#nf3Note 2022年度「下柳賞」発表!

2022年のプロ野球はオリックス・バファローズの26年ぶりの日本一で幕を閉じました。
どんなにリードが拡がっても最後まで油断出来ない面白いシリーズでした。
オリックスファンの皆様誠にあのおめでとうございます。

さて、今年もあの季節がやってきました…。
そうハロウィーン…ではなく。

先日、2022年度の沢村賞が発表され、山本由伸(オリックス)が2年連続で受賞しました。
今年もまた「対抗馬がいない」「山本由伸の成績でも物足りない」など、近年の投手起用に対する批判的な意見が委員から噴出しました。

>堀内委員長は「対抗馬がいない。1人しか選びようがない。選考する方は楽かも知れないが、寂しい気がしないでもない」と率直に話した。

https://www.nikkansports.com/baseball/news/202210240000948.html

>レジェンドからすれば山本の26登板、15勝でも、やや物足りないようだ。山田委員は若い時期に体力を付ける重要性を強調。その上で「投げすぎが故障につながるという意識は結構だが、それが強すぎたらまずいんじゃないか。日本の野球はピッチャーに甘いものになっていく」と警鐘を鳴らした。

https://www.nikkansports.com/baseball/news/202210240000948.html

これは日本の野球のピッチャーを甘やかしているわけではなく、故障を少なくし、いつでもベストの状態で登板させるための施策だと思うのですが…。
かといって、沢村賞の基準を変える必要もないとは思います。完投型投手を称える賞というアイデンティティは崩すことはないと思いますので。

そこで考えました。
沢村賞のような「完投型投手」に贈る賞と並行して、
「最低限5~6回まで試合を作り、勝ちパターンに繋いでくれる先発投手」
という、現代野球に求められる投手を称える賞を考えてみても良いのではないか…?

ということで、当noteで2020年から勝手に表彰している

「長いイニングは期待出来ないが最低限5~6回まで試合を作ってくれる先発投手」

を表彰する

「下柳賞」

の発表を行いたいと思います。

※なぜ「下柳賞」という名称にしたのかについては2020年の記事を参照

選考基準は以下とします。

※前提条件として
「先発時5回以上6回以下の投球回で3自責点以内」
の投球を
「下柳スタート(SS)」と呼ぶこととします。

「先発18登板以上」で「下柳スタート率(SS率)の割合が最も多い投手」を
「下柳賞」に選出する
※SS率(%)=SS/先発登板数

ではおまっとさんでございました。
2022年下柳賞の発表です。
今年この栄冠(?)に輝いたのは…?

2022年SS率TOP10

接戦となりましたが松葉貴大(中日)SS率68.4%2022下柳賞受賞となりました。松葉投手おめでとうございます(と言っていいものかどうか)。

松葉貴大 2022年全投球内容・黄網掛けがSS達成登板

今年の松葉は19登板中14試合がバンテリンドームでの登板であり、
バンテリンドーム専用機とも言われましたが、通算19登板中13登板でSS
6勝を挙げチームに貢献しました。

松葉とデットヒートを繰り広げたのが2位の大貫晋一(DeNA)

大貫晋一 2022年全投球内容・黄網掛けがSS達成登板

SS率66.7%は2位でしたがSS数は16回で12球団トップの成績でした。
定時(6イニング)まできっちり仕事をして、マウンドを降りていく姿に
「公務員」という言われ方もされましたが、最終的に11勝を挙げ、
チームの2位躍進に大きく貢献しました。

さて、ここからは惜しくも選外となった投手の中から
何人かピックアップしていきたいと思います。

まずはレジェンド? とも言える2020年下柳賞受賞者・石川雅規(ヤクルト)

石川雅規 2022年全投球内容・黄網掛けがSS達成登板

今年も先発は16登板にとどまり、選外となってしまいましたがSS率は
62.5%(16登板10SS)で3位相当
とディフェンディングチャンピオンにふさわしい投球内容となりました。
来年は球界最年長となりますが、日本シリーズでも見せた5回1失点という熟練のピッチングで燕投手陣を引っ張って言って欲しいものですね。

そして今年、選外ながら驚愕の結果? を叩き出した投手がいました。
それは、こちらも大ベテランの領域に入ってきた和田毅(ソフトバンク)

和田毅 2022年全投球内容・黄網掛けがSS達成登板・7/24は救援登板なので除外

こちらも先発16登板のため惜しくも選外ですが、先発16登板中SS達成試合は
なんと13回。SS率は脅威の81.3%を記録。
最後は5試合連続SSフィニッシュという内容でチームの優勝争いに貢献しました。
この数字は今回は参考記録となりますが、命名のきっかけとなった2005年の下柳剛(阪神)の79.2%を超える数字でした。
あと2登板していれば文句なしの受賞だったのですが…。
和田も来年は42歳。来年こそは18先発登板を達成して欲しいものです。

最後に。
下柳賞には2つの性格があり、

  • 全盛期を過ぎたベテラン投手が、長いイニングは投げられないが最低限ゲームを作っていることを評価するもの。

  • まだ育成中のため無理して長いイニングを投げさせてもらえていないが、将来のエース候補として実績を積み上げている途中の若手投手がピックアップできるもの。

今年で言えば、先ほど述べた石川・和田や命名元の下柳などは1つ目の黒点の内容で評価される投手であり、どちらかというとポジティブな評価になります。
逆に早川(楽天)や髙橋宏(中日)、小島(ロッテ)などは早く下柳賞のTOP10から卒業し、沢村賞候補となるように長いイニングを投げられる投手になってもらいたいものですね。

ということで2022年下柳賞は松葉貴大が受賞したことをお伝えして本日は終わりにしたいと思います。
来年は一体だれが受賞するのでしょうか?
ご清聴ありがとうございました。

↓気が向きましたらサポートなんかもしてもらえると尻尾振ります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?