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2018年3月配信開始の注目ドラマ

 FX Networkを中心に多くのシリーズがスタートする3月の紹介です。配信開始日は北米準拠にしています。

「The Looming Tower」2/28, Hulu

 9/11に至るまでの経過を描いたローレンス・ライトの著『倒壊する巨塔』を映像化したミニシリーズである。脚色は『カポーティ』のダン・フッターマンが務め、マイケル・スロヴィスやジョン・ダールといった馴染み深い監督陣が参加している。『ゴッドレス』で好演をみせたジェフ・ダニエルズをはじめ、『シェイプ・オブ・ウォーター』『君の名前で僕を呼んで』と注目作が相次ぐマイケル・スタールバーグ、『ザ・ナイト・オブ』のビル・キャンプら渋いキャストが揃っている。

「Atlanta: Robbin' Season」3/1, FX

 ミュージシャンで俳優でもあるチャイルディッシュ・ガンビーノことドナルド・グローバーとその弟ステファン・グローバーのコメディ・ドラマが帰ってくる。タイトルにもなっているアトランタのミュージック・シーンを描くドラマかと思いきや、「尿検査をすり抜ける方法」や「架空の討論番組」など奇抜で危ないジョークを新シーズンでも期待したい。『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』でランド・カルリジアンに抜擢されたドナルド・グローバーの活躍はもちろんのこと、『ショート・ターム』『ゲット・アウト』のらキース・スタンフィールドや『デッドプール』続編でドミノ役のザジ−・ビーツら若手キャストと、ヒロ・ムライやエイミー・サイメッツといった監督陣にも注目だ。気になる日本での展開だが、シーズン1は昨秋にFOXチャンネルがエミー賞とあわせて日本で放送したものの再放送は未だ実現せず、シーズン2の輸入はしばらく待つことになりそうだ。

『ザ・グッド・ファイト』シーズン2, 3/4, CBS All Access

 2009年から2016年まで放送されたリーガルドラマ『グッド・ワイフ』のスピンオフはシーズン2へと進む。Netflixが海外配給となった『スター・トレック:ディスカバリー』とは違いしばらく日本での視聴が困難だったが、2017年末からAmazonプライムが『ザ・グッド・ファイト』としてシーズン1を配信している。新シーズンでは引き続きダイアン・ロックハート、ルッカ・クイン、マイア・リンデルを中心に、ボーズマン事務所の混乱とリンデル事件が描かれるようだ。日本でも早期の配信を期待したい。

『ジェシカ・ジョーンズ』シーズン2, 3/8, Netflix

 Netflixオリジナルの目玉となりマーベル・ドラマの新作は、単独主演では3年ぶりの『ジェシカ・ジョーンズ』だ。クリステン・リッターやキャリー=アン・モス、デヴィッド・テナントらが続投する。

『LOVE』シーズン3, 3/9, Netflix

※キャッチアップできていないので紹介のみ。これがファイナルシーズンとのこと。

『スニーキー・ピート』シーズン2, 3/9, Amazonプライム

※キャッチアップできていないので紹介のみ。

「Krypton」3/21, SyFy

 様々なネットワークでドラマを展開するDCコミックスから、SyFyで新たなシリーズがスタートする。タイトルの通りスーパーマンの故郷クリプトンを舞台とする本作は、カル・エルの祖父セグ・エルが主人公となる。ショウランナーと脚本がデヴィッド・S・ゴイヤー...という人選の吉凶は果たして......。DCドラマは基本的にワーナーが絡んでいるので日本でもソフト化まではいきそうだが、先んじて配信するところがあるかは不透明だ。

「Trust」3/25, FX

 2018年で最も期待しているドラマのひとつ「Trust」は、奇しくもリドリー・スコット監督の「All the Money in the World」と同じジャン・ポール・ゲティ三世誘拐事件を描く。注目すべきは『スラムドッグ・ミリオネア』『127時間』のダニー・ボイルとサイモン・ボーファイがショウランナーとなることで、ボイルは3話分の監督を、ボーファイは全話の脚本にクレジットされている。ジャン・ポール・ゲティはドナルド・サザーランドが演じ、ブレンダン・フレイザーやヒラリー・スワンクが共演している。ぜひとも日本でも配信してほしい作品だ。

『ジ・アメリカンズ』シーズン6, 3/28, FX

 FXネットワークの看板ドラマに成長したジョー・ワイズバーグの『ジ・アメリカンズ』も、いよいよファイナルシーズンで突入である。日本で配信が始まったのは2016年で、まだまだ視聴者が少なく感じるスパイスリラーだが、現在のドラマ黄金期を代表する傑作のひとつだ。冷戦末期にアメリカに潜伏するKGB夫婦を主人公に、戦争と家族を丹念に描いていく本作は、大作映画のいちジャンルになったスパイアクションとは真逆のおもしろさを持っている。


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