相撲と岩手県

今回は岩手県です!

今回は岩手県の相撲の歴史を紐解いていきたいと思います。
岩手県はこれまで11人の幕内力士を輩出しています。前回までの北海道・青森県に比べるとやや少ないような気もしますが、両県に劣らない名力士を輩出しています。

岩手県最初の幕内力士は横綱!

岩手県最初の幕内力士は、宮城山福松。名前だけ聞くと宮城県出身の力士のようにも感じますが、一関市出身の力士です。明治43年デビューで、最高位は横綱。2回の優勝を記録しています。当初は岩手川という四股名で土俵に上がっていましたが、途中で大阪相撲に移籍。そこで横綱まで昇進し、東京・大阪が合併した大日本相撲協会の横綱として君臨します。
ここで「大阪相撲」という言葉が出てきました。これは一体どういう組織なのでしょうか。

大阪相撲とは?

江戸時代、相撲は東京で行われていました。これは寺社などを修繕するための金品を集めるために開催された「勧進相撲」と呼ばれている類の興行で人気がありました。しかし、この相撲を見ていた観客同士がエキサイトし乱闘を起こすこともしばしばありました。この状況を見ていた江戸幕府は勧進相撲を禁止。
これで困ってしまったのが力士たち。幕府に勧進相撲の再開を希望します。と同時に、「辻相撲」という賭け事を目的とした相撲です。これにより治安は悪化。これを見た幕府は「勧進相撲」なら興行OKの許可を出し、復活します。
この流れの中で、大阪では寺社の寄進を基とする「勧進相撲」ではなく、興行として行える「勧進相撲」が許可されました。これにより力士たちが自分たちの力で相撲を開催することができるようになったのです。そして、大阪商人の援助もあり、勢力はますます拡大していくこととなります。
このとき東京と大阪の往来はかなり自由な雰囲気で行われていたのだとか。そして明治期に「大阪相撲協会」を設立。この後宮城山が東京から移籍してくるという流れです。
昭和期になると、東京と大阪の相撲協会が合併。大阪を拠点に相撲をしていた力士たちは東京に行くこととなります。
当時、大阪相撲で4回の優勝を誇っていた宮城山は大阪相撲協会から横綱に推挙されており、合併時にはすでに横綱でした。

…と以上が大阪相撲の簡単な説明でした。調べたのは自分も初めてで、大阪相撲にも様々な出来事があるので、それについてはおいおい深堀りしていこうと思います。

宮城山からの系譜

宮城山は横綱として昭和初期に君臨していくことになりますが、不名誉な記録を持っています。それは、横綱として皆勤しながら負け越したという場所が3回あることです。しかし、力士晩年は一人横綱として奮戦していたことは凄いことではないでしょうか。

平成期には栃乃花が活躍しました。栃乃花は久慈市出身。そして明治大学出身の学生力士で、3年生のときには全国3位になった実績を持っています。そんな栃乃花は新入幕で2つの三賞(場所を通して特に活躍した力士に贈られる表彰)を受賞した力士でもあります。

現役の力士「錦木」

そして現在では、伊勢ノ海部屋の錦木が活躍中。盛岡市出身の力士です。この「錦木」という名は岩手県にゆかりのある名前なのです。
というのも、かつて江戸時代に活躍した大関、錦木塚右エ門が名乗ってから、現在まで7人が襲名しています。つまり現在の錦木は7代目。そして、7人全員が岩手県出身もしくは岩手県に関係のある力士ばかりです。
そんな歴史のある四股名を背負っている錦木。現在32歳ですが、当時の横綱鶴竜から勝利するなど実力は十分。まだまだ幕内で活躍して、栃乃花以来の三役に昇進し、岩手県を代表する力士になっていってほしいです。

岩手県の相撲スポット

さて岩手県の相撲スポットですが、赤ちゃんに関連する相撲行事が二つあります。
一つ目は、毎年10月上旬に開催される「みちのくせんまや赤ちゃん相撲大会」です。一関市にある愛宕神社で開かれる祭りです。
子どもの健やかな成長を願うために開催されている、イベントで笑った方が勝ちという非常にほっこりする行事です。
もう一つは、毎年5月上旬に開催される「毘沙門まつり ~全国泣き相撲大会~」です。花巻市の三熊野神社で開催される祭りです。こちらは赤ちゃんを近づけ、泣いてしまった方が負けという大会です。しかも全国大会のため、どこからでも参加することができます。
「泣き」「笑い」という赤ちゃんの素直な感情と相撲が融合した行事に触れてみてはいかがでしょうか。

岩手県の相撲を深掘りしてみると、相撲の歴史に触れることができました!

参考文献
Wikipedia「宮城山福松」
2023年2月22日閲覧
Wikipedia「大阪相撲」
2023年2月22日閲覧
Wikipedia「常の花寛市」
2023年2月22日閲覧
Wikipedia「栃乃花仁」
2023年2月22日閲覧
Wikipedia「錦木徹也」
2023年2月22日閲覧
Wikipedia「錦木」
2023年2月22日閲覧
おすもうさん「よくわかる大阪相撲~その① 歴史編~」
2023年2月22日閲覧
岩手県観光ポータルサイトいわての旅
「みちのくせんまや赤ちゃん相撲大会」
2023年2月22日閲覧
岩手県観光ポータルサイトいわての旅
「毘沙門まつり ~全国泣き相撲大会~」
2023年2月22日閲覧
一般社団法人花巻観光協会 イートハーブの一番星をめぐる花巻の旅
「毘沙門まつり・全国泣き相撲大会」
2023年2月22日閲覧
亰須利敏・水野尚文 令和五年版大相撲力士名鑑
2023年2月22日閲覧
ベースボールマガジン社 相撲観戦入門2023
2023年2月22日閲覧
ベースボールマガジン社 令和五年大相撲力士名鑑 
2023年2月22日閲覧


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