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三十路もをかし

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三十路をいくつか過ぎた女の残念だったり楽しかったりする日常まとめ。 クスリとしたいときに是非!
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テレワーク中にチャイを煮出して

ぐつぐつ、ぐつぐつ、ぶくぶく……。

片手鍋の中で泡を立てるベージュ色の液体を眺めながら、ふっと思ったのだ。
こんな風に、自分だけのために鍋をぐつぐつ言わせるのは、どれくらいぶりのことだろうって。

***

緊急事態宣言が発令され、休園状態が続いていた保育園が、とうとう開園してくれた。

2か月前。育休明けと新コロナの流行がもろに重なり、私は「在宅復帰」という、復帰したんだかしてないんだかよくわ

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編集者の適性

編集者の適性

(※画像はアニメサザエさんより)

就活していた頃、あらゆる出版社で編集者の適性を見る心理テストのようなものをさせられた記憶があるが、未だにあのテストで何を見られていたのか判然としない。どうすればテストを通るかは何となくわかるが、そのテストを通った人が本当に編集者に向いているのかどうかはわからない。

ただ、十年近くこの仕事を続けてみると、
「これがないとこんな仕事続けてられないよね」
という能力

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私は凶器を使っているので

私は凶器を使っているので

包丁を手に取らない日はない。

にんじんの皮をむく。
じゃがいもの芽をとる。
ねぎを刻む。
パンをスライスする。

まるで自分の手の代わりのように動かして、あらゆるものを切っていく。
私の毎日における、一つの「当たり前」。
そして、台所仕事をする全ての人にとっての「当たり前」でもあると思う。

だけど、使い終わったそれを洗うとき。
私はいつだって、心臓の背中側の方に、ひやっと冷たいものがくっついた

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これから妊婦加算をされた話をしよう。

これから妊婦加算をされた話をしよう。

またしても周囲(乳飲み子を抱えた母親や妊婦が多い友人周り)が騒がしくなってきた。

年末に生まれた息子は、あと少しで生後5ヶ月。
昨年5月に胎内にやってきて、12月に生まれた我が息子。
昨年4月に開始され、1月に凍結された妊婦加算。

何を隠そう私は、全妊娠期間中に「妊婦加算」を加算された元妊婦なのである!(ややこしいですね……)

***

私が妊婦加算の存在に気付いたのは、その言葉がtwitt

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中学2年生の私と、大学3年生の彼へ

中学2年生の私と、大学3年生の彼へ

あれは中学2年生の夏休みのことだった。

その日は学校で自由参加の「数学自習会」が行われていて、当時は数学が得意だったにも拘わらず、まったく必要のないその会に喜々として参加していた。
たぶん、当時好きだった男子が来ているかもしれないとか、そういう理由で出かけたんだと思う(案の定来ていなかった)。
数は少なかったけれど、今でも仲良くしている友人二人も一緒に参加してくれた。

蝉の声を聴きながら、クー

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誕生日に思う

誕生日に思う

31歳の誕生日、理由は忘れたけれど、私は有給をとって会社を休んだ。

近所の、その時気に入っていた洒落た古民家カフェでランチを食べ、手帳に今年の目標のようなものを書き連ねた。

その後、やはり近所にある人気の和菓子やでいちご大福を買い、実家に寄って、夫が帰る前に自宅に帰った。

一年後、32歳の誕生日であった今日。

私はコーヒーショップでテイクアウトしてきた昼ごはんを、実家で母と一緒に流し込むよ

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続・下着のブランド問題

かつて、「下着のブランド問題」というnoteを投稿した。

「アラサーになったら、さすがに20代につけてたような下着のブランドは卒業しなければならないよね……」
という切実な悩みを投稿したら結構な人数の皆様にご覧いただいた(ありがとうございます!!)。

今回は、この件にまつわる続報を、淡々とお伝えしたいと思う。淡々と。努力する。

***

昨年の話になるが、アウトレットに行く機会があった。

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ウェディングケーキ、前から見るか後ろから見るか。

先日、結婚式を挙げた。

時たま、参列者の度肝を抜くような奇をてらった演出に遭遇するものの、結婚式とはおおむね様式美に基づいて構成されるイベントだ。

型がしっかりしているからこそ、相応の対価を出せば、誰にでも挙げることができるといえる。人生で自ら主催する唯一のイベントだ、という人も少なくないだろう。

例外なく、我々の式も、様式美に則って、至極無難に行われた。職業柄、多少ペーパー小物の類いにはこ

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裸のアラサー

裸のアラサー

モコっとした見た目。
弾力のある体。
まるまるしたシルエット。

ロングダウンを着て通勤している私は、オシャレとは程遠い見た目をしていて、例えるならばあれ、

ベイマックス。

こんにちは、私はベイマックスです。心身は特に癒せません。
嫌なメカだな!

***

高校生の頃は真冬でも生足×ハイソックスでスカートを履いていたし、大学の頃はショートパンツとミニスカートが制服(自分基準)だったのに、いつ

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【プロローグ前のプロローグ】なんで編集者になったんだっけね。

【プロローグ前のプロローグ】なんで編集者になったんだっけね。

物語を書く人になりたいなぁ、と思っていた。

幼稚園の頃、伯母からもらったマロンクリーム(サンンリオキャラです)(世代……)のノートに、マロンクリームの架空の物語を綴るという「無意識二次創作」を行ったことが、その後の人生を決定付けたのではないかと思う。

小学校に上がり、父親のお下がりのワープロ(時代……)をもらうと、そこに入っていた「ブラインドタッチ練習ソフト」で毎日毎日キーを叩き、反比例するか

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ノーノースリーブ

ノーノースリーブ

レギンス、トレンカのブームはいつの間に終わってしまったのだろう。
終わるなら終わると事前通知しておいてほしいのに、ブームの終焉はいつだって唐突だ。

レギンスもトレンカも、登場当時は何がオシャレなのかわからなかったし、最後の最後まで男受けがよくないファッションアイテムランキングで上位にいたことを知っている。
だが、一度身につけたら最後、その「楽さ」にとらわれ、離れられなくなった。

ここで問題です

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一つの世界に二つの世界

一つの世界に二つの世界

ポケモンが大好きだ。

新タイトルが発表されたときのドキドキ感は何物にも代えがたく、今度はどんな私(主人公)が、どんな御三家ポケモン(最初に博士から渡される、火、水、草ポケモンのこと)を持って、どんな巨悪(下っぱ幹部のバカっぽさは変わらないのに、近年、○○団たちの信じる理念はどんどん哲学的なものへと進化を遂げている気がする)と戦うのか、日々続報を待つ。

小さい頃、はじめて買ってもらったゲームがポ

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君に期待。

君に期待。

現在アラサーで、一度もジャニー○にときめいたことがありません、なんて人がいるんだろうか。

物心ついた辺りでスマスマが始まり、中学年の頃にTOKIOの歌う主題歌のアニメを見て、V6の学校へ行こうにバラエティーの洗礼を受けたと思ったらKinKi Kidsが硝子の少年でCDデビュー!
タキツバ、斗真くん、山PはJr.の中でもひときわ輝いていたし、風間くんにいたってはジャンプ漫画の声優業にいそしむと同時

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よし子ちゃん(仮名)

よし子ちゃん(仮名)

(※ヘッダーは拾い画)

小学校のときの男友達(仮に加藤くんとする)が、それまで「カトちゃん」と呼ばれていたのに、中学(別々の学校だったが、塾が一緒だった)に入ったら「カトツー」と呼ばれていた。
ツーって何?と聞いたら、その学校には加藤くんが三名いるので、番号をつけられた、という。
つまり、
「カトちゃん」「カト2(ツー) 」「カト3(さん)」
というわけで、何を基準に序列をつけられたかは知らない

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