2022年改正は徳島地区のキハ40系列的には当たり年だった。なぜか運用が増え、撮る側としては非常に撮りがいのあるダイヤになったという。そう聞いてしまうと指を咥えて見ているだけでは気が済まない。ついでに言えば徳島にはキハ185系も残っている。フライトの手配を始めるのはもはや自明の理であった。

最終便で関空に飛び、レンタカーを飛ばして深夜2時前には徳島県内に着いた。狙うは小島駅の桜……のつもりだったが、予想通り桜の見頃は前週のようで、すでに葉桜となっていた。さらに言えば、今回登った俯瞰も足元の木々の成長により駅を見下ろすことは困難。貞光方のアプローチが切り位置だった。桜は無理でも、好天には恵まれて吉野川を見下ろす景色は最高。4連の剣山2号と1000系2連、さらに剣山1号をケツ撃ち。上々のスタートとなった。

小島からは眉山へと猛ダッシュ。上り途中にある徳島線の抜けで剣山3号を狙うも、2年前はあった抜けが木々の成長でほぼ撮れないレベルになっていた。アングル消滅である。気持ちを切り替えて展望台に向かい、今度は3年前の再履修となる牟岐線のキハを狙う。逆光も相まって抜けは微妙なものの、現像効果で少しごまかしてみた。最後はロケハンがてら「ガゼボ」という休憩所近くから高徳線の線路を覗いた。幸い撮影は可能。ちょうど特急うずしおが来たので一応撮っておいた。

ロケハンをしてから、急いで徳島線に戻った。目指すお立ち台は阿波川島駅から近い上桜城址。昼の剣山5号と6号はこの阿波川島駅で離合する。猛ダッシュでカメラを構えるも、すでにどちらも駅に到着していた。残念。西浅植側も学側も抜けがあるので、どちらもケツ撃ちで一応頂戴する。大して興味はないが、剣山5号はアンパンマン列車が併結されていた。

昼飯を食い、午後は鳴門線側へと向かった。高速の裏手にある山に取り付くと、足元には鳴門線、遠く目を凝らすと高徳線の池谷ストレートが画角に収まった。今回の改正で午後3時以降の鳴門線はほとんどがキハ40系列の運用になっている。上下あるので、2時間待てば4本撮れる計算だ。夕方の低い光線を待ちつつ画角を変え、鳴門線側で2ショット、高徳線側でも2ショットゲット。なかなかの抜けの悪さ。春は厳しい季節である。

まもなく日暮れという時間。向かったのは午前中ロケハンした眉山のガゼボ。西陽を浴びて走るキハが撮れるのではないかという算段である。相変わらずの抜けの悪さに悩まされながら鳴門線直通のキハを撮り、さらに引田行のキハは3連運用ということでこれもしっかり狙う。3連になると目立って良いね。

この日のラストは徳島駅近くの歩道橋から。非電化地平ホームの県庁所在地駅はどこか懐かしい雰囲気が感じられる。切り裂きホームの1番線には、最終の剣山11号が発車を待っていた。3番線に列車が到着し、ほどなく剣山のヘッドライトが光る。軽快なエンジン音とともに、ディーゼルの香りが歩道橋を包んだ。