見出し画像

平成最初で最後のヨーロッパひとり旅行記②一日目、欧州の地を踏む。

12/11~20の間、ヨーロッパ(ドイツ・フランス・スペイン)へ行ってきました。その旅行記②です。
もしよければ①から御覧ください。

午前6時、フランクフルト空港に到着しました。
飛行機でぐったり疲れていたのにスイッチがオンになったようで、入国審査のときにはシャキッとしているわたし。
審査官、わたしの前の人には笑顔で話していたのにわたしのときは能面のようで少し怖かったです。バゲージもロストするなく、一安心。

ひとまず、チェックインはできないけれどスーツケースを預けるためにホテルへ向かうべく地下鉄へ。
ドイツ語は全然わからないのでinformationカウンターで英語で乗り方を伺うと、1番線にやってきたやつに乗ればいいとのこと。
「きっぷは買ってないけどいいのかな?」と思いつつよくわからないので言われたままにする。

ちょうど8時前だったので出勤ラッシュの時間帯だったようですが、東京でいう11時頃の混み具合で全く不快感はないなあとぽやんとしてれば終点が目的のフランクフルト中央駅でした。

ヨーロッパのターミナル駅はほぼそうみたいですが、駅の造りが日本とは違っていました。
ハリーポッターに出てくる駅か、阪急の梅田駅を想像してもらえばわかると思うんですが、全路線の終着みたいな作り方になってます。
たったそれだけのことにソワソワし、駅構内にあるパン屋さんやケバブ屋さんが掲げているネオンサインにもドキドキして、そこで初めて異国の地に降りた感覚がありました。
きっぷがなくても、改札もないもんだからあっけなく駅の外に出ることができちゃって不思議な気分でした。
(知らず知らずのうちにキセルをしてしまったよう、すみません。)

今回の旅行では航空券・ホテル・長距離移動列車乗車券は旅行会社に手配をお願いしていましたのですが、担当の方がとても良い方で駅チカのホテルを抑えておいてくださいました。
入ってロビーをくるりと見るとわたし以外にも外国人らしい顔がいっぱい。でもアジア人は中国か韓国の人っぽい。どきまぎ狼狽えていると、レセプションの女性が笑顔で
「ヘロー、マダム!」
と声をかけてくれて、どれだけほっとしたことか。
きっとわたし以外にも、あの女性に救われた外国人はいるだろうなあ。あの人はまさに、ホテルの顔、であった。

スーツケースを預けて、外へ。
朝ごはんを食べることにしました。ぱぱっとgoogle mapを開いて、近くの評価の高いカフェへ行きました。
ショーケースには美味しそうなプレッツェルとかドーナッツとかがいっぱい。悩みに悩んで、何が間に挟まっているのかプレートを読んでも唯一全くわからなかった(ほかは何とかサーモンかな?とか推測できた)サンドイッチとコーヒーをいただくことに。

カードで決済でPINコードを入力。
すると、エラー。
もう一度入力してもエラー。
おかしい、メインカードなのでいつも使っており番号は間違っているはずがない。

あと一度失敗すると止まってしまう…?
この旅行カード決済で過ごすつもりで現金は3万円分しか持ってきていないのに…?
と不安が一気に押し寄せてきました。

3度めの入力。エラー。

仕方ないので現金で支払いました。
サンドイッチを頬張りながら、こういうエラー時の対処方法を必死で検索するも、同じようなケースは見つかりません。


するとですね、面白いんですけど、サンドイッチ2切れのうちひとつを食べ終わった頃かな?気づいたんです。

あれ?あんまりわたし焦ってない。
なんならちょっと楽しんでるし、
「死ぬわけじゃないし、いけるっしょ!」
という気分になっていました。

最初は味がしなかったサンドイッチの中身が焼いたナスとパプリカだってことが認識できて、コーヒーは味が薄くお湯っぽいことも認識できて、「あー」って一息。(笑)
お店を出て、川沿いを歩いて駅の方向へ戻ることにしました。

川は本当に気持ちが良かった。

もちろん木々には葉もなくさみしい並木道だったけれど、ちょっと冷たい風がそこを静かに駆けていく。
わたしの背中の方からやってきて、追い抜かされる。
その流れに目線を添わせて遠くの方を見てみると、形の違う橋がいくつか掛かっていたり、教会らしき建物の頭を見つけたり。

たしかに、自分の目でこの景色を見ているはずなのに、自分がその川べりを本当に歩いているのかと疑わしい。
まるで目の中に精密なスクリーンが入っていて、そこに映された景色を見ているだけなんじゃないかと思えてくる。

慌てて自分の足元を見て、地団駄を踏んでみて、たしかに足の裏から足首、膝、太ももと振動が伝わってきて、自分がここにいることを確認して。
本当に気持ちが良かった。

ふと京都の鴨川のことを思い出しました。
学生時分、京都に住んでいた時も川べりを歩いたり、水面を眺めたりするのが大好きで、わたし川が好きなんだなあって。
そういえば海も好きだ。鎌倉に遊びに行ったときは、特に理由はないけれど海まで出てしまう。押し寄せる波や、どのくらい遠くにあるのかわからない水平線を見たい。

すがすがしかった。

そんなこんなで駅まであっという間に到着。
この日はですね、ドイツに留学している友だちに連絡してあって、午後にニュルンベルクで落ち合うことになっておりました。

ニュルンベルクは友人が住んでいるところから電車で1時間程度、わたしが居たフランクフルトから2時間程度の都市で、何よりクリスマスマーケットが有名なところです。(日本で言うところの、夏祭り…祇園祭…京都!みたいなもんなのかな?)

で、列車の特急券を買わねばいけません。
informationのお兄さんになんとか行き先と時間を伝えて、いざ精算。おそるおそる例のカードを出してみました。
そしたら、カードは止まっておらずPINコードを求められました!

「もしやこれは」と思い、先程と同じPINを入力すると、しばらくしてレシートが出てきました!!
買えました!!
あのカードが使えたのです!!!

きっぷを買えて異様に喜んでいる日本人は奇怪だったでしょうに、お兄さんは笑顔で「Enjoy it!」と送り出してくれました。

ニュルンベルク!無事に友人と合流!
大学のときの友人で、それこそ卒業以来でした。とても仲が良かった、というわけでもないので知らなかったのですが、現地の大学院に(交換留学とかではなくて)進学していました。
わたしにはできない選択どころか発想もなくて、「日本の機関を介さずに大学院に進むなんて、すごい」というよりも「そういう進路を思い描けたことが、羨ましい」と思えました。

ニュルンベルクのクリスマスマーケットはまだ夕方(15時とか16時とか)だというのにしっかり賑わっていました。
クリスマスツリーのオーナメントを売るショップ、革製品を売るショップ、、、。
もちろん飲食店もたくさん出ていて、有名なグリューワインやソーセージに始まり、クッキー?みたいなやつとか、キャラメリゼナッツ。

友人のおすすめでたべた、りんごに衣をつけてあげた?焼いた?ものにシナモンシュガーをふったおやつがアツアツとりんごの甘味ですごーく美味しかった。

わたしは最近お酒を控えていたのですが、友人が買ったグリューワインも一口もらいました。
温めた赤ワインにラムを混ぜフライパンに移し、火で炙ってラムのアルコール分だけ飛ばして香りを残した飲み物で、とてもいい気分でした。

(グリューワインのお店、左側のお兄さんがラムを飛ばしている)

マーケットの中心から少し離れた、ちいさなお城みたいな場所のてっぺんまで案内してもらってまちを見下ろすこともできました。マーケットの賑わいはまち全体をほわっと包んでいるようでした。

実は、マーケットのこまかいことはあまり覚えていません。
友人と多岐にわたってたくさんおしゃべりしました。

彼女の学びたいことについて。
わたしのやりたいことと労働の兼ね合いについて。
そもそも生きること、それと経済的な安定や自己実現のバランスについて。
などなど。

数年ぶりにあってもこういう話をしてくれる友人がいることは、わたしの財産だなあと思いながら、まちを眺めたのでした。

知らないまち、しかもドイツ、ですから早めに宿に戻るつもりでしたが結局22時頃のチェックインになりました。
すぐにシャワーを浴びてベットになだれ込むようにして眠りにつきました。

いつも睡眠導入剤がないと寝られないのに、その日は朝までぐっすり、本当にぐっすりでした。

つづく。(まだ1日め…)

この度は読んでくださって、ありがとうございます。 わたしの言葉がどこかにいるあなたへと届いていること、嬉しく思います。