#NulNote オープン戦と公式戦の相関関係を考える

今日でオープン戦が終了し、いよいよ金曜からプロ野球開幕です。
WBCの熱気冷めやらぬままペナントレースへ。今年も熱い戦いを期待したいところですね。

さて、このオープン戦ですが「所詮は調整の場。順位など関係ない」と言う人や「さすがにこれだけ負けが込むと今年はアカンのではないか…」と心配する方も多いでしょう。
と言うことで、近くの図書館で調べられた1986年~2016年までの31年間のデータからオープン戦と公式戦順位の相関関係を見てみたいと思います。
※去年も同じようなことを調べてツイキャスで発表したのですが、今年はさらに11年分のデータをプラスして考察します。
※オープン戦は試合数もバラバラですし順位決定方法に明確な規定はないのですがとりあえず単純に勝率で順位を決定し同率の場合は勝利数とかは関係なく同順位としています。

まずはオープン戦(以下OP戦)勝率1位と最下位チームがその年の各リーグ公式戦で何位になったのかを見てみましょう。

その差は一目瞭然。最下位になる確率はOP戦1位チームが12.9%に対してOP戦最下位チームは38.9%。各順位割合でも最下位になった年が最も多くなっています。Aクラスになる確率OP戦最下位チームは1位チームの約3分の1リーグ優勝31年間でわずか3例と厳しい数字が並びます。
OP戦1位チームも優勝については31年間で6例、19.4%とそれほど強い相関関係はないのですが、Aクラス確率は約60%最下位確率も8年に1度という頻度で、最後にOP戦1位チームがリーグ最下位に沈んだのは1995年阪神で昨年まで21年間出ていません。(OP:10勝5敗→リーグ:46勝84敗)

考察①「とりあえずOP戦1位になって悪いことはなさそう」
考察②「逆にOP戦最下位に沈むとちょっと嫌な感じ」
なお1986年以降でOP戦最下位チームがリーグ優勝を果たしたケースは
・2001年近鉄(OP:2勝9敗2分→リーグ:78勝60敗2分)
・2004年西武(OP:4勝8敗1分 横浜6勝12敗2分と同率最下位→リーグ:74勝58敗1分)※横浜は59勝76敗3分でセ最下位
・2008年巨人(OP:2勝10敗3分→リーグ:84勝57敗3分)
の3例です。

次にもう少し範囲を広げて「OP戦で5割以上か否か」で公式戦順位の考察をしてみましょう。

こちらもリーグ優勝に関して大きな相関関係は見られませんが、OP戦5割以上のチームがリーグ優勝する確率は5割以下の約2倍となっています。
またAクラスになる確率もOP戦5割以上は5割以下の約1.5倍。約6割がCS圏内に入る計算となります。最下位になる確率も5割未満の1/2と大崩れする確率は低くなっているようです。

さらに、リーグ優勝チーム・最下位チームのOP戦平均成績を見てみます。

やはりリーグ優勝するチームは概ねOP戦でも勝ち越しているようです。
なおリーグ優勝したチームのOP戦最低勝率は前述した2008年巨人の2勝10敗3分 勝率.167。この年の巨人は開幕5連敗を記録する最悪のスタートとなりましたが、夏場以降盛り返して独走していた阪神を逆転したシーズンでした。
逆に最下位チームは負け越していますが、勝率は.450とさほど大きな沈みではありません。
リーグ最下位チームのOP戦最高勝率は2014年楽天の12勝3敗2分 勝率.800。OP戦で好成績を記録してもリーグ最下位となるのですからどこの球団も油断は出来ないということになりそうです。
なお2014年OP戦はソフトバンクが15勝2敗2分と突っ走っため楽天はOP戦2位でした(ソフトバンクは日本一)。

考察③ 「OP戦を5割以上で終えられれば良い年になるかも」
考察④ 「OP戦を高勝率で終えても最下位になる可能性あり 油断禁物」

では上記考察を踏まえ、2016年シーズンを振り返ってみます。
OP戦の順位は以下の通りでした。

新生金本タイガースが首位、最下位には3チームが並ぶ展開となりました。
そしてシーズン成績は以下となりました。

OP戦最下位3チーム中DeNAはAクラスを確保しましたが、中日・オリックスはともにセ・パ最下位と悲しいことに上記考察に当てはまってしまう結果となりました。逆にOP戦1位の阪神はBクラスに転落。厳しい結果となりました。

考察⑤ 「2016年はOP戦最下位チームがそのままリーグ最下位に沈んだ」

と言うことで、これまでの考察で、リーグ優勝については大きな相関関係はありませんが、OP戦の成績が良い方がAクラス入りの可能性が高まり、逆に下位に沈むとBクラス・最下位の可能性が高まるという傾向が見えました。
よって、総括としては

総括
「OP戦の成績が良いことに越したことはない」

ということになりそうですね。

さて、先ほど終了したばかりの2017年オープン戦は以下の順位となりました。

1位となったロッテはこれまでの考察からいくと良いシーズンになりそうと期待して良さそうですが、前述した通り大きく勝ち越した楽天が最下位に沈んだ例もあります。また、前回OP戦1位となった1992年はリーグ最下位に静子います。期待感を高めつつも油断しないようしっかり応援していきましょう。

逆に最下位に沈んだ巨人は少し暗雲が立ち込めた感じとなりましたが、前述した通り2008年はOP戦勝率.167から大逆転優勝を飾っています。公式戦で復調していくことを祈りましょう。
また7位ヤクルトまでの勝率5割チームはCS進出の期待が持てそうです。

いよいよ3/31からプロ野球開幕です。今年も熱く応援していきましょう!

※お知らせ
シーズンイン後のNulNoteは週1更新を目指して活動を行っていきたいと思います。何か企画も出来たらなと思っていますのでよろしくお願いします。

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