2023年大相撲初場所 11日目 観戦日記

はじめに

この記事は、私がどっぷりハマってしまった相撲沼に読者の皆さんを呼び込むために、ぜひ伝えたい取組を紹介していきたいと思います。
自分が相撲の面白いと感じたポイント、土俵際の面白い取組と、個人的な注目をしている取組、そして私の押し力士高安の「今日の高安」を書いていきたいと思います。

土俵際

相撲を見ていると、土俵際が面白い!と認識する瞬間が何回もあります。土俵際というのは、「この線を超えると負けですよ」というラインぎりぎりの部分。土俵は俵で円状に作られているため、少し盛り上がっているのです。
だからこそ足をかけて踏ん張ることができる。そして、攻めている側は「あと一押し」守る側は「何とか持ちこたえて、反撃する」という勝負のせめぎあいともなるので、必死さがビンビン伝わってきます。
そこで、11日目「うおー、これは面白い!」と感じた取組をご紹介したいと思います。

1.●碧山(6勝5敗)※緑色-〇宝富士(7勝4敗)※紺色

昭和61-62年生まれの同い年の二人の対決。碧山は押して攻めるタイプ。宝富士は、左を相手の脇に差して、組んで相撲を取るタイプです。
始まるとともに、左に動いた碧山。そこから碧山のペースで押し相撲が展開されていきます。
宝富士もなんとか回りこみながら、粘っていき、土俵際で碧山をはたきます。碧山は勢い余って、土俵外に落ちてしまいました。
大ベテラン二人の対決は、年齢を感じさせないアクティブな戦いの末、宝富士に軍配が上がりました。

2.〇大栄翔(7勝4敗)※赤色-●若元春(6勝5敗)※黒色

平成5年生まれ、29歳同士の戦いとなったこの取組。押し相撲を得意な相撲スタイルとする大栄翔と、左を差して右の廻しを取ったら力を発揮する、絶対的な形を持つ若元春の対戦です。
まずは大栄翔の攻撃。若元春の首元を押していき、若元春の体を起こしていきます。しかし、若元春も柔らかく受け止め、組み止めます。このとき、得意の左を大栄翔の右脇に差すことができました。
ここから、若元春の攻撃に入ります。攻撃のタイミングを計りながら、寄り立てていきます。しかし、大栄翔も土俵際で逆転の突き落とし。これが決まり、大栄翔の勝利となりました。
大栄翔は組み止められたものの、若元春得意の右廻しを取らせなかったことで、逆転の可能性を残すことができたように思います。得意手を完全に与えなかったがための逆転勝利となりました。

注目

力士は皆、一つ上の地位を目指しながら、相撲を取っています。逆に落ちてしまうと全く別の世界に暮らすことも。(汚い話ですがお給料も変わってきます)そんな昇進・降格がかかる取組や、同学年・ライバル関係といった取組を紹介したいと思います。

1.〇阿武咲(9勝2敗)※赤色-●琴勝峰(8勝3敗)※青色

優勝争いで、1敗の貴景勝を2敗で追っている、両者の対戦。阿武咲は押し相撲を得意としていますが、今場所は組んでもいい相撲を取っています。
一方で琴勝峰は押してよし・組んでよしの器用な力士です。
始まるとともに、組み合う形になった両者。そして、琴勝峰が前に出て行こうとします。阿武咲は琴勝峰が前に出てくる力を利用して左からの投げを打ちます。これが決まり、勝負あり。阿武咲が2敗キープとなりました。
やはり今場所、組み合ったとしても阿武咲の力が出ています。琴勝峰も前に果敢に攻めていきました。明日以降も白星を重ね、チャンスを待っていて欲しいです。

2.●錦富士(3勝8敗)※青色-〇豊昇龍(7勝4敗)※オレンジ色

この取組は豊昇龍に注目です。9日目の若元春戦で、けがを負ってしまい、10日目は休場しました。このままでは大関挑戦はおろか、番付を下げてしまう可能性が出てきます。
どうなるのかと思いながら、迎えた11日目。豊昇龍が復帰したのです。そして、迎えた錦富士戦。まずは右の廻しを取りに行きます。廻しを取ることに成功した豊昇龍は、そのまま攻め立て、錦富士を土俵外に出しました。
これで関脇維持のために必要な勝利数まであと1勝。大関挑戦のためにはあと3勝とし、可能性が残りました。

3. 〇琴ノ若(5勝6敗)※青色-●貴景勝(9勝2敗)※黒色

優勝争いを先頭で走る貴景勝。出場力士の中では番付最上位のプライドにかけて、このまま走れるでしょうか。
今日の相手は、埼玉栄高校の1年後輩にあたる琴ノ若。直属の先輩後輩対決となりました。
始まりは、琴ノ若のペースとなります。貴景勝得意の押しを封印しながら、前に出ていきます。しかし、貴景勝も簡単には下がりません。琴ノ若と距離を取り、自ら押しやすい体勢に持ち込み、土俵中央まで戻していきます。
そこから、両者押し合いの時間が続きます。じりじりと琴ノ若が前に圧力をかけていった結果、貴景勝が引きました。それに落ちず、体を貴景勝に寄せていった琴ノ若。そしてそのまま、貴景勝を押し出しました。
後輩の琴ノ若が、先輩のお株を奪うような勝利。これで貴景勝は2敗となり阿武咲と並んで12日目に突入します。

今日の高安 番外編 高安って凄いんだぞ!

高安晃。32歳。最高位は上から2番目の地位の大関。中学卒業後相撲の世界に入り、17年もお相撲さんとして活躍する実力者です。
なぜ好きなのか。優勝しそうでなかなか優勝しないもどかしさが応援したくなってしまうのです。話は尽きないのでここらへんで。
とにかく高安の取組を見守りたい一心でこのコーナーを行います。本日からは、高安の魅力や印象的な取組を紹介していきます。

●若隆景 ※銀色-〇高安 ※えんじ色(2022年9月場所12日目)

今日は高安の圧力の強さを、もう1回感じ取れる相撲をご紹介します。
今回の相手は若隆景。今も関脇に君臨し、大関挑戦を伺う実力者です。
始まるとともに、肘を若隆景の顎付近に当てる“カチ上げ”を見せた高安。このまま上体が伸びた若隆景を猛然と押していきます。
そして、そのまま回り込む若隆景を見ていきながら、押していき、圧力がかかりきったところで、叩きこみ。これが決まり高安の勝利です。
若隆景は左手で相手の右腹を押していく“おっつけ”という技を出しながら自らの得意なスタイルに持ち込むのが特徴です。しかし、高安が攻めを休めなかったことで、出す時間がなく、そのまま取組が終わってしまいました。
高安の攻めの気迫が圧力の強さに乗り移った一番でした。

今回紹介した取組はそれぞれの取組を押すことで見ることができます。
今後、相撲をライブで見たい方はABEMAとNHKで見ることができます!

お読みいただきありがとうございました。皆さんの注目&面白かった取組をコメント等でいただけると嬉しいです!
では12日目で会いましょう。

参考文献・動画
ベースボールマガジン社「相撲」1月号
2023年1月19日閲覧
YouTube 日本相撲協会公式チャンネル
「大相撲 若隆景ー髙安 <令和4年九月場所・12日目>SUMO」
2023年1月19日閲覧
NHK 大相撲取組動画
2023年1月19日閲覧


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