ちょっとのぞいてみたい!病院以外のナースの働き方は?訪問介護入浴編

看護師の仕事って実は可能性が無限大。病院以外にもいろんな働き方があります。

派遣会社に登録すると1回だけの勤務でも採用してもらえる仕事があります。

それは訪問介護入浴です。スポットでも入れるってことは自分の本業の仕事のお休みに稼げるっていうこと。

どんなお仕事なのか、なぜ1回の勤務でもいいのか、などなど働いた経験からお伝えします!

派遣会社が単発の仕事で常に応募している、訪問介護入浴って?

訪問介護入浴とは、介護スタッフ2人、看護スタッフ1人の3人一組で専用のバスタブを利用者さんの家に持っていき、入浴していただくサービスです。

リビングや居間、時には廊下など畳2畳分のスペースがあれば、組み立て式のバスタブが設置できます。サービスが開始できるかはどうか、自宅でのスペース等や排水の場所などを調査してから行われます。

バスタブ自体はある程度の方の身長をカバーするサイズなので寝たまま入浴でき、寝たきりの方でも安全に入浴できるように工夫されています。

訪問入浴介護は要支援1・2、要介護1〜5の方が利用できます。
ただし、要支援1・2の方は、自宅に浴室がない場合や、感染症などの理由から、その他の施設での入浴が困難な場合に限ります。(介護予防訪問入浴介護)

また重度身体障害者の方も受けることができる場合もあるので、高齢の方だけではなく、小児から利用されていることもあります。

在宅に行くけど3人一組だから心強いですよね!

訪問介護入浴の実際はどんな流れ?

ではお仕事はどんな流れなのか、見て行きましょう。

訪問前、移動中に使用者さんの情報を共有します。介護スタッフより入浴時の注意点や処置なども申し送りして、お家へ訪問します。

介護スタッフ2人が浴槽の準備をしている間に、看護師は利用者のバイタルチェックをして、入浴が可能かどうかの判断をします。

入浴できるかどうかは医師からの指示書内の範囲が基本となり、状態によっては清拭に変更したり、中止になることもあります。

問題なければ、介護士に入浴OKを伝え、脱衣し、入浴に備えます。ADLに合わせた介助で浴槽へ移動します。

浴槽には体を支えるネット上のシートが備えてあり、そのシートを緩めることで利用者さんの体はお湯に浸かることができます。

そして洗髪、洗顔、体を洗い、温まるまで湯船に浸かります。

大体シャンプーの後、肩までお湯に使ったら10分くらいを目安に上がりますが、この入浴の長さは利用者さんによって変わります。(30分は絶対浸かるという人もいれば、心臓の既往があるため6ー8分ぐらいの短い入浴になることもあります)

体を温める間は看護師はお湯をかけたり、コミュニケーションをとったり、報告書を書いたりします。

十分温まったら、排水をしながらシートを上げ、シート上で上がり湯をし、体の洗剤を落とします。シートの上である程度、体を拭き、介助のもとベッドへ戻ります。

体を拭き、必要であれば処置をして服を着ます。更衣が済んだ後、看護師はバイタルサインをはかり、体調に問題がないことを確認します。

全ての片付けが終われば、利用者さんに家族に挨拶して退室します。

そして次の家に移動します。これを何件も繰り返します。


なぜ訪問介護入浴は単発のバイトとしていつも募集があるのか?

実は訪問入浴の仕事ってかなり需要があるんです。派遣会社に登録し、単発の仕事で探すとだいたいどこかで募集しています。

なぜ募集が多いかというと

1、事業所自体に勤めている看護師が少ない

2、どちらかというと体力勝負

3、仕事が体系化しているので初めてでも働きやすい

の3点が大きいです。

事業所にもよりますが、私が経験したところで言うと、1グループが伺うのは1日に6−8件が普通のようですが、忙しいところは10件ぐらい回ることもありました。

大体、朝8時半には出発するので、8時15分に出社、8時半に出発となります。午前中3−4件、午後4−5件になります。

1回の滞在時間は45分ぐらいで、次の家への移動も考慮してスケジュールが組まれていますが、大体定時には終わらないところが多いです。

スケジュールによっては昼食時間が30分ない場合もあるし、車の移動時間も休憩に含まれます、なんていうところも。

移動は車ですが、車から家までお風呂に必要なポンプやホースを運んだり、時には駐車場から家までしばらく歩くこともあったり、利用者さんの移乗介助したりと体力もある程度必要です。

仕事の内容としてはどんな人でもできるように流れは難しくないものです。その中に疾患やADL、状態などで対応しなければいけないこともありますが、看護師なので判断は難しくないと思います。

体力勝負な点から事業所に務める看護師は比較的少なめに。そして単発でも働けるぐらい仕事内容はシンプルになっているところが、単発の仕事として発注しやすいのでしょう。

ぶっちゃけ訪問介護入浴の仕事はどう思う?

体力があって、入浴介助が好きな人にはおすすめです!仕事のお休みに合わせて仕事も入れられるので副業としてもありだと思います。

普段、病院勤務されている場合は、訪問介護入浴を通して在宅でどのように利用者さんが生活されているのかを、垣間見れる良い機会にもなります。

私も何十回としていますが、いいお家も強烈なお家もありました。

例えば、お手伝いさんがいるレベルのゆったりした家から、自分の後ろのスペースはほぼなく身動き取れない家まで、あるいは自宅に鳩を飼っていて土足で歩くことが許されている家も。

持っている疾患も様々です。自宅なので本人のこだわりも発揮されますし、優先するものです。家族の思いも伝わってきます。

連絡ノートなどで他職種のつながりを見ることもできます。

何より、お風呂に入ることを心待ちにしている人がたくさんいるということを知ることができます。お風呂ってこんなにも人を幸せにするんだな、と感動しました。

↑そんな暇もないぐらい忙しいけどw

清潔ケアが好きな人には楽しい仕事ですよ!

おまけ☆

ちなみに訪問介護入浴は1回の点数が1250点なので、訪問介護入浴の会社は経費もかかるけどすごい儲かっているんじゃないか、、、と勝手に予想していますw実際はどうなんでしょうねー??


記事を書いた人【ナース×プロスノーボーダー 松井 英子】

看護師になってからスノーボードにはまり脱正社員し、スポンサー獲得する。期間限定勤務の看護師として派遣会社などを活用して転職経験10回以上、単発での仕事や掛け持ちもしたので経験した職場は20ぐらい。看護師歴13年目。特技は効率よく働くこと。



ナースライフバランスでは、 SNSを活用したオンラインサロン、各種イベント、情報など通して 看護師としてのいろんな働き方やプライベートを充実させるための情報や活動を通して1人でも多くの看護師が「自分らしさを」大切に、 自由で面白いナースライフを過ごせる世の中を目指します。