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私が着付師になるまで③

編入可能?

 他装(人に着せる)を学べる着付教室へ変更するにあたりチェックしたのは、実力に見合ったコースへ編入可能かどうかでした。
 結論としては、同じ流派なら認められる教室もあるようです。
 私が様々な条件下で候補に選んだ教室は、割と有名なカルチャースクール系でした。こちらは他校からの編入は一切認めないとのことでしたので、再び自装から学び直しとなりました。
 「これじゃあ、ワンコイン教室で学んだ9か月は無駄だったのか…?」
 通い出した頃は、自問自答する日が続きました。

これが流派なのね

 この教室は、着物販売会やお出かけ会などはカリキュラムになく、学びに集中できるところでした。
 ただし、使う物の配置及びたたみ方・紐の結び方・名前が複数ある小物(例:伊達襟or重ね襟)の呼び方等々、それはもう何から何まで決められていて、これ以外は認めないというのです。だから私は「自己流が多い」と講師から随分言われていました。
 「前の着付教室ではこのやり方で教わったんですけど」なんて言おうものなら、「ウチのやり方はこうですから」と、多様性を認める寛容さなどありません。
 このことからようやく、着付にも茶道や華道のように流派があることを知りました。
 先に別の教室に通っていなければ、違いを知ることはできないままだったでしょう。あの9か月は決して無駄ではなかったと思うようになるまで、それほど時間はかかりませんでした。

自装から他装、さらに師範を目指して

 この教室のカリキュラムは自装コース(全15回・5か月)、次に他装コース(全30回・10か月)となっていました。
 カリキュラムの詳細や長所短所、個人の感想などは別の記事にしました。よろしければこちらもぜひご一読ください。(2024年4月28日更新)

 長くて厳しかったですが皆勤し、さらに上級の師範コース(全30回・10か月)に進む頃には、2018年になっていました。
 これを受講し、卒業試験に合格すれば、教室認定着付師及び講師となれるのです。
 また、受講中には着付の現場にアシスタントとして入るようにもなります。
 私は成人式のお支度を手伝いました。これは実習だからてっきり無給だと思っていたのですが、なんと有給なんです!
 ここは素直に喜びたいところですが、「私、本業公務員なんで、これ貰ったら副業ってことになっちゃう?」手当が支給されたとき、心の中で呟きました。実は公務員って、副業は禁止されているのです(一部例外あり)。
 教室側は私の職業を知りませんし、私も習い事のつもりでいたから、勤務先には副業の届出なんてしていません。
 祝日に単発で、金額にして数千円だったこともあり、結局どこにも黙ったまま終わりにしましたけど…
 今だから正直に言いました、はい。

着付に使う紐の置き方いろいろ。
着付師の肩や首に掛けることはタブーとされているが、着付スペースが狭いと、そうせざるを得ないこともままある。

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