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鳥屋野潟の娘の5400秒−ep6−

勝利して戻ってきた週は実に気分がいい。この勢いをホームに持ってくることができるのか。(以前はらしいが)アルビは夏に強く、ホームでとても強かったらしい。わたしがはじめてアルビの試合に来たのが、夏だったはずだが、当時J1にいた対徳島戦に負けてた記憶がある。夏だろうが春だろうが、とにかく勝ってJ1に戻りたい。

勝ちたいと思えば思うほど

第21節 大宮戦をホームで迎え撃つ。

相手は16戦負けなし。同じオレンジ、そして立地的にも多くの相手サポも押し寄せるだろう。我々はといえば、勝利すればみんなでペンライトを振って歌うというイベントを控えている。なんとしてもホームでこの景色を選手に見せたいと気合が入る。

仲間と落ち合いながらいざ試合へ。

鹿児島戦では感じ取れなかったが、なんだか動きが違う。躍動している。ブラジル人選手の機動力もさることながら、前への推進力、パスの配り方、高木選手もすばらしい視野でボールを配り続ける。このまま行くと、前半で勝負がつくかなどと楽観していた最中、きれいにセンタリングからのヘディングで1点取られる。

頼むよ、なんでこんな綺麗にやられるんだよ。

それでも攻撃の手をやめない。球際の激しさ、どこまでも追いかけるその姿、それこそがアルビだ。前半に追いつかないとこれはまずいと思った矢先、1点を取り返す。試合を振り出しに戻した。

みんなでみたい景色がそこに

後半ペースが落ちることなく、せめつづける。ところどころ危ういシーンもあり、幾度となく天を仰いだ。それでも手を緩めない。みんなでやり続ける。

スピードを活かして裏へ抜け出したその一閃。1点を追加。みんなよく前にすすんだ。またも猛攻に合い続ける中、最後の砦、自陣のキーパーも踏ん張り続ける。

終了のホイッスル。大歓声。灯るペンライト。みんなで歌いながらとにかく灯りをふる。あとで、選手のインスタグラムで観ると、フィールドから見ると、こんなにも美しく見えるのかと感心した。選手もこの景色が見たくて勝ちたいととも語る。

誰かに人生をかけるということ

少し前に、スポーツの応援に対し、他人に人生をかけてんじゃねぇ、という方がいた。上等だ。他人に人生をかけてるんじゃないんだ。他人の人生と自分の人生が重なる地点が、スタジアムという場で、応援しながらきっとみんなも自分自身を鼓舞している。誰かのため、みんなのため、それで頑張ろうとしているのだ。選手が見たいと言うのなら、みんなで勝利してその灯で道を照らそうじゃないか。

この日はスタジアムの広場に献花台が設置された。先日バイク事故にあい、旅たった選手のため。思い思いのメッセージや花を手向けひとの姿が多かった。みててくれとは言わない。だが、君のプレーに報いるためにも、我々は進まなければならない。

後半戦に向けて、一歩一歩を確実に。みんなで登り詰めていく。


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