布部文子

スウェーデン在住。音楽を作っています。文を書きます。日常や旅行記など。音楽はぷに子で製…

布部文子

スウェーデン在住。音楽を作っています。文を書きます。日常や旅行記など。音楽はぷに子で製作しています。PunikoでSoundCloudに曲をアップしています。Twitterとinstagram @puniko27 です。

マガジン

  • 日々のこと

    日常のこととかです。

  • 旅した場所のエッセイや記録。年日月は戻ったり進んだり、ばらばらです。

最近の記事

最近の任務はアルファベットを並べること

2歳の子どもの意とするように、アルファベットのスポンジを机の端に並べるというお仕事に励む。アルファベットを子どもが望む向きとは違う向きに置いて、理不尽にも時々怒られる。aとかcの向きが、本来の向きとは違うことが多い。方向を何度も置き直して、満足してもらう。これを一列し終えたら、また最初から並べて遊ぶ。私はこの単純作業で、眠くなってしまう…。少しだけ、寝落ちてしまいました。 こういう地味な仕事が重なって、あっさりと、時間は溶けていく。毎日毎日。自分の周りの生きている人たちが機嫌

    • 食べたい記憶の味を巡るvol.1

      時折ふと思い出しては、食べたくて堪らない気持ちになってしまう食べ物がいくつかある。その殆どは旅先で食べたものであり、何の気もなしに口にしたものばかりなのだけど、そのどれもが強烈に私の胃袋を叩いて、離さない。 食べた当時の思い出と合わさって、記憶している食べ物の味は、実際に食した味よりも優っていることもあるのかもしれない。しかし思い出の味といっても、舌の記憶は鮮明にその食べ物の味を覚えていると思う。記憶に関していえば、私は結構いいのだ。食べ物を食べたその時の体の状態、疲れていた

      • Gosedjurens dag、子犬日記

        上の子どもの学校のクラスで、明日はGosedjurens dagを行いますという学校便りのメールを受け取った。日本語に訳せば、ぬいぐるみの日でいいだろう。このぬいぐるみの日にクラスで何をするのかというと、自分の好きなぬいぐるみを通学のかばんに入れて学校に持って行き、それをみんなに紹介したり一緒に遊んだりするというものだ。年に1〜2回開催されるようで、殆どの学校や保育園がテディベアの日の周辺にこの日を設けている。他の子がどんなぬいぐるみを持って来てどんな名前をつけているのか、そ

        • 子どもの髪の毛

          上の子どもが紙用のはさみを手に持って、聞いてきた。「あなたの髪の毛を切ってもいい?」と言う。私は即座に「嫌です」と答えた。パートナーにも同じように聞き、同じように断られていた。すると今度は下の子の髪の毛を切ってもいいかと聞くので、だめだと答えた。子どもはただ好奇心で髪の毛を切ってみたいらしいのだが、それはもちろんだめだ。もちろんだめだというか、それは固く断りたい。その、素直でかわいい好奇心には共感するけれど、髪を切ってもいいかというと、それは賛成できない。絶対にだめだ。髪の毛

        最近の任務はアルファベットを並べること

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        記事

          コペンハーゲンにある水族館、ブループラネット

          約2年年半振りに、車でコペンハーゲンに遊びに行く。自宅からコペンハーゲンまではたったの30分程度で行けるのだが、近年のパンデミックの影響でスウェーデンとデンマーク間の道(車か電車)は特別な理由がない限り通ることが出来なくなり、以前のように気軽に出かけることがとても難しくなってしまっていた。だけれども、先々週辺りからデンマークのパンデミックによるあらゆる規定が取り払われたということで、久しぶりに車でコペンハーゲンに行こうということになった。というのも、日曜日が私の誕生日なので、

          コペンハーゲンにある水族館、ブループラネット

          昼食のポリッジ

          下の子どもの昼食に、ポリッジを作る。粉状のポリッジをお湯でぐるぐると弾力が出るまで混ぜるだけなので、すごく簡単に出来上がってしまう。簡単な上に、乳幼児用のものなので、鉄分やカルシウムなども配合されている。用意が簡単なのに栄養価が高いので、このポリッジには、かなり助けられているというもの。毎食ごと、ご飯粒の散らばりやら油分でベタベタの手口やらの後始末に追われないでいられるのは、体力精神力共に余計な力を使わなくて済む。そして昼食は、何故だか絶対に、このポリッジではないとだめなのだ

          昼食のポリッジ

          子どものセルフねんねを、インディアナ・ジョーンズの映画で…

          昼食後、気になっていたNetflixの番組、ナディヤのお助けクッキングを観ていた時、子どもがカーペットの上でセルフねんねをしてくれそうな雰囲気だったので、続けて何か映画でも観ることにした。ナディヤさんの番組がイギリス英語だったので、同じく何か英語のものを見ようと思い、観終わった後の画面に出てきたものをさっと適当に選んだ。インディアナ・ジョーンズのシリーズの初作映画、レイダースの失われたアークだ。子どもはカーペットの上でカシミアのカーディガンの一部を掴んで舐めてはごろりごろりと

          子どものセルフねんねを、インディアナ・ジョーンズの映画で…

          着たい服を着るけども

          今日の私の服装。エイチアンドエムのメンズの長袖Tシャツに、ジーンズを合わせて着ている。長袖Tシャツは、セサミストリートのエルモの全身が胸元に一体と、袖にエルモの顔面が大きく三つプリントされているもの。ジーンズはデプチオーで、股上の両側には、花や葉っぱのかわいい刺繍がたくさん施されているものだ。 無論、自分の趣味でエルモがたくさんプリントされた服を着ている訳ではない。下の子どもはセサミストリート、その中でも特にエルモのことが好きなので、私がそのTシャツを着ていたら、エルモのこと

          着たい服を着るけども

          正月のクリスマスケーキ

          年を越して、新年も既に三日が過ぎようとしていた。そんな新年三が日の最終日、我が家のクリスマスケーキは完成した。スポンジケーキは元旦の夕刻に焼いておいたものだ。ケーキの中に挟む苺はスペイン産のもので、昨年のクリスマス前に購入していた。3個ほど、黴が出ていてだめになってしまっていたけれど、季節外れの苺にしては、さほどに悪くはなかった。こちらでは苺のケーキを食べるのは夏の間のみで、地産の季節物を使って料理をすることを常としている。私のように、一年を通して苺のケーキを食べるといったよ

          正月のクリスマスケーキ

          イースタッド動物園

          週末の天気予報は、秋晴れだった。スウェーデンに住んでいると、天気の良い日に外に出ずにはいられない(特に長い長い冬が訪れる前)ので、日曜日はイースタッド動物園に行くことにした。前日の土曜日は終日を費やして翌日の準備と心構えをして、心身を備える。しっかり身構えてから出かけないと、子ども二人連れの外出ともなれば、身が持たないのだ。そして日曜日の昼に近い午前、まずはリーデルに寄って昼食とおやつを買い込んでから、動物園へと出発した。小さな規模の動物園なのでレストランは園内に一つしかない

          イースタッド動物園

          サンドイッチの底でフラメンキッシュ

          大好きなフラメンキッシュを、すごく大きな食パンで作ってみる。食パンは、この街唯一の小さなスーパーマーケットのテンポで冷凍品で売られていたもので、以前から気になっていた品だ。Smörgåsbotten(サンドイッチの底、という意味)と名付けられた、大人の大きい両手を広げてもすっぽりと収まるほどの大きさの食パンだ。パーティー等のオープンサンドに使われることを主としたものであろうと思われるが、私の場合は、料理がめんどくさい時の簡単ピザ用なのだった。 結果から言えば、このパンフラメン

          サンドイッチの底でフラメンキッシュ

          じゃがいもを掘る

          しとしとと降り続いた雨が漸く上がった、日曜日の午後。子どもと一緒に、庭のじゃがいも掘りをする。大きなフォークを地面をにぐさっと突き刺して、ドスンと両足でフォークの上に乗って土を抉る。土が簡単にぼこっと浮くのが楽しい。数回もぼこぼこっとすると、じゃがいもがぽこぽこっと出てきた。ザクぼこぽこっと、じゃがいもが土の中から出てくる。私の予想を超えて、しっかりと成長したじゃがいもがぽんぽんと出てくる。赤ちゃんの頭くらいの大きさに育っているものもあれば、大人の親指ほどに小さいものもあって

          じゃがいもを掘る

          カミシアがいいらしい

          下の子が、私のカシミアのカーディガンを抱きしめて、においを嗅いではむぬむぬ舐めて、「んああーっ」と言葉を発した。不意をつかれた行動に、びっくりした。私はそれは、水や汁物を飲んだ後だけに出てくる言葉だと思っていた。いや、思い込んでいた。 子どもに教えてもいないのに、味噌汁を赤ちゃん用の小さい匙で飲んだ後、その都度子どもが「んあーっ」と言うので、人はおいしいと感じるものを口にした時は自然と言葉を発してしまうものなんだなと納得していた。そして「んあーっ」の「あ」の発音は濁点混じりの

          カミシアがいいらしい

          初めてのハロウィン

          ハロウィンの装飾にすごく力を注いでいる家の飾りつけを見たく、線路の反対側の地区に行く。そこの家の装飾は他の家と比べて明らかに浮いているくらい、すごいのだ。昨年度までの保育園の送り迎えの時(家から少し離れた保育園に通っていた。モンテッソーリだという理由で)、私はその家のハロウィン飾りを見ることが、その時期の小さな楽しみになっていた。この街は電車の線路によって街が二つに分断された形になっていて、私たちが住む地域の家の立ち並びや見た目はいたって普通の住宅街なのだけど、線路をひょいと

          初めてのハロウィン

          天使の何だったっけ

          食材をフライパンにぶち込んで蓋をしてほったらかし、の料理。野菜と肉に火が通って汁が出てきたところで、ビーフンを入れて、また蓋をしてほったらかし。フライパンで、ほったらかし料理。今日の品は、ビーフン。野菜を一種類か二種類を切ることができるくらいの体力が、今夕はあったのだった。 ビーフンを手でばきばきりと折りながら、思った。あれっ、ビーフンって、フランス語で何ていうんだったっけ...。あの、天使、天使の、天使のあれ、天使の何か...。 私「このお米のめっちゃ細い麺、フランス語で何

          天使の何だったっけ

          拾った学校鉛筆

          学校のお迎えの帰り道で拾った学校鉛筆を、 使ってみる。ササーっととてもいい書き心地で、びっくりする。自分の部屋で見失ってから数週間も探していたミッキーマウスのシャープペンシルが、やっと見つかったというのに。昔、家族旅行でイギリスの飛行機に乗った時に機内販売で買ってもらって以来、数十年経った今でも、使っているものなのだけれど。これからは、この鉛筆を使おう。するするっと書けてしまうから、書いた文字が気に入らなくて書き直すという失敗なども、きっと減るだろう。ということは、前よりも勉

          拾った学校鉛筆