見出し画像

【情報商材の限界】マコなり社長はなぜ「最も説得力のある情報商材」を売らないのか

今、SNSやYoutubeで絶賛炎上中の起業家・ビジネスユーチューバー、マコなり社長こと真子就有氏。

ビジネス系ユーチューバーとしてトップを走る存在であると同時に、社員数600人を抱える気鋭のベンチャー企業のトップでもありマコなり社長は今、新サービス「UNCOMMON」のリリースを発端とし賛否両論の炎上のど真ん中にいる。

今回の炎上そのものを叩くことについては有識者や他人を叩いて自分の名を挙げようとしている自称正義のユーチューバーにでも任せておくとして、泡沫界隈ウォッチャーの筆者としては炎上周辺の各プレーヤーのポジションについて改めて整理すると同時に、「情報商材」というものの本質や限界について考察していく。

なお、筆者はマコなり社長本人に対してそれほど批判的なスタンスは持ってはいないものの、今回のUNCOMMONのリリース自体やその後の対応が決して適切であったとは言い難いというスタンスのもと、今回のnote執筆を行う。


炎上の論点の整理

画像1

まずは、今回の一連の炎上している論点の中で、今回のnoteに関連する話題だけを取り上げていく。

1.マコなり社長がdiv社としてリリースした新サービス「UNCOMMON」は税込17万円を超える相対的に高額な「情報商材」か?
2.新サービスの品質については期待の声もあるが疑問視する声も大きい
3.主力事業の「テックキャンプ」についても、品質を疑問視する声が多く挙がっている
4.官報よりdivの赤字や負債のことが明るみになった
5.divの元社員、現役社員からの内部告発もあり、divの内情について批判的な声が挙がっている

※マコなり社長が法的措置を示唆している点については今回のテーマとは関連性が薄いので外させていただく。


【論点1】UNCCOMONが「相対的に」高額な「情報商材」である点

まず、マコなり社長は否定しているが、ここについては正しい認識を持ったうえで現実を受け入れてほしい。

UNCCOMONは情報商材だ。

そして必ずしも「情報商材=悪」ではないことも付け加えておこう。

情報商材というのは、その名の通り「情報に価格をつけて販売している商品」のことだ。

「何もしなくても毎日○万円」といった詐欺じみた案件から、今回のような教育系のコンテンツまで、情報、知識、経験といったものに値段をつけて販売するのであればそれは情報商材だ。

モノに溢れるこの世の中において、大切なのは「情報」や「経験」だろう。そういったものを正しい顧客に対し、適正な価格で販売する情報商材ビジネスが批判されるいわれはない

ただ、問題はこの「適正な価格」の定義が、こと情報商材においては極めて困難な点にある。

この点についてはこちらのnoteでもまとめているのでお時間があればご高覧いただきたい。

それゆえ、詐欺まがいの事業者は中身のない情報商材をとにかく高額で売ろうとするし、情報商材に嫌悪感を持つ人々は、情報に値段がついて売られていることそのものを批判する。

UNCOMMONの価格の妥当性についても評価が難しいところであるが

・一か月間の短期教育のプログラムとしては高額
・ただし、本当に「一流のビジネスパーソン」になれるなら十分価値がある

といったところだろう。

この点については重要な論点が残っているので後述するが「UNCOMMONは『情報商材』であり、1か月のプログラムに対して世間一般の基準に照らし合わせると『高額』という評価もやむなし」という評価のもとに話を進める。


【論点2】新サービスの品質に関する評価

UNCOMMONの評価そのものだが現状「リリースされたばかりで、実績がないので判断が難しい」としか言えない。

今回のサービスについてdiv社公式の「満足度4.86/5」「周りに勧めたい94%」というデータしか出ておらず、口コミは出回っていない。これはサービス自体がリリースして間もないのだから当然だろう。

なお、ではdiv社が出しているデータはどこから取ったものなのかというと、現状「自社」である可能性が高い。

このUNCOMMONは自社の教育システムを外向けにリリースしたものであることはマコなり社長ご本人の口から語られている。

ところで、受講者の声の「石川さん」だが、div社人事の石川優司氏ではないだろうか?

画像7

(出典:https://un-common.jp/)

画像8

(出典:https://www.facebook.com/profile.php?id=100003837016136)

自社の社員をさも外部のような「受講者の声」に使うというのはどうなのだろうか?「違法」なんてことはないと思うが、仮に自社社員で、しかも人事であれば悪い評価などするはずもない。

この満足度や「他人に勧めたいか」についても社員が会社に対して行うフィードバックなのであれば、本当にフラットな評価なのか疑問の余地は残る

話を戻すと、UNCCOMONは公式にリリースされて間もないサービスでありモニター(社内?)を除き評価が蓄積されていない。

従って、良い(だろう)という評価も、悪い(だろう)という評価も講座とは関係ない何らかの根拠に基づいているはずだ。例えばこんなところだろうか?

良い(だろう)という評価の判断材料

・あの素晴らしいテックキャンプを出しているdiv社の新サービスだからきっと良いのだろう
・あのマコなり社長渾身のサービスというのだから、きっと良いのだろう
・1か月15万円もする商材なのだから、きっと良いのだろう

挙げていけばキリがないだろうが、現状出ている判断材料としてメジャーなものはこんなところだろうか?

逆もまた然り。

悪い(だろう)という評価の判断材料

・テックキャンプのような質の低いサービスを出す会社のサービスなんて信用できない
・マコなり社長の言うことは信用できない
・15万も取るなんて情弱ビジネスだから中身もクソに決まってる

要は現状中身がわからない中で判断材料としては「divのサービスだから(良い or 悪い)」「マコなり社長渾身のサービスだから(良い or 悪い)」「値段が高いから(良い or 悪い)」といった要素で判断されていることが考えられる。

この内、「価格」のみを判断材料とするのは妥当ではないことは前述の通りだ。

従って、UNCOMMONの現状の期待値を考えるにあたり妥当な判断材料は「div社≒テックキャンプ」もしくは「マコなり社長本人」のどちらかに紐づいていると考えるのが妥当だろう。


【論点3】テックキャンプの評価について

前述の新サービスの判断材料の一つとなるテックキャンプの評価について。エンジニアでも受講者でもない筆者がそれを精査することはできないが、残念ながら評価が低いという声も少なくない。

・メンターが素人である
・教えている技術が古い
・卒業生が使い物にならない
・そもそも「卒業」までたどり着けない率が高すぎる
・斡旋される就職が不本意である
・分割の金利が高すぎる

ただ、これらに関してはテックキャンプ公式のチャンネルより説明動画が出ている。

テックキャンプ7つの闇(前編)
テックキャンプ7つの闇(後編)

これを適切な反論と捉えるか弁明と捉えるかは、個々の判断に委ねたい。

【論点4】div社の赤字や負債について

この一連の炎上に油を注いだのが、官報に記されたdiv社の報告だろう。そこには多額の赤字と負債の数字が記録されていた。

これはUNCOMMONに否定的だった人からすれば好材料だろう。

「div社やべえwこんな会社の出すサービス信じられるか?」
「目先の赤字をどうにかするために情報商材売り始めたんだろうな。」
「投資家に利益出すように迫られて情報商材始めたのかな?」
「社員にUNCOMMONの教育してるのにこの数字なら、ダメじゃんw」

こんなところだろう。

一方で、これに対していわゆる「界隈」からこぞって反論が見られた。

「借金ができるというのはそれだけ信用があるということ。ヤバイって言ってる奴大丈夫?」
「ベンチャー企業が先行投資で赤字になるというのはよくある話。ヤバイって言ってる奴大丈夫?」
「たったこれだけの情報で否定的な判断してる奴大丈夫?」

ハッキリ言うがこのあたりは一定の賛意は示しつつも結局自分のポジションを正当化するためのポジショントークに過ぎない。

「借金できるのは信頼の証」「ベンチャーが戦略的に赤字にすることはある」

これはどちらも嘘ではない。div社がこれだけの資金調達ができるのは、金融機関からみて「何らかの評価ポイント」があるとは判断できる。

一方でdiv社の赤字について戦略的である可能性は当然あるが、そうでなくただ赤字を垂れ流している可能性もある。

どちらなのかはこのデータからでは判断がつかない。

ここで一つ重要なポイントこのデータを見て批判的な評価をしている立場よりも、肯定的な評価をしている立場の方が本質的に「見える」

借金、赤字。これらは世間一般には肯定的なニュアンスを持つ語ではない。だからこそそれを否定的に見る人間は安直で、肯定的に見れる人間は一歩踏み込んだ分析ができている。ように見える。

ハッキリ言ってこの構造自体が安直なわけだが、バカにでもわかるそれっぽい線引きでもある。

これは「界隈」でよく使われる手段で「バカにでもわかる一見本質的っぽいこと」を言うことにより情報弱者から信用を得るわけだ。

確かにこの数字を見て「悪い」と騒ぎ立てるのは考察が足りていない。全く同じ理由で「良い」と擁護するのも考察が足りていないのだが。

ちなみに、筆者は内部リークからdiv社の詳細な業績を入手している。詳細な数字の開示は諸般の事情で控えるが「良くも悪くもない数字だった」とだけコメントしておく。


【論点5】div社の社員、元社員からの内部告発について

一連の炎上について、div社の元社員および現役の社員から一部に情報のリークがあった。実際、情報の入手経路は伏せるが筆者にも現役の社員からのリークがあった。

社員が600人もいれば、会社を良く思わない離反者が一定数出てくるのはある程度仕方のない部分ではあるかもしれない。

しかし、社員が一流のビジネスパーソンになれるUNCOMMONのプログラムを受講したにも関わらず、この炎上の中で会社の情報のリークをするというのはこれからサービスが始まるUNCOMMONの評価に大きくマイナスに作用するものであるといえよう。


今一度問われる「マコなり社長」の真価

画像6

ここで今一度マコなり社長の真価について考察したい。

ここまで、UNCOMMONおよびテックキャンプの評価を見ていると正直ネガティブな印象が目立つが、大前提として彼は登録者80万人を誇るビジネスユーチューバーの頂点とも言える存在である。その実績は間違いなく評価すべきだ。

※「数字を購入したのでは?」という推測も立ちうるが、彼の当初の目的がテックキャンプへの集客やYouTubeの広告収入であり、情報商材を売ることではなかったであろうことを考えると、それはないように思う。今回は「購入はしていない」前提で話を進める。

さて、マコなり社長がYouTubeで成功しているのはなぜか?彼が実業で素晴らしい実績を出しているから?

そうかもしれないが、今までの考察を見る限り必ずしもそうとも思えない。

そういった実業の実績とは別に、マコなり社長は多くの視聴者の心に刺さる動画を投稿し続けて、登録者を獲得し、視聴者の可処分時間を消費さえ、Youtubeへの滞在時間に貢献した。

その結果、Youtubeから対価として広告費を受け取り、高収入な経営者となっている。ことYouTubeとマコなり社長の間での広告費のやり取りに関して、テックキャンプへの流入が上がったとか、視聴者の人生を変えたとかそんなことはどうでもよい。

彼は有益っぽい(実際に有益かもしれないが)プレゼン動画で多くの視聴者の心を掴むことに成功している点は少なくとも確実に評価できる。

ただ、やはり肝心のdiv社の事業の方の評価を鑑みると、この成功は「卵が先か鶏が先か」という話になってくるのかもしれない。

マコなり社長は「気鋭の若手実業家」なのだろうか?それとも「ただプレゼンが上手いイケメンのお兄さん」なのだろうか?


「プレゼンスキルの情報商材化」はしないのか?

画像2

マコなり社長のプログラミングスクールの運営が成功しているのかは疑問だし、これから明るみになっていくであろうビジネスパーソン養成講座も、これまでの考察から見るに必ずしも期待に満ち溢れているものとは言えない。

これは今までのサービスの評価に紐づいている部分は甘んじて受け入れてもらうとしても、それを差し引いても仕方のない面もある。中身が購入するまでわからないのが情報商材なのだから。

だが、もし実際に本当に良いもので広く募集した受講者から賞賛の嵐、受講者とビジネスで関わった周囲からの評価も賞賛の嵐があれば、下馬評など軽く覆すことができる。可能ならば頑張ってほしい。

だが、少なくともマコなり社長のプレゼンスキルは好き嫌いはあれど間違いなく高いレベルにあることは、数字も証明している。

情弱向けと評価するのも結構だが、プレゼンの本質は「相手を動かす」こと。仮に相手が情弱だろうと、相手を選んで動かしている時点でプレゼンとしては成功なのだ。

それに、Youtubeは確かに情弱が好むコンテンツである節もあるが、彼のプレゼンスキルは単に情弱だけに効果を発揮するものでもないだろう。

それがdiv社があれだけの資金調達を可能としている一つの要因なのではないだろうか?

サービスの評価はお世辞にも高いとは言えないようである中で、あれだけの資金調達ができるのは、マコなり社長の投資家や金融機関へのプレゼンが上手いから、ということも大きいのではないだろうか?

ここで一つ疑問が生じる。

「一流のビジネスパーソンになれる」なんて抽象的な内容よりも「僕レベルのプレゼンスキルが身に着きます」のような具体的な内容の方が遥かに情報商材としての価値を持つのではないだろうか?

商品を開けてみなければわからない情報商材だが、提供する価値がハッキリと見えていれば透明性は幾分か増す。「商品の中身がその価値提供に値するかどうか」を考えればよいのだから。

ゴールも曖昧、中身は完全にブラックボックス。「よくそんな商材に高額の値段をつけて売るな」、という以前に「よく買うな」という感想しか出てこないのだが、そんな売る側と買う側で成り立っているのが情弱マーケットなのだから仕方ない。

少し話が逸れたが

・「一流のビジネスパーソンになる」講座が17万円
・「マコなり社長レベルのプレゼンができるようになる」講座が17万円

では消費者からも見え方が違ってくるであろう。

しかし、見え方は違ってもおそらくサービスの方向性としては近くとらえられるはずだ。なぜなら、ここで消費者がイメージする「一流のビジネスパーソン」というのはマコなり社長そのものだからだ。

本当にマコなり社長が一流のビジネスパーソンであるかは一旦置いておくとして、少なくともそういったブランディングを試みており、成功している。

このnoteをわざわざ読んでいるような方の中にも「わけのわからないUNCOMMON」に17万は出せないけれど「マコなり社長のプレゼン力がつく」ならば17万なら払うという方もいるのではないだろうか?

では、なぜマコなり社長は「プレゼンスキル」という多くの人から見て見るからに有益な武器を情報商材化していないのだろうか?

もちろん、そこに思い至っていなかったという可能性も0ではない。もしこのnoteを関係者やマコなり社長本人が見て初めて気づいたのであれば、参考にして新しいサービス化していただいて構わない。

アイディア料は無料だ。もしそれで成功したらこっそりと高額のサポートよろしくお願いします。

ただ、実際のところ筆者でも思いつく程度のことをマコなり社長が頭にもなかったということはあまり想定できないだろう。

ならばなぜ「プレゼンスキル」という具体的な武器を情報商材化しないのか、そして「一流のビジネスパーソン養成講座」のような曖昧なものを売るのか、3つの仮説から考えたい。


仮説1:競合となるプレゼンターを増やしたくない

画像3

まず考えられるのは、率直に同系統のプレゼンにおいて同レベルのトッププレーヤーが出現した場合、マコなり社長のポジションが脅かされると考えている、ということが挙げられる。

あのプレゼン力があれば、どんな商品でも売ることが出来るだろう。実際の所テックキャンプも現在の評価を調べると何とも。。。なところだが、それでもテックキャンプが売れ続けているのはひとえにマコなり社長本人のプレゼンスキルの高さあってのものではないだろうか?

それを再現できるプレーヤーが量産されるとなると、マコなり社長のポジションが脅かされる可能性が出てくる。

ただ、仮説として考えられるから挙げてはみたものの、個人的にこの可能性は低いと考える。

マコなり社長はそのプレゼン力で他社の商品をゴリゴリ売っているような代理店ビジネスは今のところしていなそうだし、確固たる自社の商品も持っている。

競合他社がマコなり社長のプレゼンスキルを身に着けてテックキャンプなどを脅かしてくる可能性や、マコなり社長レベルのプレゼン力をもってビジネスユーチューバーに参入したプレーヤーにシェアを奪われることも想定はされうるが、「マコなり社長のプレゼン力」だけを身に着けたところで、直ちに脅威にはならない。

マコなり社長には「マコなり社長」というブランディングがあるのだから、プレゼンスキルだけ同レベルになったとしてもそれで追いつかれる追い越されるということにもならないだろう。


仮説2:情報商材化しても再現性がないのを知っている

画像5

ここまで「マコなり社長と同レベルのプレゼンスキルがそのまま身に着く」商材があるという仮定のもとに話を展開してきた。

ここで今一度考えてほしいのだが「そもそもそんな商品存在するのか」という点だ。

もちろん、マコなり社長のプレゼンの何が良いのかを要素として分解して教材に落とし込むことは可能だろう。

で、それでマコなり社長レベルのプレゼンが再現することができるのだろうか?

マコなり社長のプレゼンの何が凄いのか知識・ノウハウとして持ち合わせていることとそれを再現し、同レベルのプレゼンを成功させることはまた次元が違うのだ。

仮にマコなり社長が1か月付きっきりで教えてくれたとしたらそれはとても贅沢な話ではあるが、それでマコなり社長のプレゼンスキルが絶対に身に着くことを意味するわけではない。

彼のプレゼンを動画を見込んで分析したわけではないので現状「こうだ!」ということを言い切ることはできないが、勿論彼のプレゼンを分析し要素化し、教育に落とし込むことで受講者のプレゼンスキルを大幅に底上げすることは可能だろう。

しかし、「マコなり社長レベル」とまでなると、仮にマコなり社長本人の指導があったとしても難しいのではないか?

プレゼンには(筆者の主観に過ぎないかもしれないが)最低限の基礎は共通の上で、個々の個性を活かしたスタイルがある。

ハッキリ言ってしまうと彼のスタイルは彼が「イケメン」であり「独特の空気感」を纏っているからこそ成り立つものなのだと思っている。

あまりゴールを具体化しすぎると再現性が低く、情報商材としての顧客に提供すると約束した価値を提供できなくなる確率が高くなる。当然、返金のリスクを高めることにも繋がる。

それを織り込み済みであえて「具体的な情報商材」は出さないのであれば、今回の炎上から受けている印象に比べずいぶんと情報商材に対する知見があるようにも見えるがいかがなものだろう?


仮説3:商品が具体的なほど見込み客のレベルが上がる

画像5

ここから「情報商材」と「情弱ビジネス」の深い部分に入り込んでいく。

先ほど「プレゼンスキル」を情報商材化しても再現性は低いという考察をしたが、仮に「必ずマコなり社長レベルのプレゼンができるようになる」情報商材が本当に存在したとして、それが17万円だったとして、それを買うのはどういった層なのかを考えてみたい。

簡単に言えば

1.自分の課題が「プレゼンスキル」だと自覚しており
2.解決策が「マコなり社長からスキルを盗む」ことだと考えており
3.解決策を手に入れる手段をして商材の購入を考えていて
4.課題の解決によって支払った以上のリターンが見込めると確信している

層ではないだろうか?

もちろん、考えの浅いマコなり社長信者なども一定数入ってくるとは思われるが、ゴールを絞っていることによって「そのゴールを明確に欲している層」がメインの見込み客となる。

この「欲しいゴールが明確な層」というのが1つのポイントだ。

では、ゴールを曖昧な「一流のビジネスパーソン」にしてみよう。この中には「プレゼンスキル」も包含されているのかもしれないし、されていないかもしれない。

一見、「プレゼン」に絞るより幅広いスキルが身に着けられそうでお得に見えなくもない。けれど、結局「一流のビジネスパーソン」のゴールが何も見えてこない。そもそも数値化どころか定義するのも難しいだろう。

そんなものを欲しがるのはどういった層かと考えてみると

1.自分の課題が何なのか自覚できておらず
2.解決策を提示してくれるっぽいマコなり社長を妄信し
3.課題の解決を他人にお金で何とかしてもらおうと思っており
4.高額な「投資」を行ったことそのものに満足している

層なのではないだろうか?

思えば、テックキャンプも切り口は違うが、想定している顧客の属性は近いだろう。

「プログラミングとかいうものを学べば、『エンジニアとして就職』できて『年収が上がる』」

という曖昧なゴールに向けて80万円だかを払ってしまうのだから。情弱ビジネスという評価はある程度受け入れざるを得ないところだろう。

ターゲットの間口を広くとるというのはビジネスの戦略として必ずも間違ってはいないのでこれ自体が即座に「悪」というわけではないが。

なお、炎上の論点の一つである「分割払いの異常なまでの高金利」について、「自社でローンを組んでいるため、分割の手数料や未回収のリスクを鑑みてこのような利率になっている」と公式回答がなされている。ある意味誠実な回答ともいえるが、同時にdiv社がいかに自社のメインターゲットの属性の悪さを十二分に理解しているかの証明に他ならない。

リテラシーが低く、収入も低い層から高額のローンを組ませると、当然発生するのが貸し倒れだ。

そういった顧客からの督促業務まで自社で巻き取っているのであれば、そちらの業務コストも高くなり、売掛金の回収も滞る。

必然的に、官報に公表されている通り赤字を抱えるだろう。

具体的な数字の公表は控えるが、div社の売掛金が3年前から急速に膨らんでいることは内部リークにより把握している。

「プログラマーになって転職して収入アップ」にせよ「一流のビジネスパーソンになれる」にせよ、抽象度の高いゴールを敷いて情弱ビジネスにシフトしてしまった時点で結果はある程度見えていたのかもしれない。


まとめ

ここまで長文を書き連ねておいて結局言いたいのはありふれた「要は情弱ビジネスじゃねえの?」というところに行きついた。

が、「ゴールがあやふやな情報商材」に群がるのは、「自分の課題を把握しておらず、金を払えば他人が人生を変えてくれると思っている情報弱者」であるということについてマコなり社長がもっと売れそうな武器を情報商材化しないことと比較して検証したことで、主張に説得力が増したのではないだろうか?

情報商材はゴールが明確であればあるだけ見込み客のレベルは上がり、本当に品質の良いサービスを提供しなければならない。

逆に浅く広くレベルの低い情報弱者に販売したければ曖昧なゴールを敷けば良いのだ。

「稼げる」「不労所得」などその最たるものだろう。

なお、div社の事業が結果的に情弱ビジネスになっているという結論になってしまったが、個人的には筆者はマコなり社長が最初から「情弱から搾取」するために事業をやっているとは思わない。

むしろ、本当に「誰にでもエンジニアになれるチャンスを提供して、エンジニア不足の企業に人材を送り込んで、Win-Win-Winの構造を目指していた」とすら思う。

しかし、マコなり社長は自分が顧客として見定めていた層がいかにレベルが低いかを想定できていなかったのではないだろうか?

結果、情弱ビジネスのように「なってしまった」というのが筆者の考察だ。

この点についてはまた別のnoteで語ることになると思うので今回はここにとどめる。

結論として今div社の事業は図らずも情報商材であり、情弱ビジネスとなってしまっていると評価せざるをえない。

と言ったことを考えるとマコなり社長が超一流の経営者という評価はしずらい。プレゼンの上手いイケメンのお兄さんである。

しかし、彼がユーチューバーとしてとてつもない実績を出すだけの魅力のある人物であることも事実だ。

マコなり社長には一連の結果や現状を受け止めていただいたうえでご自身の強みや限界も認識した上で、次の方向を見定めてほしい。

筆者程度の人間がマコなり社長を「評価」するのも烏滸がましいかもしれないが、あれだけ才能のある人物が「情弱ビジネスをやってる商材屋」で終わるのはあまりにももったいない。

関連:一生涯、中身のない情報商材に騙されなくなる特効薬
著者のTwitter:@nukegawahayao

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?