詩:根府川


ネブカワの海
引力がちょうどに途切れる場所を
そのひびをなぞるように
砂利の上を歩いていた
もろい輪郭を撫でられるように
ゾウリムシで歩いていた

ここに根をはって
線路に蔦がからまっている
あれは?
ワモンダコ。
あれは?
ホウキムシ。
。マキガイ。
。。ホシノコ。

化石が細いけむりになる頃
翠の駅舎がかえりを待つ頃

_____

珍しく縦書きにしました。
。。で泡感、出てるだろうか。
ホシノコ、なんて柄でも無いんですが、根っこが鈴木翁二好きの人間なので、こういうのを無性に書きたくなることがあります。

*ちなみに、神奈川県に根府川駅というのがありまして、関東大震災の地滑りよって、列車も駅舎も海に落ちてしまった、という事故がありました。今も線路などのガレキに藻が生えて、海中に残っています。

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