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広告媒体と遷移先ページ おすすめの組み合わせを解説

広告の出稿に関して相談を受けたり、リプレイス案件を受けたりしていると以下のような『商材の特徴と広告媒体がうまくかみ合ってない』ために、広告費を無駄にしてしまっているケースをよく目にしました。

  • ターゲットが超ニッチなBtoB案件なのに、DtoCの運用手法をそのまま使ってFacebook広告とLPで頑張って運用して、結局成果が出てない

  • 緊急商材なのに広告主がYouTube広告を出したいと言っているから、とりあえず出してる

広告の運用経験がなくても「サービスの利用を検討している顧客がどのように情報収集しているか」を念頭に置けば、適切な広告媒体を選べます。

なのに肝心の媒体選定が「運用慣れしているもの」や「やってみたいもの」のように、本来手段であるべきことが目的化してしまっているケースはまだまだあると思います。そういった状況が少しでも減ればと、商材の特徴や顧客の情報の得方に応じた『広告媒体と遷移先ページ(HP形式か、LP形式か)のおすすめの組み合わせ』を解説したツイートを投稿したところ、大きな反響をいただきました。

ツイートでは伝えきれなかったこともあるので、今回は上記ツイートについて、もう少し詳しい説明をしていければと思います。

商材の特徴別、おすすめの広告媒体と遷移先ページの組み合わせ

解説に入る前に、画像広告やLPといった言葉をどういう意味で使用しているかについて以下に記載します。

【画像広告】
Facebook広告やTwitter広告などのSNS広告、その他Googleディスプレイ広告やYahoo!ディスプレイネットワークなど画像主体の広告を指します。
【検索広告】
リスティング広告と呼ばれる、Google検索広告やYahoo!検索広告などを指します。

【LP】
1枚ペラでつくられることの多い、HPのような階層を持たない縦長のウェブページを指します。狭義の意味のLPです。
【HP】
企業のHPやサービスページと呼ばれる、階層を持つウェブページを指します。

1/4.衝動買いされやすい商材の場合

衝動買いされやすい商材は画像広告とLPを組み合わせるとよいです。
衝動買いされやすいかどうかは、常にある程度のニーズが、多くのユーザーの中に広くある商材かどうかで考えています。

衝動買いされやすい商材はなぜ画像広告なのか

画像広告は検索広告のように明確な目的がある状態で広告を見られることは少なく、SNSやブログの閲覧といった他の行動が行われているシーンで広告が表示されます。

そのためユーザーの中にそもそも存在しないニーズを広告画像のみで喚起するのは難しいです。よって画像広告ではもとから人々の中に存在しているニーズを喚起するほうが購買に結びつきやすくなると考えています。

たとえば化粧品や脱毛エステといった商材は「見た目をよくしたい」という人間の欲求の中でも比較的大きく誰でも持っている欲求を叶える商材です。そのため衝動買いが発生しやすい商材と言えるのではないでしょうか。

また静止画だけでなく動画広告も有効です。静止画の広告では如何に広告で興味を引き立ててLPに誘導するかという関門が初めにありますが、動画広告の場合はいきなりストーリーを展開できます。様々な情報をユーザーへ届けられるので、動画広告の方が商品の魅力を伝えやすい側面があります。

衝動買いされやすい商材はなぜLPなのか

画像広告の遷移先が一枚ペラのLPのほうがよいと言われる理由のうちポピュラーなものは「LPのほうが横道にそれにくく購買まで一直線に進めるから」というのがあります。確かにそういった理由もありますが十分ではありません。

LPを使用する目的はユーザーによるページの回遊を避けるためではなく、情報の収集や購買の検討の意欲が低いユーザーにも購買検討に必要な情報を取得してもらうためであると私は考えます。

画像広告をクリックしたユーザーは元々SNSやウェブページを見ていたユーザーであり、商品やサービスの利用を積極的に考えていません。そうしたユーザーは購買意欲がまだ低い状態なので、購買に足る情報が見つからなければすぐに離脱してしまいます。

その点、LPであればスクロールするだけで情報を得ることができるので購買意欲の低いユーザーでもページ内容に注目してもらいやすいです。LPの中でフラットに近かったユーザーの態度を購買に近づけられれば、コンバージョンとなります。

コンバージョンするには購買の検討に必要な情報をすべて伝えればよいというよりは、「自分もこうなりたい!」「こんな状態いいな!」と感覚的に思ってもらうことが重要です。感覚的に良いと思ってもらえば、その後に提示するメリットはどんなことでも後押しになりますし、デメリットは些細なことと処理されやすくなるんじゃないかと考えています。

2/4.検討期間が長い商材

検討期間が長い商材は検索広告とHPを組み合わせるとよいです。
検討期間が長くなる背景は、サービスの利用にかかるコストが大きかったり、その後長期的に利用される商材である場合が多いです。住宅や学習教材といったBtoC商材もありますが、BtoBにおいてはほとんどが検討期間の長い商材となりそうです。

なぜ検討期間が長い商材は検索広告なのか

認知の拡大を目的とした場合は画像広告を配信するのも手ですが、より獲得に向けた施策とする場合は検索広告の配信もマストとなります。(ただし商材によって例外はあります)

検討期間が長いということは、コンバージョンへのハードルが高いこととほぼ同義だと考えています。検討に時間が要すサービスの利用を安易に決めることは難しいです。

そのような商材を画像広告でいきなり紹介しても、利用してもらえる可能性は低いでしょう。そのためある程度利用意欲がある、検索して利用先を探しているようなユーザーに対して広告配信ができる検索広告が望ましいです。

なぜ検討期間が長い商材はHPなのか

検討期間が長くなる商材は、皆が一様な情報のみで購買を決定できる商材でない場合が多いです。そのためユーザーが自身の求めている情報にアクセスしやすくかつ、豊富な情報量を掲載できるHP形式が望ましいです。

LPに余すことなく情報を掲載することも可能ですが、情報量が多くなるほどページは縦に長くなりますし、ユーザーによって重視する情報は違うので探している情報へすぐにアクセスできないと検討そのものを降りられてしまいます。

そのため多様な情報を掲載する必要のある検討期間が長い商材は、ユーザーが必要としている情報にアクセスしやすいHP形式が望ましいです。

3/4.急いで解決したい商材

緊急商材とも言われる、急いで解決したいときに使われる商材は検索広告とLPの組み合わせが相性がよいです。

緊急商材はなぜ検索広告なのか

検索広告を利用したほうがよい理由は、緊急商材が利用されるタイミングはかなり限られているためです。

そのタイミングとは緊急事態が起きたときのみです。水道修理の場合は水道が壊れたタイミングのみですし、カギ交換はカギを紛失したり壊したタイミングのみです。

そういったタイミングとなれば、ユーザーは検索して業者を探すか、冷蔵庫に貼ったマグネットの広告から電話をするのではないでしょうか。

引用元:ai mart

反対にカギ交換などいつ必要になるか分からないサービスの広告がディスプレイ広告で配信されていたとして、ユーザーはそれを見て「おっ、カギが無くなったらここに電話しよう!」と覚えていてくれるでしょうか?

「認知拡大のため」と依頼があることもあるようですが、そのためであればわざわざWeb広告に予算を使用する必要はありません。

緊急商材はなぜLPなのか

緊急商材は簡素な造りのLPが相性がよさそうです。

なぜなら緊急商材を探しているユーザーは「起きているトラブルを早く解決したい」というニーズがあるためです。どう問い合わせたらよいか、サービスの対象エリアはどこか、金額はいくらかといった情報を手っ取り早く取得したいはずです。
そうした場合、簡素なLPタイプが望ましくなるのだと思います。

またカギ交換や水道修理などといったサービスの利用を検討する際に必要となる情報は、大体の人がほとんど同じです。注文住宅のように、それぞれの好みが分かれることはあまりありません。

そのため簡素なLPタイプが問い合わせもしやすく、情報も取得しやすいため便利となるのでしょう。

4/4.ブランド好感度が決め手となる商材

ブランド好感度が決め手となる商材は画像広告とHP形式の組み合わせをよく見かけます。
ブランド物の広告施策はすでに練りに練って行われているケースが多いので、本記事を読み進めている方の参考にはなりにくいと思い簡単に解説していきます。

ブランド好感度が決め手となる商材はなぜ画像広告なのか

画像広告を使用する理由は、高価なブランド物のよさを感じてもらうためにはテキストのみよりも画像付きの方がよさを感じてもらいやすいからです。

また静止画だけでなく、動画広告もブランド認知度や好感度を高めるのに役立ちます。

ブランド好感度が決め手となる商材はなぜHPなのか

ブランドをより知ってもらう、より興味を示してもらうことが目的のため、こちらから特定の情報だけを提供するというよりはユーザー自身にサイトを探索してもらう方法が一般的でよく見かけます。

商品の説明が豊富な販売サイトへ遷移させる場合もありますし、ブランドに即したストーリー記事といった広告の遷移先ページもよく見かけます。

ブランド物は高価なものが多いため、広告を見て即決できるようなものではありません。
あくまで認知度や好感度を高めるための施策なので、縦長LPのようにユーザーの行動をむやみに制限するよりは、ユーザー自身が興味を持ったことに関して、情報を探索しやすくする仕掛けの方が重要です。

さいごに

広告媒体と遷移先ページの選定方法について、僕が普段考えていることを書き出しました。

効果的でない組み合わせで配信してしまうだけで、どれだけ頑張って運用しても成果が出にくくなります。

「Web広告って、意味なくね?」「お金無駄じゃね?」となってしまっては、広告主も運用者も消費者も誰も幸せになりません。

例え少額でも効果的な運用が行われ、事業者と消費者の素敵なマッチングの一助となればとてもうれしいです。


普段ツイッターで「運用型広告を運用していて気付いたことや、Webマーケティング関連のツイート」をしています。よかったらフォローお願いします。

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僕は特に運用型広告の記事を公開することが多いので、よければぜひ見に来てください。


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