2023年大相撲初場所 12日目 観戦日記

はじめに

この記事は、私がどっぷりハマってしまった相撲沼に読者の皆さんを呼び込むために、ぜひ伝えたい取組を紹介していきたいと思います。
自分が相撲の面白いと感じたポイント、土俵際の面白い取組と、個人的な注目をしている取組、そして私の押し力士高安の「今日の高安」を書いていきたいと思います。

相撲を見ていると、必ず決まり手というのが存在します。勝負を決めた技の事ですが、それ以外にも技が必要となるポイントがたくさんあります。どうやって相手を倒すか。お互いの攻防を見守り、エキサイトする技の世界に触れてみませんか?
そこで、12日目「うおー、これは凄い!」と感じた取組をご紹介したいと思います。

1.●魁勝(3勝9敗)※緑色-〇栃武蔵(4勝8敗)※紫色

右を差し、左で廻しを取ることができればかなりの力を発揮することができる魁勝と、最初の立ち上がりのパワーが強い栃武蔵の取組です。
今回注目して欲しいのは、栃武蔵の最後の攻撃です。
始まるとともに、栃武蔵は右手で魁勝の左手を手繰ります。そして、右の廻しを取ることに成功します。
その勢いのまま、栃武蔵は投げを打ち、魁勝の体勢を崩しにかかります。このとき、栃武蔵の左足に注目してください。左足を魁勝の右足に引っ掛け、足元を脅かしています。この結果、上からも下からも攻められる形となった魁勝は、体勢を保つことが難しくなり、そのまま土俵外に出されました。
体全体を、余すところなく駆使し、攻め抜いた栃武蔵の技術が光った一番でした。

2.〇照強(4勝8敗)※黒色-●大奄美(3勝9敗)※黒色

平成29年1月場所で、同時に十両に昇進した二人の対決。廻しを取ってからの投げを得意とする照強と、右を差し、左で廻しを取って寄り立てる相撲スタイルの大奄美。
どちらの特色が出るのでしょうか。
照強の潜りを警戒して、見ながら立ち上がった大奄美。そのまま一気に土俵際まで押していきます。照強は上手く土俵を使って回り込んでいきます。と同時に、大奄美が押した左手をつかんで、手繰っていきます。そして、体が泳いだ状態を逃さず、右手で廻しをつかみます。間髪入れずに投げを打ち、勝負あり。照強のフットワークの軽さ、状況の打開力が生きた一番でした。

注目

力士は皆、一つ上の地位を目指しながら、相撲を取っています。逆に落ちてしまうと全く別の世界に暮らすことも。(汚い話ですがお給料も変わってきます)そんな昇進・降格がかかる取組や、同学年・ライバル関係といった取組を紹介したいと思います。

1.〇阿武咲(10勝2敗)※赤色-●玉鷲(8勝4敗)※青色

前日2敗同士の戦いに勝利し、1敗の貴景勝が負けたことによって、優勝争いの先頭に追い付いた阿武咲。このまま、貴景勝との戦いまで並走することができるのでしょうか。
今日の相手は玉鷲。押し相撲同士の戦いとなりますが、どちらが戦況を握るのでしょうか。
前半から阿武咲のペースとなります。一気に玉鷲を土俵際まで追い詰めます。しかし、玉鷲も何とか残し、土俵の真ん中まで押し返していきます。
しかし、阿武咲は休みません。土俵の真ん中まで押し返した玉鷲が引いたところを見逃さずに、阿武咲がついていきながら、押していき勝負あり。
阿武咲は2敗キープで、残り3日となりました。

2. 〇霧馬山(8勝4敗)※黒色-●貴景勝(9勝3敗)※黒色

昨日、高校の後輩琴ノ若に負けてしまい、阿武咲と星数が並んでしまった貴景勝。優勝をするためには絶対に連敗を避けたいところ。
今日の相手は、霧馬山。組んでよし・押してよしの器用な力士です。
始まるとともに、貴景勝は自らの得意ジャンルの押し相撲を展開していきます。しかし、その押しについていく霧馬山。貴景勝の押しの圧力に我慢できず、引いた霧馬山。そして引いたとともに、利き手である左を差すことができた霧馬山は、そのまま間髪入れずに投げを打ちます。
これが決まり、勝負あり。貴景勝は痛恨の連敗を喫してしまい3敗に後退。阿武咲と並んでいた優勝争いの先頭を明け渡すこととなりました。

番外編

〇東白龍(8勝4敗)-●千代丸(3勝9敗)

この取組は珍しいことが起きたので、ご紹介させていただきます。
十両の東白龍と幕内の千代丸の対戦。東白龍はあと1勝で勝ち越し(番付が上がること)となり、念願の幕内昇進が現実味を帯びてきます。
始まるとともに、思いっきり前に出ていく東白龍。しかし、千代丸がサッと体を引き、バッタリと土俵に付いてしまいました。
千代丸の勝ちと思われましたが、ここで土俵下にいる審判から物言い(野球のリクエストのようなもの)が付きました。
よく見てみると、千代丸の手が東白龍のちょんまげに引っかかっているように見えます。ちょんまげを指でつかむことは反則技になってしまうのです。協議が終わり、千代丸の反則負けとなり、東白龍は勝ち越しとなりました。

今日の高安 番外編 高安って凄いんだぞ!

高安晃。32歳。最高位は上から2番目の地位の大関。中学卒業後相撲の世界に入り、17年もお相撲さんとして活躍する実力者です。
なぜ好きなのか。優勝しそうでなかなか優勝しないもどかしさが応援したくなってしまうのです。話は尽きないのでここらへんで。
とにかく高安の取組を見守りたい一心でこのコーナーを行います。本日からは、高安の魅力や印象的な取組を紹介していきます。

〇高安 ※えんじ色-●若元春 ※黒色 (2022年3月場所8日目)

昨日は押しの力をご紹介しました。今日は組んでも強いということ紹介します。
今日の相手は若元春。昨日紹介した若隆景のお兄さんにあたります。若元春は左手を差し、右手で廻しをつかむとかなりの力を発揮します。
始まるとともに、組み合った両者。若元春は左を差すことに成功しました。一方高安も左が利き手。その左を差すことに成功し、がっぷり組み合う形となります。
ここからは両者右の廻しを与えないようにしながら、攻撃のタイミングを計る時間になります。そして高安が仕掛け、寄り立てたところで、右の廻しを取ることに成功します。そのまま休まずに投げを打ち、勝負あり。
高安の勝負勘と、組んでも力が発揮できることが分かる取組でした。

今回紹介した取組はそれぞれの取組を押すことで見ることができます。
今後、相撲をライブで見たい方はABEMAとNHKで見ることができます!

お読みいただきありがとうございました。皆さんの注目&面白かった取組をコメント等でいただけると嬉しいです!
では13日目で会いましょう。

参考文献・動画
ベースボールマガジン社「相撲」1月号
2023年1月20日閲覧
YouTube 日本相撲協会公式チャンネル
大相撲 髙安ー若元春「単独トップ‼」<令和4年三月場所・八日目>SUMO
2023年1月20日閲覧
NHK 大相撲取組動画
2023年1月20日閲覧

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