共にあってほしい。
そう思いながら、そしてドラマとしての面白さに拍手しながら観ていた。

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それにしても伊藤沙莉、くるくると変化する表情だけでなく、動きのキレが最高だな!

第3週は女子部の仲間たち、それぞれの背景が細かく明らかになるのか。そして花江ちゃん(森田望智)に不穏な変化が…?
来週も楽しみです。

(つづく)

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