「面白い」と「おもしろい」

さて、マイナーチェンジしたこの交換日記。ごとごとの前回の記事を読んでいたが、いかにも彼らしい。彼の楽しいと思うポイント・楽しさ=生きがいに近いなどといった考えは、普段彼と接しているときからも感じる。自分の思う楽しさ・ワクワクするところに向かう感覚を思い出す。それゆえに、楽しさ以外のポイントになると引き込むのが難しい。ゴルフのときがそうだ。相撲でちょっと味を占めた私がゴルフに誘ったものの、あの日以降全くと言っていいほど行っていない。
それが彼らしさであり、羨ましいと感じるときもある。

楽しいってなんだ?

さて、そんな彼の文章を読みながら、ふと考えた。「楽しい」って何だろうか。恐らくワクワクすることなのだろう。試しにネットで調べてみると

たのし・い【楽しい】
読み方:たのしい
[形][文]たの・し[シク]
1 満ち足りていて、愉快な気持ちである。「毎日を―・く過ごす」「テンポのよい―・い曲」「―・いピクニック」
2 富裕である。金持ちである。
「堀川相国は、美男の―・しき人にて」〈徒然・九九〉
3 作物の出来が豊かである。
「この年頃は、いとこそ―・しけれ」〈大鏡・道長上〉
[派生] たのしがる[動ラ五]たのしげ[形動]たのしさ[名]たのしみ[名]

デジタル大辞泉(小学館)※Weblio辞書より

なるほど。ワクワクすることと私がイメージしたのは、この辞書の1番に該当する。愉快な気持ち。これに関しては、何度も経験してきた。例えばこの前友人といったスノボ。何度も尻を打ち、頭を打ち、「なぜこんなに痛い思いをしに来たのだろう」と後悔しかけた。しかし、友人の手助けなどもあり、なんとか滑りきることができた頃には楽しさであふれていた。まさに、滑るというスキルが満ちてきて、愉快な気持ちになったのだろう。それが楽しいにつながる。(友人ありがとう)
他の趣味に関してもそうだ。ラジオ・テレビ・相撲・野球・読書どれをとっても見ているときは愉快な気持ちだ。うん。楽しい。

苦手なこと。

ところで、私にはコンプレックスがある。それは「おもしろい」は分かるし、考えられるが、「面白い」は分かるが、考えられないことだ。英語にすると後者は「interesting」に近い感覚だ。(前者は思いつかなかった)後者をいざ自分が考えてみると、全く思い浮かばない。
なんでだろう?かつて私とごとごとが出会うきっかけにもなったゼミはまさに「面白い」を考えることが必要とされていた(ように思う)。入るとともに、「面白い」を徹底的に考え、発表し、試行錯誤し、形にするという流れを行っていた。この作業は我々のゼミには絶対的に必要なもので、これがあったからこそ学んだこともたくさんある。決してゼミを、そして誰に対しても批判する気持ちはないことだけ分かって欲しい。
この作業の中で、ゼミ生同士の話し合いが何度もあった。そしてその度に、「面白い」を議論するが、全く浮かんでこない。浮かんだとしても既に出ているか、模倣したようなものになる。だからこそ意見できない。一方、ほかのゼミ生はいろんなことをアイデア出しして、議論を活発化させていた。このギャップに辛さを感じて、入って1ヶ月も経たないうちに辞めようと思った。「面白い」がなかなか出せないし、出してもさほど「面白く」ない。
かといって、辞めてどうするか?みたいなことも何にも決まっていなかったため、1年目は続けた。存在感は薄かったと自覚する。
2年目に入るにあたり、このままでは自分の居場所はないと感じたため、「面白さ」を考えることを辞め、「量」で居場所を作ろうと思った。「面白さ」という質ではなく、それを出してもらうための雰囲気作りや、下調べなど、自分にできる「量」をとにかくやった。(これ以上は脱線するので、別の機会に書こうと思う)
言い方は悪いが、「面白さ」を考えることから逃げたのだ。と同時に、「面白さ」というものを見失った。正直、苦手なものになった。だからこそ、「面白さ」を考えられる人は尊敬するし、羨ましい。

今後どうする?

「面白さ」を考えていくことは、これから生きていくうえで必要だ。そのためにもう一度見つけなければならない。これは自分に設定された課題。そして長く付き合うことになる課題だ。もう一回とりあえず考えてみよう。
今のところ、自分がワクワクすることは「おもしろい」の方だ。自分の中で、頭で考えずとも興奮するもの。それが「おもしろい」。この「おもしろい」に関連することなら、ずっと考えることができる。ごとごとと行った相撲だって、脊髄反射で話しているようなものだ。
「面白い」と「おもしろい」にはかなりの壁が立っている。自分の中では、頭で何とか考えてひねり出すものと、脊髄反射ですぐにさらさらと出てくるものという違い。この壁を取り除くことができたら、上記の課題も解決できるのかな。そんなことを考えてみた。

参考文献
Weblio辞書 「楽しい
2023年1月28日閲覧


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?