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カメのおじいちゃんとカメの子供のブローチ

今年は、辰年ということもあり、初めて龍の絵を描く機会がございました。
もともと動物の絵を描くのは苦手でございまして、どちらかというと人間を描くことが今までは多かったのですが、龍を描くことができたのなら、他の動物も描けるかもしれないと、少し前向きな気持ちになることができました。

「好きな動物は?」と聞かれるたびに、いつも全く浮かんでこない私は、特別好きな動物というは、今のところおそらく無いのだと思います。
強いて言えば、好きな動物といえば、私の中では「人間」だったのかもしれません。

私のような人ばかりではなく、周囲の人たちを見ていると、好きな特別な動物がいるという方もたくさんいらっしゃるように思います。
ペットを飼っている方は、その動物が好きだから飼っているのだと思いますし、自分の干支だったり、星座だったり、自分に縁があり、関連する動物に特別な思い入れを持っている人もいるようでございます。

私の母方の祖母は、カメという名前でございました。
名前にふさわしいというのか、長生きなおばあちゃんだったのですが、私の母は、今も昔もカメのキーホルダーを、いつもカバンにつけております。
古くなったキーホルダーは、気が付かずに落ちてしまっていたり、知らない間に無くしてしまっていたりすることがあると思うのですが、何回無くしても、また新しいカメのキーホルダーをどこからか見つけてきて、どんな形でもお気に入りなのだそうです。

カメという動物に強い思い入れがあるのは、尊敬していた祖母の存在が大きかったというのはもちろんなのですが、祖母が亡くなってからは、キーホルダーを身につけることで、いつでも傍にいてくれるような気がしているのだと思います。
祖母のように、高齢の方で動物の名前が付けられている人もよくいらっしゃいますが、亡くなった後でも、その動物のキーホルダーやぬいぐるみなどが、残された家族の心の支えになることもあると考えると、動物の名前というのは、とても良い名前だなと感じます。

私の知っているおじさんに「トラ」という方もいらっしゃるのですが、若い人たちの中には、そのようなシンプルな付け方ではなくて、男の子なら「虎」や「龍」など、漢字として含まれていたりして、そんな方々は、自分の名前にある動物には、やはり思い入れを持ったりするものなのでしょうか。
最近は、男女どちらにも似合う名前が増えてきている印象もございますが、女の子には、お花の名前が含まれていることも多いような気がしております。

私も生まれたとき、名前の候補に「咲」という名前があったそうなのですが、生まれた病院の周囲にたくさん花が咲いていたから、という理由だったそうでございます。
結果的には、「咲」という候補は無くなり、代わりに「賢くなるように」という意味の名前になったのですが、親としては、私が将来困らないように賢くなってほしいという願いで名前を付けたそうです。
生まれたときのインスピレーションやイメージ、言葉の響き、その子に対する親の願いなど、それぞれ名前の付け方はご家庭によって違うのだと思います。

私は自分の名前に、象徴する何かがないので、あまり名前に思い入れはなかったりするのですが、動物にしても、花にしても、自分の名前に使われている言葉や漢字などは、自分を象徴するようなものへの思い入れにつながることがあり、それが大人になったとき、自分を表現する取っ掛かりになったり、名前を覚えてもらいやすいとか、目に付きやすい存在となるきっかけになることもある大切な要素のように思います。

私の祖母は、周囲の人から「カメちゃん」と呼ばれておりまして、温厚で多くの人に可愛がられる人でございました。
若いころは、名前にコンプレックスがあったという話も聞きましたが、おばあちゃんの姿しか知らない私からすれば、「カメちゃん」と呼ばれているおばあちゃんが可愛らしくて、私は好きでございました。

カメのブローチは、母の日にプレゼントしようと思って作っていたものなのですが、もし、母のようにカメに思い入れがあって、カメのブローチが欲しいと思っている人がいるかもしれないと思いまして、販売することにいたしました。

とりあえず春らしい色合いにしてみたのですが、色や甲羅の模様などは、いくつか考えて変えてみても良いかなと思っております。
動物のブローチをこれからも増やしていこうと考え中でございます。

まだ、あまりブローチを作り慣れていないというのもあり、正直なところ、大きさを少し迷いながら作っております。
作ってみると意外に大きく感じてしまったり、付けてみると、案外気にならないような気もしたり、ちょうど良い塩梅がよくわからなかったりするので、自分でもブローチを日常的に付けてみようかなと思っております。

自分で作れるようになると、私の名前にも動物の名前が入っていたらよかったなと、今更ながら思えてきました。
来年は巳年でございますので、蛇の絵をたくさん描けると思うと、今から楽しみでございます。
龍の絵を描いたことも、蛇の絵を描くのに良い経験になったように思います。

家族や好きな人と一緒にいるだけで幸せな気持ちになることは多いかもしれませんが、何も人でなくとも良いと思いますし、誰しも年を取りますから、そんな人たちがいつでもいてくれるとは限らないこともあると思います。
物でも動物でも植物でも、特別な思い入れがあると気づくことは重要なことで、好きな人がそばにいてくれてるような気持ちにさせてくれる、身につけることで、幸せな気持ちになるような物を作ることが、大きな目標でもございます。

また次も見て頂けましたら、幸いでございます。

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