相撲と青森県

今回は青森県!

今回は青森県。青森県は幕内力士を数多く輩出しており、その人数は71人と全国でトップです。そんな青森県の最初の幕内力士は、浪ノ音健蔵さん。明治31年デビューで、明治39年に幕内に昇進した力士です。最高位は関脇。その後昭和36年に定年退職されるまで約60年間も相撲界に関わっている凄い人です。

青森県凄いな!!

そこから青森県勢の力士の歴史は始まり、現在まで6横綱4大関を輩出しています。その中でもひと際存在感を放っていたのが初代若乃花・貴ノ花兄弟ではないでしょうか。昭和30年代に巻き起こった栃若ブームを引っ張っていた横綱若乃花。着いた愛称は「土俵の鬼」。もちろん私もリアルタイムで見たことは無いのですが、相撲にハマっていったぬか漬け少年は、小学校の図書室で「土俵の鬼・若乃花」という本を読んだ記憶があります。(めっちゃうろ覚え)
そこから様々な雑誌を読んでいく中で、若乃花の功績や相撲スタイルを見ていく中でレジェンド化されていきました。特に凄いのが、「呼び戻し」という技。なかなか言葉で説明できないので、どこかで見て欲しいのですが、とにかくダイナミック。相撲を見てきた中で、押し出しとか寄り切りという基本技にはない、相手をねじ伏せる技。これができる足腰も凄いし、やろうというマインドも凄い。とにかく見惚れてしまう技です。
そして若乃花の文献を読んでいくと、土俵際に追い込まれると動かなくなる様から「かかとに目がある」と評されています。いや、どんな足腰よ。確か先ほどの「土俵の鬼・若乃花」という本では、子どもの頃に足腰を鍛えられたという話があったような…。そこから、足腰の強さは来ているのかもしれないですね。

超人気力士貴ノ花!

そして、その弟の貴ノ花は「角界のプリンス」と呼ばれるほどの人気を誇り、大関まで登りつめました。自分が最初に知ったのは、DVDコレクションか何かの創刊号で「貴ノ花の初優勝」が取り上げられていたときです。そのときは全く知らない力士でしたが、そこから知るようになっていき、とんでもない人気力士だったことを知ります。そんな初代貴ノ花のなかでも衝撃的だった取組は、北の富士-貴ノ花戦です。いまや、NHKの解説者として人気な北の富士ですが、当時は横綱として君臨していました。そして、貴ノ花は当時関脇。横綱と関脇の対決となっていたこの取組ですが、伝説の一番となっています。というのも、北の富士が足を掛け、体勢を崩した貴ノ花。そのまま後ろに倒れそうなところをこらえて、北の富士を投げようとします。こらえきれなくなった北の富士は手を付いてしまいました。
この取組を見た行司は貴ノ花に軍配を上げましたが、土俵下の審判は貴ノ花の体がすでに死んでいる(もう勝負できない体勢)と判断し、北の富士の勝ちとしました。
この取組は世間的な議論にもなり、その取組をさばいていた木村庄之助は抗議したものの実らず、辞表を提出しました。
貴ノ花の足腰の強さが活きた取組ですが、この兄弟の足腰はどうなっているんだ!?凄い兄弟だなと感じるエピソードですね。
そしてこの二人から生まれた弟子がスターばかり。若乃花からは、横綱若乃花(2代目)、隆の里…などなど。貴ノ花からは、横綱若乃花(3代目)、貴乃花。相撲界の歴史を作り上げている人ばかり。

今の相撲界を盛り上げる青森県勢

このままだと、この二人だけで終わってしまいそうなので、次の力士を紹介しましょう。横綱旭富士です。現在の伊勢ヶ濱親方も青森県出身。体が柔らかく「津軽ナマコ」という愛称で親しまれていました。(青森県の力士は体が柔らかいんでしょうか?なにか理由があるのか気になります)
現在の相撲で○○富士という力士を見かけることは多いと思います。その○○富士をよくつけているのが伊勢ヶ濱部屋。つまり旭富士から四股名が受け継がれているのです。そこから、旭富士の親戚関係にあたる安美錦や、宝富士、錦富士など青森県出身の力士を輩出しています。
そして、現役力士ではもう一人。阿武咲です。この前の場所の記事では何度も登場しており、優勝争いに絡んだ力士で、今後の優勝に期待です。

高校相撲が凄い!青森県

紹介した阿武咲や錦富士の出身高校が三本木農業高校です。
1977年のかるたでも紹介されていますが、その当時でインターハイ優勝1回・準優勝4回という超強豪。
他にも、横綱栃ノ海を輩出した弘前実業高校、安美錦がいた鯵ヶ沢高校、旭富士がいた五所川原商業高校など、高校相撲が盛んな土地でもあります。
そんな青森県。相撲スポットもあります。青森県武道館は、土俵が収納されており、吊り屋根も取り付けているなかなか見ない施設。
他にも、鰺ヶ沢町の「海の駅わんど」には「鰺ヶ沢相撲館~舞の海ふるさと桟敷~」という資料館があります。
舞の海など出身の力士を紹介しています。訪れてみてはいかがでしょうか。

参考文献
Wikipedia「若乃花幹士(初代)
2023年2月20日閲覧
Wikipedia「青森県の高校相撲部出身の力士
2023年2月20日閲覧
JiJi.com「〔鎮魂譜〕初代若乃花 花田勝治氏
2023年2月20日閲覧
JiJi.com「角界「異名」列伝 ウルフの時代『津軽ナマコ』
2023年2月20日閲覧
スポニチアネックス「北の富士VS貴ノ花 行司差し違い…「つき手、かばい手論争」起こした一番
2023年2月20日閲覧
とわこみゅ「栄光で綴る三農相撲 | 青森県立三本木農業高等学校
2023年2月20日閲覧
青森県観光情報サイト「鰺ヶ沢相撲館~舞の海ふるさと桟敷~
2023年2月20日閲覧
NHK「青森県武道館の裏側に大潜入!【園田】
2023年2月20日閲覧
亰須利敏・水野尚文 令和五年版大相撲力士名鑑
2023年2月20日閲覧
ベースボールマガジン社 相撲観戦入門2023
2023年2月20日閲覧
ベースボールマガジン社 令和五年大相撲力士名鑑 
2023年2月20日閲覧


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