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ベルギーのゲント、1.2リットルのビールと靴は預けさせられる 2018.08

「ビールを飲み干すまでは、靴を返して貰えない」

そんなわくわくさせられるお店が、ベルギーのゲントにあった。

車でスウェーデンからフランスに向かう途中で、ベルギーに立ち寄った。
ベルギーというと、タンタンにチョコレート、そしてビールが頭の中に出てくる。
単純だけれど、どれもみんな、ベルギー観光には欠かせないものだ。

ベルギーに入った日がちょうど日本のお盆休みと重なった為、首都のブリュッセルの街中では、たくさんの日本人観光客とすれ違った。久しぶりの日本人の雰囲気に親しみを感じながら、お昼ご飯を食べたり買い物を楽しんだ。
街にはチョコレートやワッフルのお店がたくさんあって、ベルギーを訪れる前のベルギーのイメージが、間違いではなかったことが嬉しい。実際、小便小僧の像の周りには、ワッフルのお店がたくさんあった。ベルギーのイメージというより、ブリュッセルのイメージになっちゃうけどね。
とてもおいしそうなワッフルのお店があったのだけど、2店舗ともに人が溢れていてすぐに買える状態ではなく、並ぶ時間の無い私たちは食べれず、泣く泣くその場を離れた。しかし、本当においしそうなふっかふかのワッフルだった。あれは絶対においしいだろう。

私たちは車移動なので、駐車の面からホテルはブリュッセル郊外の街、ゲントに取った。ブリュッセルの街中を車で走るのはとても面倒だったので、市内にホテルを取らなくて本当によかったと安堵する。
ブリュッセルからゲントまでは車で1時間もかからない程度で、車移動の旅ならば、ゲントに宿を取るのはおすすめだ。
ゲントの旧市街は中世の雰囲気がそのまま街中に残っていて、その中にお店やレストランがたくさんある。街の規模も大き過ぎなくて、歩いて周りやすい。
旧市街から少し外れた場所には私のお気に入りのお店の Des Petits Hauts があったし、他にもかわいい服屋さんとかインテリアのお店があって、買い物も楽しい。

そんな素敵な旧市街に、バー、Dulle Griet はある。
ビールは500種類以上も取り揃えていて、お店のオリジナルビールもある。
タイミングよく空いた窓際の席に着いて、ざっとメニューに目を通す。
たくさんのビールがある中で、私はもちろん、このお店の看板メニューの MAX VAN HET HUIS Blonde を注文した。
このビールはこのお店のオリジナルで、そして1.2リットルのグラスでしかサーブして貰えないというもの。アルコール度数が7.5%と少し高めなのが、ビール好きの私には嬉しい。
夕食代わりのおつまみにハムとチーズも注文して待っていると、店員さんがやってきて、私の靴の片方を貸してと言う。何を言っているのか最初は理解できなくて、聞き直したらやっぱりそうで、店員さんにサンダルを脱いで渡した。店員さんは私のサンダルを手に店の中央に歩いて行き、天井から吊るしてあった金物のバスケットを下ろして、サンダルをその中に入れてしまった。そして私のサンダルが入ったバスケットを、するするとまた上に戻した。

ははあ、なるほど、そういうことなのか!!

どうやら、ビールを飲み終わるまでは、預けた(強制的に)靴を返して貰えないらしい。そういえば、隣の席のお姉さん2人も、片靴を履いていない。
注文したからには、絶対に飲み干さなければならないビール。しかも、1.2リットルでアルコール度数は7.5%。
側から見れば威圧的な態度だとも取れるこのシステム、もちろん店内はそんなような雰囲気はなく、楽しいサービスの一部だ。
出てきた1.2リットルのビールは、こんもりと白い泡が乗っていて、それを最初は啜って飲むのだけど、それがとてもまろやかだった。おいしかったのは、いうまでもない。
味わいながらも、ぐいっとたっぷりと飲むことを楽しめるビール。ありそうで、なかなかないんじゃないかな。アトラクション的なメニューだけど、それでいて、味がいい。
杯の最後の方は、グラスの底が見えないから、いきなり流れ出てくるので注意です!私は、ごぼごぼぼって、なりました…。
しっかり1.2リットルのビールを飲み干して、サンダルを返して貰う。ただ、店員さんは1人しかいなく、忙しくてなかなかテーブルに来てもらえなかったのが残念だ。

ブリュッセルに来たらその足を少し伸ばしてゲントまで、そして Dulle Griet に行ってビールを楽しむ。
おすすめだし、私も必ず再訪したい。


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