2023年大相撲初場所 3日目 観戦日記

はじめに

この記事は、私がどっぷりハマってしまった相撲沼に読者の皆さんを呼び込むために、ぜひ伝えたい取組を紹介していきたいと思います。
自分が相撲の面白いと感じたポイント、力・技の面白い取組と、個人的な注目をしている取組、そして私の押し力士高安の「今日の高安」を書いていきたいと思います。

おすもうさんは力持ち。昔からそんなイメージがあるが、いざ本番でその力が思いっきり見ることがないという人は多いのではないでしょうか。
そこで、3日目「うおー、すごいパワーだ」と感じた取組をご紹介したいと思います。
力士は画面通りの表示で書いています。

1.●熱海富士(1勝2敗)※赤色-〇東白龍(2勝1敗)※緑色
こちらは十両の取組となります。静岡県出身、20歳超若手の熱海富士と、東京都出身26歳の東白龍。熱海富士は廻しを取りながら相撲を取るタイプ。それに対して東白龍は、押し相撲。どちらが自分のペースに持ち込むことができるかが重要となりそうです。
さあ、始まるとともに、東白龍が熱海富士の首付近に手を当てながら、猛然と突っ張っていきます。これによって、熱海富士は顔が上を向いてしまい、体も起こされてしまい、力を出すことができず、むしろ東白龍の圧力をモロに食らってしまいます。
そのまま攻め切った東白龍。ちなみに両者の体重差は45kgと、昨日の熱海富士-炎鵬ほどではありませんが、かなり体重差があります。しかし、押しのテクニックがあれば、重たい相手でも押し出すことができる。力士は力が凄いということが見てわかる一番ではないでしょうか。

2.●王鵬(3敗)※黄土色-〇宇良(2勝1敗)※ピンク色

バレンタインデー生まれの王鵬と、昨日も登場、多彩な技で相手を翻弄する宇良の対戦。この取組でも、宇良の作戦が輝くこととなります。
始まるとともに、少し潜り、王鵬の懐に入ろうとします。2人の身長差は14cm。宇良から見ると、王鵬はかなり大きい相手であるとともに、懐に飛び込みやすい相手とも言えるのではないでしょうか。
そして、懐に入った宇良を嫌がる王鵬は、そのまま土俵に宇良を着かせようと叩いてしまいます。しかし、その叩きがまとも過ぎたため、宇良をさらに自分の懐に入れてしまう結果に。そして、そのまま一気に押し出されてしまいます。作戦勝ちではあるのですが、この作戦は宇良の押しがあってこそ活きるものだと考えます。
押す力だけで相手を吹っ飛ばすことができる。今日はそんな2番を力部門でご紹介させていただきました。

相撲を見ていると、必ず決まり手というのが存在します。勝負を決めた技の事ですが、それ以外にも技が必要となるポイントがたくさんあります。どうやって相手を倒すか。お互いの攻防を見守り、エキサイトする技の世界に触れてみませんか?
そこで、3日目「うおー、これは凄い!」と感じた取組をご紹介したいと思います。

1. ●大奄美(2勝1敗)※紫色-〇武将山(2勝1敗)※カーキ色
これも十両の取組です。
鹿児島県出身30歳の大奄美と、茨城県出身27歳の武将山の対戦。2人とも似た体型ではありますが、相撲スタイルは全く違います。大奄美は廻しを取るのに対し、武将山は押し相撲です。
この取組を技部門で紹介した理由は、計算された武将山の押し相撲が素晴らしいからです。武将山は、当たってから、大奄美の首元を押し、上体を起こすことに成功します。そして、体が起きたことで、脇を押すことが簡単になり、両手で両脇を押していきます。そうすることで、大奄美はどんどん体を起こされてしまい、武将山の圧力をそのまま受け取ってしまいます。そして、そのまま土俵の外へと押し出される形となってしまいます。
前傾姿勢で当たってくる相手に、どうしたら圧力をかけることができるのか。そのために相手の状態を起こし、押す的を大きくする。このデザインされた押し相撲が、非常に技を感じたため、挙げさせていただきました。

2.○霧馬山(2勝1敗)※黒色-●若元春(3敗)※黒色
趣味はバスケットボールの26歳、霧馬山と、趣味はプロレス観戦の29歳、若元春の対戦。
この取組は両者ともに廻しを取り相撲することも、押し相撲をすることもできるという器用な力士同士の対戦です。
この取組のキーワードはタイミングです。始まるとともに、若元春の首元めがけて、ガンガン押していく霧馬山。それに対して、顔が上がってしまい、体も起こされた状態となっている若元春という構図が一瞬にして出来上がってしまいます。そして、土俵際まであっという間に追い詰めた霧馬山。若元春に圧力が伝わりきったその瞬間に、自らの体を引きながら叩きます。すると途中までは付いていけた若元春ですが、こらえきれずに手をついてしまいました。
自分の体を残す余裕が十分にある&相手に圧力が十分に伝わっている。この二つの条件があったからこそ、この叩きは決まったと私は考えます。逆に、中途半端な状態で叩いてしまうと、上記の王鵬-宇良戦同様、相手にチャンスを与えることになりかねない。このタイミングを見極めることも重要な技となってくるのです。

土俵際

相撲を見ていると、土俵際が面白い!と認識する瞬間が何回もあります。土俵際というのは、「この線を超えると負けですよ」というラインぎりぎりの部分。土俵は俵で円状に作られているため、少し盛り上がっているのです。
だからこそ足をかけて踏ん張ることができる。そして、攻めている側は「あと一押し」守る側は「何とか持ちこたえて、反撃する」という勝負のせめぎあいともなるので、必死さがビンビン伝わってきます。
そこで、3日目「うおー、これは面白い!」と感じた取組をご紹介したいと思います。

1.〇琴勝峰(3勝)※青色-●剣翔(2勝1敗)※銀色
千葉県出身、23歳の琴勝峰と東京都出身、31歳の剣翔の取組。
押すことも廻しを取って相撲することもできるホープ琴勝峰と、重さを活かし、廻しを取りながら相撲を取る剣翔の対戦。
始まるとともに、剣翔が左手を琴勝峰の左脇に入れ、その勢いのまま攻め立てていきます。そして、土俵際まで追い詰め、押しだそうとしたその時、琴勝峰の叩きに落ちてしまいました。どちらの勝利か、土俵下の審判の協議までもつれ込みましたが、判定は琴勝峰の勝ち。リプレイを見てみると、お互い、相手の足と手に視線を向けています。このように、勝負への執念が感じられる瞬間が土俵際には存在しているのです。力士の熱さを感じることも楽しさの1つではないかと思います。

2. ●隆の勝(1勝2敗)※赤色-〇碧山(3勝)※緑色
お互い、趣味が映画鑑賞というインドア派な二人の対戦。
隆の勝が得意の押しで、碧山を押していきます。すると、碧山は一度隆の勝を叩いてしまいます。そこに乗じて、隆の勝は懐に入りながら、さらに碧山を土俵際まで追い込みます。ここで碧山は横にズレながら、もう1度叩きます。この横にズレる動きに対応することができずに、隆の勝はバッタリと土俵に着いてしまいました。
土俵の丸さを上手く活用している相撲だと思います。何十回何百回とこの場所で相撲を取っているため、横にズレることは体が自然に反応したのかもしれません。日ごろの鍛錬があったからこその、横への動きと土俵際での逆転劇ではないでしょうか。

注目

力士は皆、一つ上の地位を目指しながら、相撲を取っています。逆に落ちてしまうと全く別の世界に暮らすことも。(汚い話ですがお給料も変わってきます)そんな昇進・降格がかかる取組や、同学年・ライバル関係といった取組を紹介したいと思います。

1. ●御嶽海(2勝1敗)※赤紫色-〇豊昇龍(3勝)※オレンジ色
大関挑戦を現在進行形で行っている豊昇龍。今日も勝って、白星を積み上げることができるのか。今日の相手は、元大関で、3回の優勝経験がある実力者御嶽海です。
始まりは、お互い五分五分といったところ。しかし、豊昇龍は左手で御嶽海の前方の廻しを取ったところから勝負が動き始めます。前の方の廻しを取られたことに嫌がった御嶽海が何とか振りほどこうとしますが、かえって窮屈な体勢となってしまい、力を十分に出すことができません。そして、そのままの状態で土俵外へと出されてしまいました。
豊昇龍は素早く廻しを取ることができたことによって、勝負を決めることができました。これで3連勝。幸先いいスタートとなっています。

2. ●琴ノ若(3敗)※青色-〇正代(1勝2敗)※黒色
正代は、この場所2桁勝つことができれば、大関に復帰することができます。しかし、この時点で2敗。あと3回しか負けることができません。そろそろ白星が欲しいところ。今日の相手は、同じく連敗スタートとなっている琴ノ若です。
始まるとともに、琴ノ若は自分の良い体勢に持ち込もうとします。しかし、それを許さずに、先手先手で正代が動いていった結果、圧力が琴ノ若の方にどんどん伝わっていき、押し出しました。なりふり構わず、ひたすらに圧力をかけていった正代。何か吹っ切れたようにも感じられました。そして、新年初白星。これから波に乗っていけるか、さらに注目です。

3.●大栄翔(2勝1敗)※赤色-〇貴景勝(2勝1敗)※黒色
昨日、初黒星を喫してしまった貴景勝。このままズルズルと負けるわけにはいきません。しかも、今日の相手は同じ押し相撲の大栄翔。自分の得意なスタイルでどちらが勝利をつかむことができるのか。
始まりから、お互いに自慢の押しを相手に見舞っていきます。しばらく土俵の真ん中で一進一退の押し合いが繰り広げられます。
そして、大栄翔が前に出たところを土俵際、足を掛けながら貴景勝は右にズレていきます。勢い余った大栄翔はそのまま土俵の外に出てしまいました。
これで貴景勝は2勝目。連敗を避け、このまま連勝モードへと走ることはできるのでしょうか。

今日の高安

高安晃。32歳。最高位は上から2番目の地位の大関。中学卒業後相撲の世界に入り、17年もお相撲さんとして活躍する実力者です。
なぜ好きなのか。優勝しそうでなかなか優勝しないもどかしさが応援したくなってしまうのです。話は尽きないのでここらへんで。
とにかく高安の取組を見守りたい一心でこのコーナーを行います。

●高安(3敗)※えんじ色-〇玉鷲(3勝)※青色
今日の相手は、鉄人玉鷲。始まるとともに、お互いに押し合い、高安も土俵際まで追い詰めます。しかし、玉鷲も押し返し、のど元を押していきます。これをモロに食らい、体が伸び切ってしまった高安。そのまま、玉鷲の圧力に屈し、土俵の外に押し出されました。これで3連敗。されどまだ3日目。まだまだこれから!!

今回紹介した取組はそれぞれの取組を押すことで見ることができます。
今後、相撲をライブで見たい方はABEMAとNHKで見ることができます!

お読みいただきありがとうございました。皆さんの注目&面白かった取組をコメント等でいただけると嬉しいです!
では4日目で会いましょう。

参考文献
ベースボールマガジン社「相撲」1月号
2023年1月11日閲覧

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