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#4 分子栄養学で使われるサプリメントと、海外サプリメントなど一般的なサプリメントとの違い

海外サプリメントなど一般的なサプリメントと分子栄養学実践専用サプリメントの具体的な違い③

違いその④体内の崩壊が考慮されているか

消化吸収を考慮した配合内容の考慮に続き、大切なのが「体内での崩壊が考慮されているか」です。

多くのサプリメントでは、飲みやすくするためにカプセルタイプや錠剤タイプに加工されています。このようなタイプでは、カプセルや錠剤が胃や腸などできちんと崩壊し、有効成分が消化吸収されて初めて意味があります。

大抵の方は、サプリメントの錠剤が体内できちんと崩壊しているかなんていちいち気にしませんよね。薬と同じ感覚で、体内できちんと崩壊されて吸収されるのは当たり前だと思われています。

しかし、市販されている多くのサプリメントでは、単に原材料を固めただけで体内での崩壊は考慮されていません。信じられないかと思いますが、事実、市販されているサプリメントの中には、胃や腸などで全く溶けないものがあることが多く報告されているのです。

例えば、独立行政法人国民生活センターでは、『錠剤・カプセル状の健康食品は、外見上医薬品と誤認されることが多いものの、医薬品並みの品質管理がなされているものではないとされています。また、成分が一定量に調整されていない商品や、消化管の中で確実に溶けて、吸収されるように作られていないと思われる商品があるともいわれています。』と解説しています。

そして、独立行政法人国民生活センターが市販されている商品を実際に購入して崩壊性を調べた結果、なんと100銘柄中42銘柄が、医薬品に定められた規定時間内に崩壊しなかったという結果になりました。

市販されている商品に関するテスト

 市販されている商品をテスト対象として、崩壊せず体内で吸収されない可能性があるか、表示されている機能性成分(注6)が表示どおり入っているか、微生物や重金属に汚染されていないか等、品質について調べました。

  • 消費者へのアンケート調査の回答結果を参考に、多くの消費者が摂取すると考えられた機能性成分を10カテゴリー(「マルチビタミン」、「GABA」、「黒酢、香醋(こうず)」、「コエンザイムQ10」、「酵素」、「HMB」、「ルテイン」、「乳酸菌類」、「グルコサミン」、「DHA、EPA」)選定し、神奈川県内、東京都内及び徳島県内のドラッグストアの店頭やインターネット通信販売の大手ショッピングモール(Amazon.co.jp、楽天市場、Yahoo!ショッピング)、検索サイトGoogleにて市場調査を行い、各カテゴリーにつき10銘柄ずつ、合計100銘柄を選定しテスト対象としました。100銘柄中には、栄養機能食品が21銘柄、機能性表示食品が11銘柄含まれています。

  • 崩壊性を調べた結果、100銘柄中42銘柄が、医薬品に定められた規定時間内に崩壊しませんでした。

利用途中の健康食品に関するテスト

 消費者の利用状況等が錠剤・カプセル状の健康食品の品質に影響を及ぼすかを調べるために、徳島県内で利用途中の健康食品を収集し、同時に、対面でその健康食品の利用実態に関するアンケート調査及び聞き取り調査を実施しました。容器を移し替えておらず、かみ砕いて摂取する錠剤ではない合計105商品をテスト対象としました。

  • ハードカプセルの内容物が硬化しているものがみられました。

  • 医薬品に定められた規定時間内に崩壊しなかったものが半数あり、未開封品よりやや高い割合でした。

  • 収集した利用途中の健康食品の多くでは、未開封品と比べると機能性成分の量がわずかに少ない傾向がみられました。

https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20190801_1.html

また、既に利用中の健康食品の崩壊性を調べた結果もあり、テスト対象とした合計105商品のうち、医薬品に定められた規定時間内に崩壊しなかったものが半数あったとの結果にもなっています。

このことから、市販されているサプリメントのおよそ半数は、医薬品に定められた規定時間内にきちんと崩壊していないという事実があります。当たり前ですが、どんなに良い原材料を使った高濃度の有効成分が含まれているサプリメントでも、それが胃や腸できちんと崩壊しなければ全く意味がありません。

なぜこのような結果になってしまうのかというと、サプリメントは「食品」という位置づけである事から、医薬品ほど厳密な設計や製造、テストが行われていないためです。医薬品は有効性を保証するために体内での崩壊性を考慮した設計や製造、厳しいテストを行いますが、市販されているサプリメントの多くはこのような考慮や設計は殆ど行われていません。

大抵の場合は、コストを抑えるために単に原材料を錠剤の形に固めただけで販売されています。この時に固めすぎてしまうことで、体内できちんと崩壊しないといった結果になってしまうのです。

また、サプリメントがきちんと体内で崩壊するよう設計・製造するためには、専門家による設計と製造が必要です。当然、医薬品と同じ基準で設計や製造、テストを行おうとすると非常に多くのコストがかかります。

市販されているサプリメントの多くはコスト優先で安く多く販売することを優先とし、利益を追求する目的で販売されています。そのため、体内での崩壊性は考慮されていない商品が多くあるのです。

対して分子栄養学実践専用サプリメントでは、サプリメントの専門家が体内での崩壊性もきちんと考慮した設計・製造を行っています。加えて、医薬品と同じ基準での崩壊性試験を行い、体内できちんと溶けるよう1つの製品に数十段階もの工程を設けて製造されています。

また、消化酵素などの一部成分においては、カプセルが胃で溶けてしまうと胃酸によって成分が分解されてしまうものもあります。このようなものについても、胃で溶けずに腸で溶ける「腸溶性カプセル」を使用したり、胃酸に影響を受けないようコーティングを行うなどの工夫が施されています。

一方で市販されているサプリメントはこのような考慮や設計、工夫は行われていないため、成分が胃液や胆汁などの影響によって有効成分が分解されてしまっている可能性が高いです。このようなサプリメントでは、そもそも効果が期待出来ないために分子栄養学の実践は行えません。

このように、サプリメントを選ぶ際は、値段や含有量で選ぶのでは無く「設計と安全性」で選ぶことが大切です。分子栄養学実践専用サプリメントでは、体内での崩壊性や有効成分が効力を保ったまま吸収されるようにきちんと設計・製造されているので、安心して摂取する事が出来ます。

違いその⑤複合体での設計、配合になっているか

続いて、有効成分が体内できちんと働けるよう、複合体での設計、配合になっているかです。いくらサプリメントが胃や腸で崩壊し、吸収されたとしても、その栄養素がきちんと体内で働くことが出来なければ意味がありません。

栄養素が体内で働くためには、お互い協力して働く仲間が必要です。例えば、ビタミンBと一言で言っても、その中にはビタミンB1やB2、B6やB12、ナイアシン(B3)やパントテン酸、葉酸など様々な種類があります。

これらはお互いに協力して働くので、それぞれを単品で摂取しても体内でうまく働くことが出来ません。そのため、ビタミンB群を摂取するときは「B群」としてビタミンB1・B2・B6・B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類をすべてまんべんなく摂取する事が必要です。

加えて、ビタミンB群が体内で働くためには、肝臓で活性型に変換される必要があります。この時、一部のビタミンB群では、活性化するために「核酸成分」(DNA)も必要になります。

また、体内でタンパク質を合成するためには「メチオニン」というアミノ酸が必要で、体内では食品から得られるメチオニンの他、このメチオニンを代謝した過程で発生する「ホモシステイン」という物質から再度メチオニンに変換されて使用されています。このホモシステインをメチオニンに変換する過程では、特定のビタミンB群(特にビタミンB6、B12、葉酸)とベタインが関与しています。このため、ビタミンB群に加えてベタインも同時に摂取する事が望ましいです。

他にも、ビタミンCが効率よく働くためにはビタミンB群やビタミンPが必要ですし、骨を作ったり丈夫にするためには、カルシウムに加えてマグネシウムとビタミンD3が必要になります。

女性に多い貧血の場合では、造血するためには鉄分以外にも亜鉛やセレン、マンガン、銅などのミネラルが必要となるほか、吸収率の低いミネラルを効率よく吸収するための工夫として「カゼインホスホペプチド」などの配合も鍵です。

このように、栄養素は単品で摂取しても体内で働くことが出来ないため、栄養素を補給するときはお互いに協力して働く栄養素も必ず複合体で摂取する必要があります。

このような栄養素同士の働きや、体内での栄養素の働きを考慮し、必要な栄養素を至適量補給することで体内の乱れた分子を整えていくのが、分子栄養学です。分子栄養学実践専用サプリメントでは、このような栄養素同士の働きや体内での栄養素の働きを考慮し、お互い助け合って働く栄養素に関しては必ず複合体での摂取となるよう設計・製造されています。

対して、市販されているサプリメントなど一般的なサプリメントでは、このような分子栄養学的な栄養素の働きは考慮されておらず、複合体での設計・配合も行われていません。例えば、ビタミンB群であれば、B群として8種類のビタミンBを配合したものはありますが、ベタインや核酸成分が配合されているものは殆どありません。

また、海外サプリメントの場合では、「鉄」や「亜鉛」など単品の栄養素が高濃度に配合されたものは多いですが、消化吸収能や生体内の働きを考慮して複合体として配合されているものは皆無です。

そのため、市販されているサプリメントや海外サプリメントを用いて分子栄養学を実践することは非常に困難です。栄養素は、お互いに協力して働く栄養素を同時に摂取して初めて意味があります。このことからも、分子栄養学を実践する際は、必ず分子栄養学実践専用サプリメントを用いることが大切です。




※この記事は、下記記事から一部を抜粋・改編したものです。記事全文は下記記事をご覧下さい。元記事はこちら↓


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