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管理栄養士国家試験まで ーあと1か月

 今回の管理栄養士国家試験を受験される
学生や既卒の方々で各科目をどう勉強したら
良いか悩むことはないですか?
国家試験1年前であれば、出題ガイドラインに
沿って勉強すれば間に合いますが、この時期だと
かなり難しいと思います。
私見にはなりますが、皆さんの参考になれば
幸いです!


社会・環境と健康/公衆栄養学

 この科目は分野的に似ているため、
一緒に対策すると良いです。

 イメージとしては社会・環境と健康は
公衆衛生学、そこから栄養学に特化したのが
公衆栄養学といった感じです。

 例えば、一次予防・二次予防・三次予防を
実際に管理栄養士が行う場合、各業種によって
関連する法規が異なります。栄養教諭の場合は
食育基本法など、行政の管理栄養士の場合は
健康増進法などが関連してきます。

 法律関連が主に出題されるため、暗記すること
が多いかもしれません。栄養疫学は感度と特異度
の違いなど、理解していないと問題が解けない
分野もあるので注意です。私も正直苦手でした
ので、法律関連をメインに勉強していました。
過去5年分で出題された内容は解けるように
対策していました。


人体の構造と機能及び疾病の
成り立ち/基礎栄養学
/臨床栄養学

 人体や基礎栄養学から勉強すると
アレルギー反応が出てしまう方が多いのでは
ないでしょうか?
その対策として臨床栄養学から広げていくのが
オススメです!

”肝硬変でなぜLES食(Late Evening Snack)が
必要なのか?”
と考えてみると分かりやすい
です。(LES食は200kcalの夜間食のこと。)

→ 肝硬変になると肝機能が低下している
状態なので、肝臓で貯蔵しているグリコーゲンが
枯渇しやすくなり、特に就寝後から早朝に
かけての絶食期間が長いことで低血糖を
起こしやすくなります。

これを基礎栄養学の分野に落とし込むと、
肝臓における糖代謝が理解しやすくなります。

→ 食事由来の糖質は小腸で単糖まで分解・吸収され、門脈を通ってグリコーゲンとして肝臓で
貯蔵されます。肝硬変患者はもともと
エネルギー消費量が多いが、グリコーゲンの
貯蔵量も少ないのです。健常者の3日間絶食と
肝硬変患者では一晩同程度といわれています。

ここで人体について出題されやすい
ポイントを併せて確認します。

→ 門脈は静脈血、肝動脈は酸素に富んだ血液etc.


食べ物と健康

 この科目が得意だという人が少ないですよね💦
実は得意な方でした…!化学が比較的
得意だったので、結構点数が取りやすかった
です。

食べ物と健康は”食品の色素や成分”と
”調理学”、”食中毒や食品衛生法などの法律”の
3つに分けて対策する!

 食品の色素や成分は化学が苦手な方が時間を
割いて勉強するのは正直オススメできません。
むしろ調理学や食中毒、食品衛生法などの
法律の分野を確実におさえることを優先した方が
良いです。下記の順番で勉強すると半分以上の
点数は取れると思います。

勉強する順番としては…
調理学>食中毒>食品衛生法などの法律
>食品の色素や成分


応用栄養学

 この科目は出題される問題はそれほど変化は
なく、出題ガイドラインに沿っている印象です。
基本的にはライフステージごとの栄養管理に
ついての問題は過去問で十分
だと思います。

 そこに加えて、日本人の食事摂取基準や
スポーツ栄養学、環境と栄養管理、
栄養ケア・マネジメントをまんべんなく
対策しておけばどの回でも対応できるかと
思います。日本人の食事摂取基準が変わった
年だと日本人の食事摂取基準についての問題数が
増えるかと思います。


栄養教育論

 この科目は私が学生だった頃とは異なり、
近年は行動変容技法など理論モデルが
ほとんど出題されるようになった印象
です。
逆に言えば、全ての理論モデルを網羅すれば 満点が取れる可能性が高くなります。
 私はこの科目が苦手でしたが、身近な人が
言いそうなことをヘルスビリーフモデルなどで
例えることで理解していました。
 どうしても苦手な方は過去問で練習して、
なるべく解ける範囲にし、他の科目で補うのも
一つの手だと思います。


給食経営管理論

 この科目も比較的得意ではなかったですが、
6割はだいたい取れていたかなという感じ
でした。私は過去問5年分で解いて、
毎年出題されるものを中心に勉強していました。
健康増進法における特定給食施設や
大量調理衛生管理マニュアル、
給食システムなど、出題ガイドラインに
沿っている印象
です。応用栄養学と同様に、
過去問5年分で十分だと思います。


応用力問題

 私の1~2年先輩の回から新たに追加された
科目かと思います。特別に対策をした記憶が
ないです💦

 問題の内容をざっくり分けると大きく4つに
分けられます。

  • 症例を用いて臨床栄養学や人体の構造と機能及び疾病の成り立ちの知識を問う
    問題

  • 栄養指導における行動変容モデル等を
    問う問題

  • 公衆栄養学(食事調査法や残渣法、
    災害時の栄養管理等)

  • 大量調理(調理機器や調理学に関する
    内容、食中毒等)

 この中で1番出題されるのは
やはり症例問題ですね。
割合も全体の半分はあったかと思います。
近年ようやく幅広い分野から出題されてきたかな
という印象です。

症例問題を解くコツとしては、
病名が明記されていた場合は病名に
引っ張られないで病態を問題文から把握する
こと、病名が明記されていない場合は病態を把握し、病態から病名を推測しながら問題文を
読むことです。

 症例問題以外では特別難しいものでは
ないので、各科目の対策で大丈夫です。
問題文が長くあるとどうしても難しく
感じてしまうかもしれないですが、要点を
抽出すれば答えがおのずと出てきます。
”最も適切なものを選べ”と問題文に書いてあって
悩みやすいので、なるべく試験時間の配分を
多めに残して時間を確保する
と良いと思います。


 5年ほど前の記憶をたどりながら、
管理栄養士国家試験の対策をどうしていたか
振り返ってみました。これはあくまで私の体験談
なので、ご自身に合った勉強法を見つける
きっかけになればと思っています。

 来月受験される方々は体調を崩さないように、
苦手分野を少しでも減らして試験に臨めるよう
祈っております✨

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