「今日はごめんな」
妹にLINEを入れたところから。

正直後は待つばかり。時間は相当無い。DVDに落とすためのデータ作成がまず相当時間かかってる。もう妹の挨拶が終わってるんだから，5分程だろうか。

このタブの共有を選択して

その後に、このファイルを選択して動画ファイルを作成してから別のDVD作成ソフトを利用してDVDに落としていくのだが、

私はこの時、正直間に合わない予感を感じていたのでiTunesを選択してiTunesで動画を再生できるようにしておいた。そして、事前にパソコンをHDMIケーブルでつなぐことが出来る事を確認しておいた。そう、神リスクヘッジ再び。間に合わなかったらパソコンつないで再生できるように準備しておいてもらったのだ。

神リスクヘッジ！！！！

iTunesにファイルが作成された時、黒田が大慌てでやってきた。
「もう、時間がありません。どうしましょうか。エンドロール諦めますか？」
おいおい、黒田、何を言っているんだ。今まさにiTunesで再生できるようになったところなんだぞ。ここで流すの諦めたら、俺は今日一日妹の結婚式にもほとんど参加しないで陰でパソコンで遊んでた人になっちゃうだろ。そして、このマガジンだって最悪の最終回になって苦情のいたずらFAXが数十メートル届いちゃうだろ！

「HDMIケーブルでつないでパソコンを直接映すことにします。試しに流してみる時間なかったんでぶっつけ本番になりますけどお願いします！」

パソコン持って裏の通路を走ってなんか機械がいっぱい置いてある裏の部屋に行って、スーツが裏返しだったのを直して、裏の顔を覗かせながらコインの裏が出る方に全財産賭けて、それはもう精一杯裏方に徹した今日の成果を披露する。

初めてだから「iTunesで流したら画質はどうなんだろう」とか、「メモリ不足によるカクカク現象は起きないかな」とか、「途中で充電切れたらどうしよう」とか「トランプ氏が大統領になったらどうなるんだろう」とか色んな不安があったけど、とにかく間に合わせるにはこのぶっつけしか無い。

「・・・さきほど、シュークリームのサプライズプレゼントをしてくれましたお兄様が本日の挙式から披露宴までの映像でエンドロールムービーを作ってくれたそうです。スクリーンにご注目ください。」

お兄ちゃん、今日一日頑張ったよ！
恒例の無駄なLINE送信をしてから、私は再生ボタンを押した。

最終回は近い