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あの目の輝きに嘘はない

忘れたくないことを
忘れてしまいそうで
わたしの代わりに覚えていてくれませんか。

2013年9月26日。
なぜか間違って録画されていたアニメを見た。
最終回らしい。
なんのストーリーも知らない。

突然彼は泣き始めた。

その潤んだ瞳に嘘はなかった。
孤独から逃げ出したい彼の訴えは本物だった。
その時のわたしの心を代弁していた。

突然わたしも泣き始めた。

最後に彼は笑った。

わたしは、笑えなかった。

隣に誰もいない。孤独のままだった。

彼に似ているようで、似ていない。


あの瞳がほしい。


7年が経ち、
彼はシドニーに住み始め、
ときどき「よっただいま」と言いながら日本に帰ってくる人になった。

わたしは海外にいた時期を経て、
また孤独に負けて、
これからも日本で生活しようとしている。

隣に誰かいたら。

仲間がいたら日本から飛び出せるだろうか。

「逃げ」だなんて言われないのだろうか。

孤独はいつ消えるのだろうか。

日本にいたって消えるものでもないのに。


あの瞳が今でもほしい。


見たことのない景色を見ているその瞳がほしい。

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