Toliss A321 のチュートリアル バンクーバーからハワイまで
X-plane 11用に開発、発売されているToliss A321を購入しました。この機体にはチュートリアルとしてバンクーバー国際空港(CYVR)からカフルイ空港(PHOG)をゴーアラウンドしてダニエル・K・イノウエ国際空港(PHNL)に着陸する方法が収録されていたため、練習のためにフライトをしました。
Flight Factor製のA320 Ultimateはすでに持っていたので、完全に初めてではないですが、パフォーマンスの設定など差異もあるので初めてToliss A321を使うためには必須のチュートリアルでした。
スタートアップ
機体をコールドアンドダークで読み込んでスタートアップを行います。オーバーヘッドパネルを見て、2つのバッテリーをオン。次に外部電源を接続します。外部電源がAvailになっていないときはPlugin → Toliss → Open ISCS Screenを開いて、Ground Service内にあるExternal Powerを有効化します。
次にオーバーヘッドパネル左上にある3つのADIRSをNavにセット。ADIRSのつまみの上にあるボタンにALIGNと表示されるのを待ちます。
待っている間に燃料ポンプスイッチをすべてオンにして、さらにクルーサプライボタンもオンにします。
また、PDFやND、EMC、MCDUのそれぞれのディスプレイの明るさ調節も行っておきます。
フライトプランの作成
MCDUからフライトプランを入力します。フライトプランは以下のようになります。
CYVRからランウェイ13から離陸しSID YVR9を使って上昇。あるいはランウェイ8Lから離陸しSID RICHM6を使って上昇。どちらのSIDも最後はマニュアルでその後のルートに接続する
SIDが終わった後はYYJを目指す
J589を通ってELMAAを目指す
J70を通ってHWMを目指す
C1418を通ってSEDARを目指す
SEDARから北緯43度、西経130度地点を目指す
HEKABを目指す
A332を通ってAUNTIを目指す
APACKを目指す
PHOGにRNAV20でアプローチをする。STARはHAIKU1でVIAはSWEEP、トランジションポイントはAPACK
PHOGでゴーアラウンドをしてSID BEACH4を使って上昇。LNYを目指す
PHNLのランウェイ08Lにアプローチ。STARはJULLE5でトランジションポイントはLNY
チュートリアルで指定されているルートは最新のフライトデータを使っている場合利用できないかもしれないので、MCDUの画面からAIRAC CYCLE 1802を選択します。
INITページ→F-PLANページ→SECOND F-PLANページと順に入力をしていって、設定を完了させます。
燃料と重量の設定
Toliss A321ではISCSから燃料や重量を設定します。ISCSを開いて乗客の数、荷物の重さ、燃料の設定を行うと離陸に必要なパフォーマンスが自動で計算されます。今回は乗客は200名、荷物は前後ともに1000kg、燃料は最大値の23301kgとします。このときのZFWは69.8T、重心は27.8%となりました。またF-PLANを使うときの離陸設定は
V1 143ノット
VR 152ノット
V2 155ノット
FLAP 2
エレベータートリム DN1.2
となりました。SEC F-PLANを使うときの離陸設定は
V1 161ノット
VR 168ノット
V2 170ノット
FLAP 1
エレベータートリム DN1.2
でした。
APU起動とプッシュバック
MCDUの入力が完了したらいよいよゲートから離れます。オーバーヘッドパネルを見てAPU MASTER SWをオン。少し待ってAPU STARTをオンにしてAvailになるのを待ちます。
APUが起動したらAPU BLEEDをオン。外部電源を切断します。外部照明のBEACONをオンにして、Elappsed TimeをRUNに設定します。
ISCSからプッシュバックを要求。50mバック、左に90度回転するように設定します。プッシュバック自体はBetter pushbackを使っても良いかもしれません。
エンジンスタート
プッシュバックが開始されたらエンジンをスタートさせます。スロットルレバーの近くにあるENG modeをIGN/STARTに設定。右側のエンジン2スイッチをONにします。ECAMにエンジンの状態が表示されて、N1が20%になるのを待ちます。エンジン2のN1が20%になったら、次はエンジン1をスタート。こちらもN1が20%になるのを待ちます。
2つのエンジンが始動したらMODEスイッチをNORMに戻します。
エンジン始動後はスポイラーをARMD、APU BLEEDとAPUを停止しフラップを2に設定します。
離陸滑走路変更
ここで離陸滑走路を変更するようATCから要請がありました(という体で進みます)。ランウェイ08を使うように指示されたため、SEC F-PLANを有効化します。
SEC F-PLANではフラップ1なので、フラップを設定し直します。
タキシング
タキシングを開始する前に機体の操作を確認します。ECAMのF/CTLを表示してジョイスティックやヨーク、ラダーが疎くことを確認します。またエレベータートリムの設定も行います。
次にEWDを確認して青文字の警告が消えているか確認します。
この画像の場合、キャビンのチェックとTO CONFIGがまだです。キャビンのチェックはオーバーヘッドパネルの左の方にCALLSボタンがあるので押していきます。TO CONFIGはECAMの手前にあるTO CONFIGボタンを押します。
すべての警告が消えたら、タキシングを開始します。パーキングブレーキを解除してスロットルをゆっくり上げます。Airport Navigationをインストールしておけば飛行場で迷子にならないで済みます。
離陸
滑走路手前で停止して離陸手順を実施します。
NOSE WHEEL LIGHTをTOに、STROBOをON、2つのLANDINGをON、RWN TURN OFFをONにします。コックピットのクロノメーターをスタートさせます
滑走路に侵入し、正対します。準備ができたらスロットルを一番前まで倒して滑走、離陸をします。スロットルを一番前まで倒すと自動でオートスロットルが有効になり、PDF上にMAN TOGAが表示されます。
V1を越えてVRが来たらジョイスティックを引いて離陸します。ゆっくりと操作をしてFDの緑色の線が中央に来るようにします。
400フィートを超えたらジョイスティックから手を離してオートパイロットをオン。ギアアップ、スポイラーをNORMに設定します。スピードが上がって速度計のSに到達したらフラップを0にします。
最後にライト類の操作を行います。RWN TURN OFとNOSE WHEELをそれぞれOFFにします。
今回、SIDが終了した後の航路は未設定なのでMCDUを使って次の目的地であるYYJを目指すよう設定します。MCDUのDIRページからYYJを選んでINSERTを押します。するとND上にYYJへ直接伸びる線が引かれて、飛行機は右旋回を開始します。
オートパイロットの高度設定を28,000フィートに設定して、ノブ上にドットが一つのときにクリックします。ちなみに、Toliss A321はドット一つだとノブを押す、ドット二つだとノブを引く動作となります。
この後飛行機は上昇を続けます。
10,000フィートを超えたらLANDINGをOFFにしてシートベルトサインをOFFにします。18,000フィートを超えたら気圧設定ノブを押してStd表記に変更します。
チュートリアルではルートから外れたときの復帰方法もありましたが、今回は省略します。
クルージング
飛行機は28,000フィートに到達するとクルージングモードになります。今回、カナダからハワイへの航路なのでだいたい6時間の飛行となりますが、さすがにシミュレーターでそんなに時間をかけては退屈です。Toliss A321はいくつかの条件を満たすと航路をワープできる機能があります。条件は以下です。
APラテラルモードがNAV
APバーティカルモードがCRZ
バンクアングルがほぼ0
略フライトプランに沿って飛んでいる状態(NDのフライトプランの線からずれていない)
次のウェイポイントまで1NM以上ある
これらの条件を満たすとき、100MNを切っていればJumo to Next waypointが使えます。100MN以上あるときはJump to 100NMが利用できます。ワープをすると自動的に飛行にかかった時間が計算されて、シミュレーター上の時間経過が行われます。さらに、燃料の消費も計算されます。
今回は途中にステップクライムを行ってFL340を目指しつつ利用できるシーンではワープを行ってシミュレーション時間を省略します。
しかし、ワープを使うとX-planeで記録されるログブックの飛行時間には反映されないようです。またVolantaなどでトラッキングするデータもおかしくなるようです。そのあたりを気にする場合はワープを利用しないほうが良いかもしれません。
降下
今回はUNDAYのすぐ先に降下開始地点が設定されています。降下開始地点に着く前にMCDUからアプローチに関する情報を入力し、オートパイロットの高度を5000フィートに設定。降下開始地点が近づいたら高度設定ノブを押して降下します。降下が始まるとスロットルが調整されて徐々にスピードが落ちますが、10,000フィート以下になってもスピードが250ノット以下にならない場合はスポイラーを使ってスピードを調整します。
高度が下がって18,000フィートに到達したら気圧調節ノブを押して1024hPaに変更。10,000フィート以下になったらLANDING LIGHTSをオン、シートベルトサインをオンにします。
アプローチとゴーアラウンド
フライトプランに従って飛行して、COESTの5NM以内に到達したら直接UPOYOを目指してショートカットをします。UPOYOを目指すにはMCDUからDIRページを開き、UPOYO→INSERTを選択します。
UPOYOの手前10NMで高度ノブを2000フィートに設定、UPOYOに到達したらAPPRを押してアプローチモードに入ります。
UPOYOを過ぎてKRANEの手前に減速ポイントがあります。減速ポイントを通り過ぎるとき、速度が238ノット以下か確認してフラップを1にします。この手順が遅れると着陸できません。
スピードの低下に伴ってフラップ2からフラップ3まで展開します。2500フィート以下になったらギアダウン。スピードブレーキをARMDに設定。滑走路が近づいてきたらNOSE WHEELをTAXIに、RWN TURN OFFをONにします。
このまま行けば着陸できますが、ゴーアラウンドをするので着陸してはいけません。
高度ノブを4300フィートに設定して、高度が400フィート以下になったらスロットルを一番前まで倒してゴーアラウンドモードに入ります。
ゴーアラウンドモードになったらギアアップ、フラップを3に、そしてヘディングバグを押してNAVモードに復帰します。速度が上がってきたらフラップ2に、NOSE WHEELとRWN TURN OFFをOFFにします。PFDにLVR CLBが表示されたらスロットルをCLIMBに戻します。
ダイバート
MCDUのF-PLANページからPHOG20を選んで、ENABL ALIGN→INSERTを押してダイバーとのルートを有効にします。DIRページからBEACHを選びINSERT。高度ノブを22,000フィートに設定してノブを押して上昇します。今までと同様に10,000フィートを超えたらLANDING LIGHTSをOFF、シートベルトサインをOFFにします。18,000フィートで気圧調節ノブを押してStdに変更します。
降下
MCDUを見て降下開始地点が近づいてきたらアプローチに関する情報を入力し、降下をします。降下開始地点までに巡航高度の22,000フィートに到達しませんが問題ありません。高度調整ノブを3,000フィートに設定して降下開始点に到達したら降下します。10,000フィートに降下した時点で速度が250ノット以上ある場合はスポイラーを使って速度を調整します。18,000フィートで気圧調節ノブを押して1024hPaに変更、10,000フィートでLANDING LIGHTSをON、シートベルトサインをONにします。
アプローチ
高度6000フィート以下まで降下したらAPPRボタンをONにします。今回使う着陸方法ではILS CAT3が使えるため、完全自動で着陸が可能です。自動着陸を有効にするにはAP 2もONにします。
NDを見て減速ポイントを通り過ぎたらフラップを展開。この手順が遅れると着陸できません。
PFDのLSボタンを押してILSの情報を表示しておきます。あとはスピードに合わせてフラップを展開。2,500フィートでギアダウン。NOSE WHEEL LIGHTをTAXI、RWY TURN OFFをON。着陸できなかったときのためにゴーアラウンド高度の5,000フィートを入力しておけば自動で着陸できます。
着陸
以下の手順でスロットルやブレーキを操作して着陸します。
30フィートに到達したらスロットルを引いてアイドルにする
飛行機が接地したらスロットルをさらに引いてリバースをオンにする
80ノットになるまでにリバースを最大にする
60ノットになったらスロットルを戻してリバースを無効化する
40ノットになったらBキーを押してオートブレーキをオフ
滑走路に左側に誘導路を使って出ていく
誘導路上で停止
クロノメーターを止める
駐機とシャットダウン
誘導路を走って適当なゲートまで行ったらシャットダウンをして完了です。ISCSから外部電源を接続し、エンジン1と2をOFF。燃料ポンプをすべてOFFにして3つのADIRUをOFF。ライト類をすべて消してから外部電源とバッテリーをオフにします。
お疲れさまでした。
フライトの記録
クロノメータによると飛行時間は6時間29分でした。途中でワープも使っているので飛行時間はもっと短いですが、コールドアンドダークからシャットダウンまでの実時間はだいたい3時間くらいでした。
Toliss A321は非常に良くできた機体だと思いますが、それでいてシミュレーションのFPSも安定しています。Flight FactorのA320 Ultimateもいい機体でしたが、FPSが全然でなくて操作しにくかったので・・・。
充実したチュートリアルで操作を学べる点も満足できるポイントでした。今後もToliss A321を練習してVatsimで飛んでみようと思います。
最後に
今後、このノートでは私がフライトシミュレーター(主にmac版のX-plane)でフライトを楽しんだログや導入したプラグイン、環境の紹介などを行っていく予定です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?